石原知事記者会見

平成21年12月24日更新

石原知事定例記者会見録

平成21(2009)年12月18日(金)
15時00分〜15時15分

知事冒頭発言

【知事】今日は冒頭申し上げることはございません。質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】オリンピックの再挑戦の件なんですけれども、新聞社とのインタビューで、議会が反対したら招致活動できないという趣旨のことをおっしゃっているんですけども、その件で真意をちょっとお伺いしたいんですが。

【知事】真意はそのとおりです。今度は議会に諮(はか)るべきものだと思いますから、1回挫折したわけだから。

【記者】議会に諮るというのは、来年度予算案に招致経費の一部を計上して、その審議の中で諮るということなのでしょうか。

【知事】いや、必ずしもそういうことじゃありません。当面、仮に2020年、東京がアプライ(立候補)し、それが決定するのはもっと先のことでしょうけども、今からにわかに予算を執行する必要もないし、そういうケースはあり得ないと思いますから。

【記者】すると、来年度予算案には計上せず、その後、また計上していくと。

【知事】そうでしょう、それ、決まった時点で、はい。どうぞ。

【記者】2020年のオリンピック再挑戦に絡んでなんですけれども、JOC(日本オリンピック委員会)などとの話し合いは、知事が表明した後、何らか進んでいますでしょうか。

【知事】この件について、むしろ残務整理といいましょうか、そんなことで幾つか話をしてますけども、これは、こちらから言ってどうこうじゃない。JOCはJOCの意思を持ってるでしょうから、それがいつごろ、どういうふうに表明されるかは先のことですけども。

【記者】あと、150億円の招致活動費の検証なんですけれども、年度内中に発表されると思うんですが、スケジュール感、1月になりそうか、2月になりそうか、いつごろ…。

【知事】この間も、実は、ちっちゃなアイテムですけど、プレゼンテーションのときのフィルム、映像の作製費についても、いろいろ論がありますけど、電通のスポーツ局長が来まして、話をしました。いろいろ言ってました。それは、私たちが聞いて、担当の局長が、また(都議会の)委員会内に報告しても、子供のよくやったジェスチャーゲームで、やってるうちに何が何だかわかんなくみたいになるから、君らが来て当事者として、参考人としてでも呼ばれて、話をしてくれということを言いました。それはやっぱり電通としての責任じゃないかと、これからのこともあるからと言いましたら、わかりましたって帰りましたけども。

【記者】すいません、今、言われたことは、いずれ議会に電通の方が出るということですか。

【知事】そうですね、議会に招致されればですな。当然、そのうちにまた問題になってくるでしょうから、検証しても、何でこれかと、この間も何か、議員が言ってたけども、ここで言ってもしょうがないけども、ロンドンの場合はちょっとケースが違って、3社に頼んでるはずだということを言って、それをここでくどくど聞いても、私たち、伝言の伝言になるしかないから、君らがじかに言いなさいということを言いました。はい。どうぞ。

【記者】先ほどの質問の関連で、オリンピックなんですけれども、予算案がかからないとなると、議会の賛否を示す場ということになると、あとは例えば招致決議という話があったときに、それを民主党が乗るか乗らないかというプロセスなのかなと思うんですが、そうすると、なかなか議会と相談ということよりも先に、事務的なスケジュールが進んでしまって、議会側からすれば、意思表示をする前に、例えば東京が正式に立候補都市で決まってしまうとか…。

【知事】それはないんじゃないですか。だって、予算委員会を含めた、第一定例議会ありますから、当然、そこで問題になってくるでしょうし。NPOとしての(東京オリンピック・パラリンピック)招致委員会というのは、ここでぷつっと切れるわけでなしに、そのレガシー(遺産)というものをきちっと伝達していくためにも、継続されますから、それに関連する多少の予算があるかどうかわかりませんが。今、当面、大きな予算を要することはないと思いますんで、さっきそういうふうに申しましたけども、むしろ議会で、ひとつ議題として取り上げてもらう必要があるならば、何らかの予算をのせるということもあり得るかもしれませんけども、それはそんなに、別に高額なものじゃないと思います。

【記者】おそらく、残務整理の予算も多少は招致本部としてつけるのか、それはどこかの局に入れるのかわかりませんが、ゼロということはないと思うんで。ただ、その少額の予算への賛否というのもちょっと、かなり小さい話になってしまうんで。

【知事】いや、それをきっかけで、オリンピックをやるかやらないかというような議論になるんじゃないでしょうかな。

【記者】それと、ことし最後の定例会見ということなので…。ちょっと月並みでございますが、知事にとって、ことしはどんな1年だったでしょうか。

【知事】「ミゾウユウ」の1年だね。政権も交代したし、そのあおりを食って、都議会の選挙がああいう結果になったのはほんとに、(自民党)本部の幹事長が出てきて釈明し、侘びをするというのは、まさに未曾有(みぞう)のことだよ。

 どの政党がイニシアチブ(主導権)とろうと、私たち、生々しい現実を持っているわけですから、都民の代表として、合理的な議論をしていけばいいと思ってますけれども。

 はい、どうぞ。

【記者】デンマークのコペンハーゲンでCOP15(第15回気候変動枠組条約締約国会議)がやっておりますけれども、かなり難航しているようなんですが、今回のCOP15の議論を知事のほうでごらんになっていかがお考えでしょうか。

【知事】何らかの危機感をみんな持ち合わせてるんでしょうけども、それがどうしたものかということはにわかに言えないし、ヨーロッパと日本の認識というのはかなり共通したものがあると思いますが、アメリカとか、途上国の代表というのかな、中国という一番CO2というものに対して多量な排出をしている国が、このものに対してちょっと姿勢が我々と異なるということも、大きなバリア(障壁)になっているような気がします。

 あわせて、C40の会議(※C40(世界大都市気候変動グループ)都市をはじめとする世界100都市の首長が招待された『コペンハーゲン市長気候サミット』)がありまして、猪瀬(直樹)副知事に行ってもらいましたけども、行ってみてわかったんですが、大分前でしょうけども、国連の中にイクレイ(ICLEI 持続可能性をめざす自治体協議会)という組織があって、そこから東京は抜けてるんです。こんなもの入ってもしようがないと抜けたんだろうけども、これが、実は今度のCOP15も国連のイニチアチブで行われたものでして、ですからC40の会議のほうも、そのイクレイに東京が入ってないために、ちょっと東京の扱い方が非常に心外だったということを猪瀬さんが言ってましたんで、これはもう、そういう力関係があるならば、当然こういう時代ですから、イクレイにも東京は復活して、これから発言しようと思ってますけれども。

【記者】結論を出すには、これ、かなり時間がない感じが印象としてあるんですが。

【知事】ないでしょう。とにかく、一昨年のバリ島の会議(COP13:第13回気候変動枠組条約締約国会議)、昨年の洞爺湖のサミット、今年のイタリアの(ラクイラ)サミット、この問題について当事者、とにかく、エクスキューズ(弁解)したけど、半歩は前進だったけど、3年かかって一歩半じゃ、これ、事態の進展にとても追いつかないと思います。

 まあ、そのときになって、この歴然とした事態がこう、露出してあわててもしょうがないと思うんだけれども、よく引き合いに出す、NASA(米国国立航空宇宙局)の気象の観測の権威でありますハンセン(ジェームズ・ハンセン NASAゴダード宇宙科学研究所所長)なんていう教授は、どうもその問題のとらえ方がいかにも怠慢で、これじゃ間に合わんと警告してましたけども、私もそんな気がします。どうぞ。はい。

【記者】民主党の新政権なんですけれども、マニフェストが大分後退しまして、死守していくという姿勢から、大分柔軟になってきてるように昨今は動きが出てるようなんですけれども、それについて、知事の所見を伺いたいんですが。それともう1つ、民主党(幹事長)の小沢一郎さんが、陳情窓口を一本化してやっている、そのやり方についても、いろいろご意見があろうかと思います。特に小沢一郎さんの脱官僚という点では、都知事と考え方も共通するところがあるんじゃないかと思いますので、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。

【知事】脱官僚は全く結構なことです。太政官制度以来続いてる、中央官僚の全国支配というのは、淘汰(とうた)されなければとてもこの国は活発に動いていかないと思いますけども、政治というのは公約だけで動くもんじゃありませんし、選挙は選挙で意味合いが大きいけども、しかし財政をどう運営するかという、この現実ということを踏まえれば、小沢幹事長が陳情の窓口として、世論を踏まえて、ああいう提言を政府にしたっていうのは、私はごく妥当なことだと思います。そういったものを斟酌(しんしゃく)しないで、とても予算が組めるもんじゃないという気がします。はい、どうぞ。

【記者】話変わって恐縮ですが、沖縄の普天間移転問題に関連して1問お尋ねいたします。大阪府の(橋下徹)知事が、昨日の全国知事会議で、国から要請があった場合は、知事会として、沖縄以外での基地受け入れについて検討してみてもいいのではないかという提案がありましたが、こういう沖縄の基地を本土のほう、本州のほうに持ってくるような議論を、地方側からしてみてはどうだろうかという提案に対して知事のご意見を伺えればと思います。

【知事】これは、基本的に、わかりました、それじゃ、うちで少し引き受けましょうという県はないと思う、そりゃ。それから、橋下さんが言った、これ取り消したようだけど、関西空港を海兵隊の云々(うんぬん)というのは、それは全くリアリティー(現実性)のない話で、何で沖縄の辺野古に、その海兵隊の基地を設けたいかという意向は、あそこに原生林があるんです。あの沖縄本島の北部に。いわゆるヤンバルという、これはもう、東南アジアの密林に酷似してまして、海兵隊のアジアにおける展開のためには、格好の演習地なんです。

 ですから、グアム島に移っても、グアムにはそういう背景がありませんから、これは橋下さん、それ取り消したようだけれども、ただ、総体的に言って、アメリカの基地をうちで引き受けましょうという県はないと思う。東京はまっぴらごめん。横田(基地)取り戻すのに四苦八苦してるんだから。

 やっぱり、国の主権という問題というものを、私たち本気で考える必要あると思うけど、かといって、駐留なき安保体制というのはあり得るのかと。これは言うのは簡単ですけど、これから、日米関係はどう展開してくかわからないけども、こないだある新聞に、私も、横田の問題侃々諤々(かんかんがくがく)やったローレス(リチャード・ローレス 元米国国防副次官)という、これ、もともと弁護士だけど、名前「ローレス」と言うんだよ。「法律のない男」だから。そういう不思議な名前の弁護士がいて、これ、なかなかタフな、国防総省の次官補だったかな、彼と随分、侃々諤々やりましたが、彼がかなり激しい論調で、日米関係というものを占っていたけども、それが当たるか当たらないかわかりませんが、いろいろ情報とってみると、アメリカはかなりいらいらしてる現況でしょう。

 どうぞ。

【記者】すいません、先ほどの電通のスポーツ局長さんとのやりとりなんですが、これは議会で、電通が製作された映像、10分5億円だという、あれが指摘された後のお話?

【知事】そうです。

【記者】それは知事側のほうからそういう場を設定されたんですか。

【知事】いや、これについて何か説明したいと思ったのかどうか知りませんが、とにかくその会合がありましたんで、私はここで、その言い分聞いてもしようがないんで、君がじかに参考人として議会に話をしなさい。担当の局長が、それをまた移すと、その口移しで言っても、何か知らんけど、東京都が、電通の代弁するつもりはないんだから、あなた方ビジネスとして引き受けた仕事だから、一番詳細にそれを知ってるのは君自身なんだから、君が、都民のため、国民のために電通の責任で話しなさいということを言いました。

 大分問題になったらしいけど、電通で。どういうふうな問題になったか知らないけど、それ、当然でしょう。私は当然それ、要求しますよ。

【記者】その説明聞かれて知事は、妥当だと。

【知事】説明する必要ないって言ったの、私に。私、概略を聞きましたけど、詳細云々とかって、ここじゃなしに議会でやってほしいと言いました、はい。

 はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)