石原知事記者会見

平成21年9月10日更新

石原知事定例記者会見録

平成21(2009)年9月4日(金)
15:01〜15:17

知事冒頭発言

【知事】私から今日はですね、申し上げることはございません。質問があったら、どうぞ。

質疑応答

【記者】IOC(国際オリンピック委員会)の評価報告書がおととい出されて、財政面は評価されたものの、選手村の狭さや支持率の低さが指摘されたことについて、知事の所感をお願いいたします。

【知事】選手村はですね、そんなに狭小とは思いませんね。これはですね、でき上がって見てみればわかることですけれども、特に高層の建物は困るということだったんでね、中層というか、低層にして、とにかく階段で上がれるようなあれにしたんですけれども、それにしてもですね、使用の人間の数やですね、その他この他の機能にしても、私はそんな狭いと思いません。ただ、支持率の問題はね、これはもうね、2月の時点で調べたことでね、あのころは確かに東京都は本当に非常に少なかったけれども、それからキャンペーンに努めてですね、現在で80%を超す支持率になってますからね、それは、この間のローザンヌでも説明しましたし、今度のコペンハーゲンでも改めてですね、説明しようと思ってます。

 それから、リオデジャネイロは大分興奮して走ってるみたいだけどね、なかなかね、IOCの世界というのは政治的でしてね、非常に見えない部分ってたくさんあるんだけども、これは仄聞(そくぶん)した情報ですけれども、やっぱりブラジルにですね、ある大幹部がブラジルの評価の中のですね、一言だけど、ある副詞をある意向で変えさせたという情報も入ってますが、それがね、情報として伝えることがブラジルにとって果たして得があるのか不得かということは、これはまだわからないですな。非常に物の見えにくい試合というか、レースであることは間違いない。ということです。

【記者】ありがとうございます。

【知事】ただ、これからね、ある意味全力を尽くしてですね、やる以外ないんでね、もう前から言われていることはね、二転三転するんだと。それで、実際にですね、事が決まるのはコペンハーゲン行ってから、投票日の2日前ぐらいからだということになるとね、じゃあ、それまで努力やめるかと、そういうわけにもいかないんでね、それを踏まえてね、どういう弾みがつくか、つかないか。

 それから、ある人からね、ブラジルの大統領がね、マドリードとリオ(リオデジャネイロ)が取り引きしてね、片方が負けたら片方を応援するということを、フランスのラジオですか、言ったらしい。これが何かね、非常にみんなショックを受けているけど、これはもうね、何ていうのかな、IOCの世界じゃ常識的なことでね、それを表に立って言うか言わないかの問題で、これはもう得、不得というのはまた結果によってわからんですな。

 はい、どうぞ。

【記者】今のIOCの評価レポートの関係なんですけれども、今縷々(るる)さまざまな点について教えていただいたんですが、東京に対するですね、評価を全体的にこう、一度コメントを発表されているわけなんですけれども、実際に知事のお言葉で包括していただければと思ったんですが。

【知事】あのね、評価の全文とね、要約を読み比べてると、いろんなことがわかるんですがね、例えばね、とにかくこの間来た調査団(IOC評価委員会)も、等しく団長以下同じことを言ったのは、私たちは絶対この段階でコンパリスンをしない、比較というものをしないということを言ってましたが、今度もね、つまり何ていうのかな、どの都市も要するに同じですよ、そこそこ同じですよというイメージをつくるのに苦労してるなって感じがしました。

 ですから、例えばね、全文とね、要約の中の違いはね、ホテルの問題っていうのは、これはもう実に瑣末(さまつ)な、ちっちゃなことなんです。それでね、本文にはきちっとね、一応ね、ホテルのリザーブ(予約)っていうのは開会式から閉会式まできちっとやりますと言っていながら、しかし、非常に強い需要があるときはですね、前の1週間、それから閉会式の後の1週間も、これはちゃんと確保してですね、十分な提供をいたしますということを言っているのにね、そこのところはネグられて(無視されて)てね、何かホテルの需要供給についてちょっと不安だなんていう文章がありました。これはね、要約は要約でしかないからですね、こちらはなんか肩すくめて読まざるを得ないのかもしれないけど、ある意味では正確な要約とは言えませんな。

 そういう点がね、それからね、これは大事なことはね、IOCの委員たちもね、それほどつまり何というか、勤勉というかね、与えた物を全部読まないんだね。皆さんご覧いただいたやつで、最初の何ていうんでしょうね、プレゼンテーションの大きなふろしきに包んだの(※平成21年2月にIOCへ提出した立候補ファイル)がありましたね。この間ローザンヌ行ってね、いや、きれいだった、美しかったと言われたけど、ある人に言わせると、あれ、本当に読むやつは5%もいないぞと言うんだね。そうすると、こっちもがっかりしちゃったんだけど、ますます、だからね、今度のね、報告書が大事になってくるんですけれども、その報告書もね、ま、その報告書を見て事が決まってしまうことのないような、何かやはりノーコンパリスン(比較をしない)という形でできているんでね、ま、いろんな気を遣ってんのかなという感じはしましたけども。ただ、ドイツのスポーツの専門誌などは東京が一番になったというのと、それから、スペインの新聞はあれですね、これで東京とリオデジャネイロが一頭抜けてですね、決勝に臨むだろうという、そういう予測もしてますしね。それに別にこっちも安心して安住するつもりはありませんけれども、非常に見えにくいレースだね、これ。

 私は、世界であっちこっちヨットの試合をしてきましたがね、大体風の吹いてくる方向とか、変わりぐあいとか、流れている雲の流れを眺めたりね、海の波の様子を見ているとね、あそこに潮があるなとかね、こっちはこっちの潮があるとかわかるけどね、今度は読めないね。

 はい。ほかにあったら、どうぞ。

【記者】IOCの関係なんですけれども、やはり、報告書は報告書としてあるとは思うんですが、最終的にはやはり各国の顔がですね、最後のプレゼンテーションというのが重要だと思うんですけれども、その辺が日本はまだ見えないという、各種報道があります。それについて、知事はいかがお考えでしょうか。

【知事】いや、これはやっぱり総力戦ですからね、もう前からお願いしているように、今度内閣も変わるんでしょうがね、やっぱり国民が選んだ内閣の意思としてね、日本の顔になり得る、できれば皇太子殿下ご夫妻にですね、お出まし願いたいし、そのね、努力を今度やっぱり新内閣にもしていただきたいなと思いますね。

【記者】新内閣の首相に出席を要請というのは。

【知事】これはもちろんそうですね。あわせてです。ただ、やっぱり、鳩山さん(鳩山由紀夫 民主党代表)がなるんだろうけども、非常にスケジュールがタイトのようですな。国連での演説、それから訪米、ワシントン。ま、なかなかね。しかし、要するに新総理の公式日程、つまり、その時点での総理大臣の公式日程としてはですね、組み込んであるようですけれども、これはやっぱりね、どういう事態が発生してきて、どういうタイムスケジュールなのかまだわかりませんな。

 はい、どうぞ。

【記者】シカゴなどの他都市の評価については、どのようにご覧になりますでしょうか。

【知事】極めてわかり切ったことが書かれているなという感じですね。ま、アメリカはね、国の法律が違うからね、政府の保証というのはもともとできない、そういうその政治体制があるんだろうけども、それをですな、国情によってね、条件が違ってくるっていうものをIOCがどういうふうに評価するかしないかっていうのは、これはやっぱり投票の結果を見なきゃわからないですね。

 はい、どうぞ。

【記者】国土交通省がですね、八ツ場ダムの入札を延期するということになりましたけれども、これについての知事のお考えをお聞かせ願えればと思うんですが。

【知事】この間ね、あるところでね、東京のある区と姉妹関係になってる、東吾妻というのかな、水没する地域のもう1つ川下のほうの町の町長さんに会いましたらね、彼はもう、非常に慨嘆(がいたん)していたというか、困惑し切っていましたね。これはやっぱり、もう大方ね、工事が進んでね、あとね、ダムを築いて、水をためるという段階まで来てるのに、しかも、その町も、それから、水没する町も、それを想定していろんな人が動いてですね、土地も造り、学校も移し、今までは道路とね、鉄道もですが、要するに新しい道筋で通すように大工事をしてね、あそこに水がたまるという想定で、巨大な橋を幾つも造った。そのためにね、地元の人も理解をし、ある意味では犠牲も払ってきたのにね、この段になってね、こんなこと言われても、私はどうするんだろう、どうしたらいいんだろうかってことでしたがね。

 前にもこの話も出ましたけども、やっぱり、こういうね、異常気象っていうのがどんどん深刻化しているときにね、干ばつも大はやりになったし、大雨も大はやりになってきたけども、日本だってですね、いつですな、どういう干ばつにさらされるかわからない、日本は島国だからそれはないだろうということでは決して済まないと思うしね。アメリカなんかはね、1つの州が山火事を起こして、隣の州じゃ大雨が降ってるわけでしょう。隣接してても。こういうような、現象が起こっているときにね、現在の水需要でね、事足りてるんだからダムは要らないというのはね、しかも、ある念のためのヘッジ(防御策)ということでね、膨大なお金出して造ってきた、東京だって分担金で支出したわけですよ。これは国の意思で中止になったら、当然返還請求しますからね。そのときにですね、ま、しかし僕はね、やっぱりこれ、完成するよりもばらしてしまってだめにしたほうが、いろんな補償も含めてお金がかかると思いますね。

 それから、前に申し上げたけどね、小河内ダムだってね、あれは最初要らない、要らないと言われたの。それで、そんなものを造ってどうすんだって言われて、できたときもですね、繰り返して申しわけないけど、小河内というのは、よく読むと「しょうがない」と読めるんだな。それで、しょうがないダムだと言われたのがね、次の年にはね、今度、干ばつになって、あのダムがあったおかげで助かったということになるわけでね、やっぱり、その治水、利水というのはね、気象の変化にさらされるわけですけど、左右されるわけですけど、これはわかりませんよ。しかもね、もう、とにかくあそこまで造ったものをね、やめて放棄するっていうのは、これはちょっと、私には考えられないね。計画全体を見直して、破棄するというのならわかるけども、ほとんど工事が進んでしまったものをね、だめにしてですね、新しい廃墟をつくるわけでしょう。これはやっぱりね、基本的に政府として財政上の実利も考えて、私は、冷静に判断してもらいたいと思いますな。

 はい、どうぞ。

【記者】IOCの話に戻って恐縮なんですけれども。

【知事】恐縮じゃないよ、どんどん聞いてくれ。新しい質問ならな。

【記者】はい。都知事が会長を務められる招致委員会が都議会に議員の派遣を要請されたことについて、このねらいが何であったかというのが一つと、あと、都民の方からも一部、100万円という予算とかにですね、反対の声も上がっていて、議員の数を減らすという動きがあることについて、どのように受けとめられるか教えてください。

【知事】これはやっぱり、総力戦ですからね。都議会も招致運動をつくって、超党派で、ま、共産党は反対だったみたいだけども、やってきたことですからね。国民的なイベントなんだからね、その都民の代表がですな、事を見届けに、しかもいろいろ知恵を出していく。今の、江東区の区長になった山崎(孝明)さんなんていうのは最初は(都議会のオリンピック招致特別委員会の)委員長をしてて、ものすごくいろんなことをやってくれました。あの視察のときもね。そういうものの延長でね、私はやっぱり都民の代表である議員の方々がね、数は何人とは言いません。それは、議会が決めることだけども、いろいろね、東京の立場で知恵も出してくれですね、その現場に行ってね、あるキャンペーンを手伝っていただくっていうのはありがたいことだと思いますけども。

 東京が全面的な応援を依頼したことでありましてね、特にコペンハーゲンへ行ってくださいってことじゃなくてですね、その中の一環として都議会も判断されることでしょうから、その人員の数が多い、多くないっていうのは、それは、議会が決めることですからね。はい。

【記者】ありがとうございます。

【知事】はい。それじゃ。あっ、どうぞ。

【記者】民主党がですね、政権交代して、幹事長に新しく小沢(一郎)さんを選ぶことになる、もう決めたんですけれども、かねがね、知事はさまざまな場所で小沢さんに関する発言がありましたが、小沢幹事長の誕生に対してどういうふうに思われますでしょうか。

【知事】それは、やっぱり選挙に関しては辣腕(らつわん)というんでしょうからね、来年の参議院の選挙を見越してね、ま、彼が代表をおりたからあれだけども、かわりのですね、代表がですな、要するに政府の基盤をもっと磐石にするために、来年の参議院にかける、その責任を小沢幹事長にですね、委託するっていうのは、ま、当然のことだろうと思いますけどね。

 はい。それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)