石原知事記者会見

平成21年12月10日更新

石原知事定例記者会見録

平成21(2009)年12月4日(金)
15時00分〜15時13分

知事冒頭発言

【知事】きょうは私から冒頭申し上げることはございません。質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】決算についてお伺いいたします。きのうの都議会の決算特別委員会で2008年度の決算が初めて不認定となりましたけれども、知事の受けとめをお願いします。

【知事】銀行の追資(新銀行東京への400億円の追加出資)の問題なんでしょうけど、これは、しかと承りましたと言う以外ないです。はい。

【記者】民主党の大沢(昇)幹事長は知事に対して「重く受けとめるべきだ」と、都民に説明責任を果たすべきだとする談話を発表されましたが、それについてはどのように。

【知事】説明は、追資のときの議会でさんざんしたじゃないですか。しかも、そのおかげで、銀行墜落せずにみんな頑張って、四半期続けて黒字出して、どうやら単年度黒字出そうで、やっぱり頑張ってもらって、残してよかったと思います。

 これからもっともっと力をつけて、当初の目的である、あまり国も面倒見ない小零細企業、特に、私が始めたローン担保証券とか社債担保証券、あれで1兆円ぐらいのマーケットになったけど、80社近い会社が上場しましたが、そういう措置の対象になり得ない、もっともっと小さなマイナーな会社を救うために作ったんですから、当初の目的は間違ってなかったと思いますし、銀行の経営に問題があったと思いますから、今のスタッフが頑張ってくれてここまで来たというのは、これからの展望が開けてくると私は思ってますけども。はい。

 どうぞ。

【記者】今の質問に関連してお尋ねいたしますが、不認定という決算の結果が、22年度の予算審議にどう影響を与えるかどうか、知事の現在のお見通しを伺えれば…。

【知事】その不認定の原因が、結局、銀行ということだったら、今申し上げたことに尽きると思いますから、はい。どうぞ。

【記者】きょう東京都と青森県が、風力発電とかの自然エネルギーの普及を東京都内の事業所にするために協定を結んだそうなんですけれども、こういった東京と地方が環境で連携していくということについて、知事としてどのようにお考えでしょうか。

【知事】それは、できることはどんどんやったらいいと思うけど。ただ、僕、それ、つまびらかにしてませんが、東京と青森というのはかなり離れた2つの地域ですけど、どういう形の協力をするのかな。私、それ、詳しく聞いておりませんが。

 ほかの地方自治体の協力というのは、既に首都圏で公害対策、大気汚染の対策なんかもやってきましたし、それから災害のときの援助対策やってますから。東京と青森がどういう形で協力するのか、私、これから詳しく聞いてみますけど、いずれにしろ自治体同士がノウハウを交換し合って協力しているのは結構なことじゃないですか。はい。

 はい、どうぞ。

【記者】決算のことで関連で。自民党や公明党が主張しているポイントとしては、決算というのは数字上の問題とか、何か不正がなければ認めるべきだと。要は予算という段階で認められたものを、執行機関はそれを使っただけのことであって、言うなれば青信号で渡ったら、渡り終わったら、何か急に交通違反の切符切られちゃったみたいな、そういうような状況じゃないかと。渡っていいよと言われたのに、渡り終わったら反則でしたみたいな、というような見方はおかしいんじゃないかというふうに主張しているんですけれども、そういった決算認定のあり方みたいな部分について、知事・・・。

【知事】私もそう思います。国会にいたときも、閣僚していると、決算委員会に引っ張り出されるわけ。これ、ひどいときは、3年前とか2年前の決算委員会に出て、もうご承知のように自民党時代の閣僚というのは1年ごとに変わりますから、全く関与しない決算について、云々(うんぬん)されてもこっちも当惑するんだけど、それに比べれば最近のといいますか、昨年度の予算についてでありますから、しかし、それを編成するときに、議会の情勢も変わってきたけれども、さんざん議論して徹夜もしたわけですから、私には、ちょっと奇異な印象を否めませんが、しかし、結果としてそういう結論が出たら、しかと承りますと言う以外ないです。はい。

【記者】今、国のほうで普天間(沖縄県にある米軍普天間飛行場)の移設が、かなり議論になっていて連立政権の維持を目的としたと見れるような、その、年内決着を図るのは難しいとか、で、名護市長選が年明けに1月にありまして、その結果いかんでは、またこの問題がかなり泥沼というか、混迷しそうだと。そういった現状をどう見てらっしゃいますか。

【知事】立場はだれであろうと何であろうと、日米関係というのは、日本にとって非常に極めて大事な国際関係ですから、ましてその日本という国家の生殺与奪の権を支配しかねない防衛体制に、非常に強力な支援を受けている立場ですから、そういうものを考慮してこの問題を考えなくちゃいけないと思うけども。ただ、アメリカはアメリカなりに随分ある意味の譲歩といいましょうか、最初は今の辺野古(沖縄県名護市)につくるときも海に滑走路をつくるのは好ましくないとか言っていたのが、それも譲歩してきて結構だと言った。しかも、その条件の下で、名護というのは高速道路もできましたが、ちょっと辺鄙(へんぴ)なところでして、あそこに新しい基地をつくって、それも軍民共用化するという話があった。その限りで名護の市長さんも、それを是として、あそこに民間機が着くようになったら非常に便利ですし、名護というのは非常にきれいな町ですから、ということで賛成していた。それがまたこういう状況になってくると、かなり次の選挙もきわどいものになるんじゃないかという気がしますが。しかし、米軍は辺野古に移すならば今の普天間返しますよと言ってたんでしょ。それがだめになったら、基地、返ってこないんじゃないですか。これ、普天間の人たちにとって非常に問題あると思うし、名護の今の辺野古の新しいプランは、そういう意味では、あまり住民の環境というものに、少なくとも普天間に比べればロード(負荷)が少ないものだと思うし、それを見越して、アクセスの問題もあるから、市長も賛成だと言って市民に訴えて当選したんでしょうけども。

 ただ、これは米軍側の事情だけど、知る人は知ってるわけだけど、どこの国の軍隊もそうかどうかは知らんが、特にアメリカの場合には陸海空、海兵隊という4軍があって、もう1つコーストガード(沿岸警備隊)があるわけですけど、この陸海空と海兵隊の中で、非常に海兵隊というのは、ほかの軍隊とそりが合わないんだ。

 それで、アメリカのグランドフォース、陸軍は、たかがしれてるんですよ。それで、イラク行ってる兵隊見ても、これ、ほとんどステーツアーミー(州兵)で、戦闘にほとんど適さないんじゃないかという人たちが行ってますが、これは海兵隊になるとがらっとそういうのが変わってくる。特に地上戦闘では、最も強力な勇猛な軍隊。しかし、いろいろ問題も起こす。これは、私の言葉じゃないですよ。アメリカの軍関係者に言わせると、すれすれの人間たちが多くて非常に厄介だと言う人もいるようだけども、それだけに、戦力として非常に獰猛(どうもう)で強いということでしょう。それがどういうふうに評価されているか。

 だから、ある意味で空軍と海兵隊というのは、およそヘリコプター使ってるのと、それからジェット機、戦略爆撃機の地上攻撃と、全く異質のもので、それが、同じ国の軍隊が一緒にやったらいいじゃないかと思う、それは主な外国の人間の認識で、これ、私もいろんなこと体験していますが、ものすごくそりが合わないのよ、海兵隊とほかの軍隊は。そういうものをどこまで岡田さん(岡田克也 外務大臣)が酌量したかは知らんけども、同じアメリカの軍隊なんだから嘉手納(米空軍基地がある沖縄県の地名)は非常に広いんで、あそこで一緒にやったらいいじゃないかというのは、アメリカはアメリカの都合があるから、それはおまえらの勝手だって言い切れるかどうか。

 そこら辺のところは外交交渉の難しいところで、このままでいったら、私はどういう結論が出るかわかりません。今のままでいったら普天間は返ってこないでしょうな。

【記者】そういう意味では、まだ議論の経過、途中ではありますけれども、知事としては、今現行で日米政府が合意している案を中心に考えるべきだとお思いなのか、県外や国外移設という可能性を探るといっても、なかなか難しい現状があると思うんですけれども、そのあたり。

【知事】私は、セカンドベスト(次善の策)で、今の、橋本(龍太郎)内閣が決めたときの、しかもアメリカがいろいろ譲歩してくれる、その条件の中で移転することが日米関係にとっても好ましいんじゃないかと思いますけども、はい。

【記者】一方で、政治状況なんですけれども、連立に配慮して、言葉は悪いですけども、少数政党の意見というものにも配慮しながら、必ずしも安全保障の議論を中心に判断ができてないという見方もありますけど、今のこういった状況をどのようにご覧になりますか。

【知事】その政府の構成というのは単独の政党が仕切るということは好ましいのかもしれないけど、現況の中で連立政権を組んだ。参議院での力関係を配慮してることでしょうけれども、政権の維持というもののために、大きな国策というのが左右されるのは、あなたの言うとおりあまり好ましいことじゃないと思います。

 だから、今の日米関係を左右しかねない普天間の問題なんかも、しからばどの政党がどれだけの数を持ってて何を言い分にしているかといったら、社民党というのは昔の社会党でしょ。言っていることはステレオタイプで昔から変わらない。それが、今ごろまかり通るのかなっていう感じします、私は。

 私、何も日米関係このままで結構だと思ってませんよ、ちっとも。横田(基地)の問題で苦労してるし。例えば、同じことを考えているんじゃないかな。おれたちは、とにかく沖縄で戦って、日本人も死んだけどアメリカ人も死んだんだと。沖縄の基地は日本のためにおれたち持ってるけど、あの沖縄における戦いのスーブニール(記念品)だって言ってるんじゃないの。横田は現に彼らは太平洋戦争のスーブニールだと言ってますから。そんな笑止千万なことを今、ぬけぬけ言われるような気持ちもほんとにわからないけれど。よく言えるもんだ。

 それで今まで日本人は我慢してきた。私は我慢ならないから代議士のとき「横田返せ」って言ってきたんだけれど。もっと国民も、こういうものについて意識持ったほうがいいと思う、あなた方メディアの方々も。日米は決して対等なパートナーシップじゃないと思います。経済関係含めても。

 はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)