石原知事記者会見

平成21年8月13日更新

石原知事定例記者会見録

平成21(2009)年8月7日(金)
15:00〜15:15

知事冒頭発言

1 世界陸上ベルリン大会等への出張について

【知事】冒頭、私から1つですね。世界陸上競技大会が、8月15日から23日までの予定で、ベルリンで開かれますが、開催都市のベルリン市長からも招待されたのを受けまして、8月13日から24日までヨーロッパに出張します。

 ベルリンとはですね、友好都市15周年を迎えますけども、交流を深めるだけではなくてですね、これ、世界陸上というのは、一番IOC(国際オリンピック委員会)の委員がたくさん集まるそうでありまして、そこでですね、キャンペーンをしようということで、オリンピック・パラリンピックの東京招致へのですね、支持も求めていきたいと思っています。

 また、この間、隣国のポーランドにも行きまして、現地の要人と、スポーツや文化など、広範な分野でのですね、意見交換、交流を話してこようと思います。有名なですね、ワイダ監督(アンジェイ・ワイダ、ポーランドの映画監督)、何かちょっと入院しているようですけれども、昔ですね、フランソワ・トリュフォー(フランスの映画監督)がまとめた、あの「L'amour A 20 Ans」(二十歳の恋)といって、5カ国のオムニバス映画の監督、日本編を私がしまして、トリュフォーもワイダも非常に褒めてくれたんですけどね。ワイダの、(坂東)玉三郎を使っての、何ていうんですかね、1人2役の、『白痴』、ムイシュキン公爵とね、もう1人女性の、そんな演出したりしましてね、私も見に行って、非常に親しい仲なんで、彼ともいろんな文化交流の話をしてきたらと思ってますけども。

 そういう予定で、ちょっと長くなるんですがね、年寄りにはこたえるんだけども、12日間も、行ってまいりますので、ということであります。

 何かありましたら、質問どうぞ。

質疑応答

【記者】毎週恐縮なんですが、都議会のほうがですね、きょうも午前11時からの代表者会議が開かれないという事態でかなりもめているわけなんですが、こういった事態についての知事のご見解とですね、あと、都議会に対するメッセージがあればお聞きしたいんですが。

【知事】ありませんな。都議会は都議会のことですからね。

【記者】こういう状態になっていることについては、いかがお考えでしょうか。

【知事】まあね、結局最後は数が決することですけども、しかし、その間ね、いろんな妥協点もあるだろうし、率直に言って、民主党というのは、わりと未経験の人が多くなったわけだから、そういったものを踏まえてですね、どういう人員で割り振りにするか、委員会の構成にするか、いろんな問題あるんでしょう。

 これは、しかし、やっぱり議会の当事者がですね、率直に話し合うべきことで、私はただただ傍観して待つ以外はありませんな。

 はい、どうぞ。

【記者】知事、毎年8月15日は靖国に参拝にいらしているわけなんですが、今回は、日程的に…。

【知事】そうなんですね。おりませんので、残念ながら。

【記者】別の日に行かれるというご予定はないと考えてよろしいでしょうか。

【知事】いや、まあ、ね、例年あれ(参拝)しますからね、行く前というのはちょっと時間がないんで、帰ってきたら、私の家内の父親やですね、私のまたいとこも数人あそこにまつられておりますので、そういう私情も含めて、いつもね、いろんな思い抱いて参拝してますんで、ま、夏ですからですね、ええ、帰ってきましてから行きたいと思ってます。

【記者】ありがとうございました。

【知事】どうぞ。

【記者】今の質問の続きなんですけれども、8月15日の参拝、毎年されてですね、昨年もされたと思うんですが、そうすると、中韓からの、中国、韓国からの反発があったと。今回は、8月15日は行くに行けないということなんですけど、そうすると、中国…。

【知事】私、毎年参拝してますけどね、韓国や中国からですね、この問題についてね、名指しで、何というのか、非難受けたこと、1回もありませんけどね。お互いに大人になって考えればいいことでね、あまりがたがた騒がないほうがいいんじゃないかね。孤立するだけだと思うよ。

【記者】オリンピックに関する影響はどうでしょう。

【知事】オリンピックというのは、つまりね、調和、平和というものをですね、促すあれですからね、そういうものを踏まえてね、この問題について、そんなに偏ったことを、相手の国というのは、もうちょっと大人じゃないかな。もう少し大人になったらどうなのかね、はい。どうぞ。

【記者】話ががらっと変わってしまって…。

【知事】がらっと変わってくれよ。

【記者】行方不明になっていたタレントの酒井法子さんという、ご存じないですか。

【知事】知らない。

【記者】逮捕状が出て、今、ちょっと話題という、騒然となっているんですが。

【知事】逮捕状が出てんの?犯人、容疑者になっちゃったの。

【記者】はい。だんなさんが覚醒剤で捕まった後ですね、10歳の長男と行方不明になって、ちょっと話題になっていたんですが、長男はきのう無事が確認されたんですが、まだ酒井さん自身が行方不明で、今度は覚醒剤取締法違反容疑で、今、逮捕状が出たという。

【知事】何を言いたいんだ、君は、それで。メディアの君は知らんことをおれに聞いたってわかるわけがないよね。おれも、それほど物好きじゃないしね、暇でもないから。

【記者】ご存じであればと思いましてね。

【知事】ご存じございませんな。

【記者】はい、失礼いたしました。

【知事】この間、マイケル・ジャクソンのね、死んだことについて質問を受けて、ドキッとしたんだけどね、僕は、あの人の歌ってあんまり聞いたことない、興味はないしね。だから、私、このごろの芸能界に非常に疎い(うとい)んでね、あんまりそういうすごい質問しないでよ。

【記者】失礼いたしました。

【知事】政治家、それほど暇じゃないんだがな。はい、それじゃ、どうも。あ、どうぞ。

【記者】知事、今度、戻られたら24日にはですね、もう既に衆議院選挙始まっておりまして、応援、同じような質問で、都議選でも恐縮なんですけども、特に自民党候補を…。

【知事】別に、いまだにそのね、依頼も受けてませんしね、特段帰ってきてからすぐ日本中を駆け回るということは全くありません。今さら僕を呼んだって、どうなる問題でもないだろう。

【記者】国政の枠組みによってはですね、オリンピック招致、特にですね、民主党がもし仮に多数を占めるようなことがあれば、ちょっと今までとはニュアンスが変わってくるかもしれないと思うんですよね。

【知事】どういうふうに変わってくる可能性がありますか。

【記者】晴海のメインスタジアムの問題とかの点とかで、条件つき賛成のような都議会の意見もあるやにあります。それが、もし仮に国費を投入しろと、投入してほしいという民主党の主張であれば、また世間…。

【知事】国費、投入してくれればこしたことないよね。

【記者】そうですね、だから、それが自民党政権のときほど話がしやすいかどうかというね、話もあるのかなと思いまして。

【知事】いや、しかしやっぱりね、今日、全国的に見れば、東京のほうが、むしろちょっと少なめなんだけど、それでも70数%、国全体では80%、こちらに支持してくれてる、期待してくれてるイベントについてね、新しい政権の性格がどういうものになるか知らんけど、ことさら変わるということはあり得ないと思います、私は。

 それから、国立競技場ね、メインスタジアムの問題はね、まあね、実情をよくね、聞いて、調べてもらいたいんだけども、今、IOCが要求しているね、最低10トラック(※陸上競技会場には、9レーンのトラックと、サブトラック、投てき練習場が求められている。)、で、10万人入るスタジアムというのは、物理的に、今の、あそこの神宮のですね、競技場では、もうできないんですよ。それから、その横のサブトラックなんてできないこともないと思うけどね、よく、何ていうのかな、フリーマーケットやってるちょっとかしいだところを、そういうふうにしてできないことはないんでしょうけど、とにかくね、あそこにメインスタジアムを建てることは、もう物理的にレギュレーション(規制)からいって難しいんです。

 それから、今ある公園を相当つぶしても、なおね、無理なんでね、そういうことをやっぱり理解した上でね、メインスタジアムについての条件つけてもらいたいと私は思いますけどね。

 はい、どうぞ。

【記者】全国知事会の関係でですね、まだ(公開討論会を)やっているかと思うんですが、自民、公明、民主とのマニフェストの評価といったことで、今、聞き取りのようなこともやってますけども、それと、いわゆる首長連合といった皆さんの活動があると思うんですけども、そういう、知事の今お立場として、首長連合のそういう活動と相談を受けるような立場で受けてらっしゃるのか、どういうお立場で今いらっしゃるのか。

【知事】きょう、橋下さん(橋下徹 大阪府知事)からもね、あのね、1時から、(公開討論会に)何かぜひ出てくれって言われたけど、私ね、あそこで挙がってる、何ていうのかな、具体的なアイテムについては精通しているとは言えないんでね、むしろ詳しいですね、猪瀬(直樹)副知事に何たって、これ、国が設けている(地方)分権(改革推進)委員会の委員ですから、有力なね。で、見識もあるしね、出てもらっているんですが、ただ、僕、そのとき1つ、猪瀬さんに頼んだことは、各マニフェストをね、代表する、政党について、代表する政党の政治家が出てくるらしいけど、特にこれからですね、政権をとる可能性がある民主党に聞いてもらいたいんだけどね、地方分権に非常に熱心ならね、財務省がやったみたいにね、いきなりね、とにかく一方的にだな、地方の財布に手突っ込んでくるみたいなね、法律を変えて、有無言わさずだね、要するに法人事業税の分割基準を国が一方的に決めて、子供の財布に豊かに金があるから、そこから持って、金持っていくみたいなことを、まだやるんですか、やらないんですかと。あなた方の代になったらやらないんですか、取り消すんですかってこと聞いてくれって言ったんですよ。

 私はね、そのことだけ聞こうと出て行こうと思ったけど、ほかにいろいろ用事が重なってるんで行けませんでしたし、猪瀬さんのほうがはるかに適任なんでね、もっと具体的ないろいろな問題について、討議するために行ってもらいましたけども、私が、仮に出席できていたら、そのことはね、正そうと思いますね。ただやっぱり、国の役人がね、自分たちの財政の失敗を糊塗(こと)するためにね、法律を一方的に変えてだね、言ってみりゃあ子供の財布に手突っ込んで、親が突っ込んでくるってことをね、これ、地方分権の時代にまかり通るかどうかってことをね、民主党が何を考えているか知りませんよ。

 だからその場でね、地方分権についてのマニフェストっていうの、発表されるなら、それについての論議の中でね、そのことだけは聞きただしてきてって頼みました。

 間もなく、猪瀬さん戻ってくるから、その報告してくれると思いますけどね、これ、私やっぱり、非常に象徴的な問題だと思いますね。

【記者】以前、政党の評価を鮮明にするのは、あまりよくないのではないかと…。

【知事】ええ。

【記者】そのお考えは今もお変わりないでしょうか。

【知事】それをもってね、その政党の評価っていうのをね、個人個人が心得て投票するならともかくも、どう言うんでしょうかね、私はその投票の動向を左右しかねないメディアも介在させてね、ま、(全国)知事会がどういう評価するか知りませんけどね、そこで、政党の支持までをね、知事会として決めるっていうことは、ちょっと私は逸脱だと思いますな、はい。

【記者】それには参加されないということでしょうか。

【知事】あっ、それだけど、私は私で自分一人の投票をしますけども、そういう発言はしません。

 どうぞ。

【記者】昨日、新銀行東京の決算が発表されたんですけれども、黒字、四半期黒字になってですね、一方で、通期については赤字を据え置いたんですけども、それについて、どのように評価されてますでしょうか。

【知事】いや、これは一歩一歩ね、組み立てていかなくちゃならないことでね、今の、要するに執行部っていうのは非常によくやってくれていると思います。で、いろんな相談も受けました。報告も。ここで言えることと言えないことありますがね、とにかくね、ここまでやってくれたんで、これほんとに私は感謝するし、評価しなくちゃいけないと思うし。

 それから、世界全体のね、こういう金融リセッション(金融危機の影響による景気後退)になってしまったんでね、繰り返して申しますけども、セカンドステージとして、東京の可能性を見込んでですね、とにかく一緒に仕事したい、協力したい、銀行のトラブルがあるなら、私たちも銀行としてね、手を貸したいと言ってるヨーロッパの銀行がね、幾つか選んで、二つ残してどっち、さらにどっちを選ぼうかと思ったら、こけちゃったんですよ。倒れてね、国家管理になっちゃったの。そういう状況もありましてね、逆に何かね、日本での業績が上がっているから、おまえたち独立してやっていいと言われたそうで、ある銀行は。東京から金貸してくれって話になってね、ちょっとそれは話が違うじゃないかって辞退したんだけど。

 そういう曲折がありましたんでね、ちょっと、もうちょっと、何ていうのかな、こう、確かな体力が、今の時点でついてるはずだったんだけど、これはね、残念ながら、その機会を逸した。逸しただけじゃなくて、過去1年ですね、おととしですか、私なりに勉強して、いろいろな人に会いましたがね、東京の可能性ってのはやっぱり、日本の金融機関や政府よりもね、よっぽど外国のほうがね、外国のファンド(投資信託会社)とか金融機関のほうがね、評価してくれてましてね、東京のこれから展開するプロジェクトもよく知ってましたよ。そういうことの要るね、ファイナンスってのをね、どうするかってことで、ぜひ、力貸したい、一緒にやりたいと。

 つまり何ていうの、東京なら信用してね、お金貸せますなと、出資もできますということだったんでね、こういう相手も幾つかあると思います、これからも。ですからね、もう一回そういう相手を選び直してね、結婚の段取りを進めていきたいと思ってますけれども。

【記者】何か具体的に、そういうお話があるとか。

【知事】いや、ありますけど、まだちょっと言えません、それは。

 はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)