石原知事記者会見

平成21年7月2日更新

石原知事定例記者会見録

平成21(2009)年6月26日(金)
14:57〜15:30

知事冒頭発言

1 アジア・オリンピック評議会(OCA)総会での招致活動について

【知事】冒頭2つほど申し上げます。

 1つは、7月3日にですね、シンガポールでアジア地域の各国のオリンピック委員会が一堂に会する、アジア・オリンピック評議会、OCA総会が行われます。この総会に合わせてですね、7月2日から4日までシンガポールに出張します。

 仄聞(そくぶん)ではですね、この会長がアジアの意思をまとめて、東京をですね、サポートしようというオファー(申し入れ)をしてくださるようで、それが決まればですね、非常に大きなサポートになりますから、そういうことで、この間のローザンヌのですね、プレゼンテーションにも会うことのできなかった主要メンバーもそこには来られますから、総会に合わせて7月2日から4日までシンガポールに出向きます。10月2日の開催都市決定に向けて、総会に参加するアジア地域のオリンピック関係者に対して、東京招聘(しょうへい)への支持を、強く求めてまいります。

2 少子化対策について

 それはそれとしてですね、先週、IOC(国際オリンピック委員会)のミーティングに参加しながらですが、日本を離れて、改めてですね、この国の将来というんでしょうかね、先行き考えたんですが、いろんな国がですね、台頭したり衰微(すいび)したり、日本がどういうですね、軌跡をたどっているか、人によって評価が違うでしょうが、国力ってのはいろいろな意味合いがありますんで、私はね、人口というものは1つ大きな要因だと思いますね。

 で、フランスはですね、かつてね、非常に文化的に水準が高くても、子供がいないということで、ある意味で危機感を持ってですね、私たちの少年時代には、フランスってのは子供がどんどん減っている国だってイメージがあったけども、今じゃね、全然逆の現象で、日本はですね、ご存じのように少子化になった。老人は結構元気な人も多いけどね。

 そういう中ですね、やっぱり、その少子化対策について、本気で考えなきゃいかんなという感じがしみじみしました。地球温暖化対策はもとよりでありますけど、この少子化というですね、日本の国運を左右しかねない問題に本気で取り組まないと間に合わないんじゃないかなという気がします。

 少子化は個々人の価値観にかかわりますが、国家という単位で見たときにですね、非常に影響が大きいと思いますね。このまま日本は経済のパイ(規模)が縮小し、年金や、医療、インフラの維持が困難になって、伝統や、文化までがですね、失われていきかねない。

 とりわけ、子育て世代でですね、大きな役割を占める団塊ジュニアの出生数が伸びないとですね、少子化はさらに加速するわけです。団塊ジュニアのね、世代っていうとね、大体35から38、9までの人たちのこと言うらしいけど、これはやっぱり東京に圧倒的に多いんですが、で、今こそがですね、この少子化の傾向というものを逆転させるぎりぎりの、チャンスじゃないかと言っても過言じゃないと思います。

 そうした中で、先般のですね、第2回定例会で自民党のほうから、危機感を持った議員がですね、代表質問で少子化対策について提言をされました。私もですね、非常に共感するとこが多かったんで、この問題はですね、国家の未来にですね、直結する、まさに国事だと思いますけども、国は、現内閣でもね、小渕恵三(元)首相の娘さんの小渕(優子)少子化(対策)担当大臣が、ご自分自身がですね、2度目のお子さんを懐妊されてるようですけども、やっぱり、消費税の1%ぐらいはですね、子供のために使うべきだという発言をしてるみたいですが、これは、内閣全体のですね、意思統一まではとてもいってないし、正式な議論にもなってないですな。まだまだですね、具体化の道筋は不透明だと思います。この機会をですね、逃さぬように、国を挙げた子育て応援体制を確立して、必要なら財源も十分に担保する必要が、私はあると思います。ゆえにもですね、まず東京が、現場発の発想で対策に大きく踏み出して、国をですね、突き動かしていきたいなと思いました。

 そこで、佐藤(広)副知事をトップにしたですね、「少子化打破・緊急対策本部」を設置しまして、都民が必要とするサービスを、質・量ともに選択できるような、選択ってのが大事なんですね。重層的な、複合的な施策の構築をですね、今、しつつあります。

 その選択の対象ってのはですね、例えば住宅の問題とかね、子供を産むのにも、ちょっとね、やっぱり住宅が狭過ぎる、その2DKのあるね、こう、ユニットがその典型でしょうけども、それとか、医療の問題もあるでしょう。これは、墨東病院のですね、あの事故(※脳内出血の症状が見られた出産間近の妊婦が複数の病院から受け入れを断られた母体搬送事案)にですね、かんがみてね、かなりの整備を今しておりますが、それから、やっぱり就職ですね、どういうですね、報酬を得ながら、どういう職に就けるかということもね、これ、やっぱり、子育ての要因だと思うし、それから、教育費の問題、そういったですね、数多いファクター(要因)が絡んでますが、それに対して、それぞれですね、東京都が、予算の措置して、バックアップするインセンティブを与えるというようなことを、今、考えています。

 財政再建もですね、おかげで進んできましたんで、こういうリセッション(景気後退)の時代ですけれども、やってできないことはないんでですね、ただ、その貯金をため込んでね、なし崩しに使い尽くすだけが能じゃないんで、やっぱり、東京がですね、1つのモデルビルディング、3年計画ぐらいだな、やろうかなと、やるつもりでいます。

 収入が少なくてね、子供を持つことをあきらめてる家族に、希望を指し示してですね、子育て家族の不安を確実に解消するために、これまでの施策の中心でありました保育や周産期治療の確立、充実はもとより、安定した仕事への就職や、子育てに適した住宅への転居、教育費負担などの軽減などですね、都民の幅広いニーズにこたえていきたいと思ってます。現場を抱えた、都だからこそできる、子育てを、社会全体で支える仕組みを、モデルビルディングして、国にもですね、政策提言していきたいなと思ってます。

 百年に一度というですね、経済不況の中で、今後、都財政の運営は一層厳しさを増しますが、しかし、これまで進めきた都独自の財政再建の成果も活かして、22年度から集中的に相当規模の政策を展開したいと思ってます。

 社会全体で出産を喜びですね、子育てを応援するべく、都政が、強い決心を示すとともに、国の背中をですね、強力に押していきたいと思ってます。

 私も、子供4人いますけどね、町なか歩いててね、幼い赤ちゃんっての、子供をね、複数連れて歩いてる夫婦を見るとね、何となくうれしいんだね。ほっとするんだけども、これまた、ほっとするだけにですね、数少ない事例でしかないってのも、やっぱり問題ってものを表象していると思いますね。

 いずれにしろですね、単なるばらまきではなしに、それとは一線を画したですね、実効性の高い行政サービスを構築し、速やかに、そして、果断にですね、具体化していくつもりであります。

 私から申し上げることは、以上であります。質問があったら、どうぞ。

質疑応答

【記者】まず、今週の話なんですが、宮崎県の東国原(英夫)知事が、自民党のほうから総裁選(衆院選)への出馬の打診があり、東国原知事のほうが、総裁候補にしていただけるのであれば、出ますというような話をして話題になっておりますが、この件に関して、知事はどういうふうに…。

【知事】僕、あの人やっぱりね、なかなかしたたかな芸人だと思ったね。それはね、芸人っていうのは悪い意味で言っているんじゃないですよ。それでね、いかにもね、半分以上、本気じゃないかと思わせるような、何かもう表現しているけどね、それはどう考えたってね、そんなことでね、彼を擁立するために、だれがどういう命令をするか知らんけれども、どういう金を使うのかも知らんけどね、20人の推薦者が集まるわけもないしね、また、議席を持つか持たないか、これから先のことでしょうし、それ私はね、彼に相談されることないし、することもないでしょうけども、それは、知事のほうがよっぽど仕事はできますよ。で、要するに、手ごたえのある仕事すればするほどね、国の規制の壁っていうものを感じるんだろうけども、しかし、国会議員になってね、何ができるかということ考えたら、私もね、そのむなしさを感じたから、ある年次でやめたんですけどね。

 彼はそれを十分承知でああいう表現をしたんだろう。ああいうボールを投げ返されると、古賀君(古賀誠 自民党選挙対策委員長)も思っていなかったんだろうからね。これやっぱり何かね、世間が手玉にとられているっていう感じするね。

【記者】知事は現実的ではないと。

【知事】そう思いますけどね。

【記者】解散、その総選挙の争点として、東国原知事は、地方分権について話をしています。知事会の要求をマニフェストに入れるといったような話もされていますが、この点についてはどうお考えになりますか。

【知事】きのう実はね、諸君、メディアの目をくらましてね、僕、橋下君(橋下徹 大阪府知事)と会ったんだ。橋下君が訪ねてきてくれましてね、それで、まあね、自分たち数人の首長さんたちは、どう言うんですかね、国に地方分権の要求を突きつけてね、その回答次第ではですね、支持政党を決めると。石原さん、どうですかと。多分、石原さんは息子さんもお二人自民党にいるから、そうはいかんでしょうけど、そんなことじゃないんだろうと。

 ただね、地方分権というのはね、それは本当にね、言うに易しいけどもね、なかなかね、行うに難しいっていうことは、なぜかって言えば、今ね、国会議員、特に自民党の国会議員、自民党だけじゃないんだ、民主党も含めて、世襲の議員が多いって問題になっているけどね、僕はそれよりもね、国家の官僚出身の政治家が多過ぎると思いますよ。県知事の6割以上も、国家官僚の出身者ではないのかな。6割強かな、僕わからんけれども、詳しくは。これはね、結局みんなね、自分の出てきた役所を振り返っちゃうんだな。だからね、結局自民党はね、そういう構成で来たからね、何だかんだ言いながら、やっぱり国家の役所に引きずられてね、年金の問題にしろですね、こういうていたらくになったんでね、自業自得っちゃ、自業自得だけども、何でこうなったかって言えば、戦後の総理大臣眺めてみたって、田中の角さん(田中角栄 元首相)までは全部官僚出身者だ。こういったね、私、国事というものの構成の形っていうのは、健全と言えませんな。それは司馬遼太郎(作家)さんが何度も言ったみたいに、太政官制度以来、全然日本の体質は変わっていない。つまり、完全に中央集権国家ですよ。フランスなんかもっと徹底しているけどね。

 だけど、どういうんでしょうね、私はね、そういう中で、ちょっと話はもとに戻るが、橋下君がね、言うから、それは大変結構だと。やっぱりね、地方分権っていうものはね、絶対に必要だと思うが、彼のぼったくり論じゃないけど、東京も東京なりに調べてみたら、この間申し上げたのかもしらんが、東京での国の直轄事業の中で、東京が分担されている予算の内容を眺めてみたら、どこでも工事に使える投光機とかね、そんなものね、東京がね、みんなを代表して立て替える必要全くないし、東京に全く関係ない、どっかのだれかの退職金まで入っているんだ。これ、さすがにね、私は驚きましたしね、現国土交通大臣の金子(一義)君に言ったら、金子君も驚いて、私だってこんなもん払いませんよって言っていました。

 そういうていたらくでね。これね、彼なんかが強く言い出したことで、渋々ね、国の役所も分担金なるもの内容っていうのをね、開示せざるを得なくなったけども、だから、そういうものやっぱりね、どんどんどんどん切り崩していくのは必要ですが、総選挙の前にね、自治体の首長たちがある宿題を出す、それに対する答案、これ結局、これだけ際どい選挙になってきたら、自民党と民主党だけじゃないかもしれない。党派の結論は、答えは同じだと思うね。全く同じだと思うね。そのときにですね、君、どういうふうに采配するのって言ったら、うーんって言って笑っていたけども、まあまあ、私はですからね、そういう要求を突きつけるの大変結構だ。この時代に。このドタバタっていうか、混乱に乗じてね、国に、きちっとした請求書を国民を代表して突きつけるっていうのは、大変結構なことだと思うけども、それに対する回答次第でね、政党の支持を万民から選ばれた県知事がね、知事が決めるっていうのは、ちょっと問題があるんじゃないでしょうかね。支持者に対する背信背反にもなりかねないし、それから、丁と出るか半と出るかわかりませんけど、結果次第では、やっぱり議会との間にこだわりができてね、非常に行政、議会運営っていうものを通じての行政に滞りを来さないとも限らない、そういう私は忠告をしました。そういうことですな。

 なかなかおもしろい会話だったよ。彼張り切ってたけども。

 どうぞ。

【記者】猪瀬(直樹)さんが副知事に就任して間もなく2年となりますが、この2年間の評価と、また、今後さらに期待することございましたら、お願いします。

【知事】非常に助かっています。非常に。私などと発想力が違ってね、そのね、何ていうのかな、むしろこう、(地方)分権(改革推進)委員会に今属しているせいもあって、いろんな事例知っていてね。つまり、大きなことだけじゃなし、小さなことに気がついてくれてね。東京の10年計画(緑の東京10年プロジェクト)の緑増幅キャンペーン、任せたんですね。結局、安藤忠雄さんていうね、有名な建築家が企業に言うと、企業もね、あの人に対する気兼ねっていうのか、よくわからん、協力しているけれども、そっちのお金がほとんどでね、自分たちで集めた金、ほとんどないんだよ。だからね、おまえらやっぱりね、それ驚嘆したのは、とにかく10年計画推進するのはね、都庁の役人なんだから、せめてボランティアとして街頭に行って募金でもしたらどうだって彼が言ってくれたら、わかりました、やります。で、やることにしましたって言うから、それ報告があった。幹部会でね、そのとき、猪瀬さんが、しかし、まさかこれ、日当払わねえだろうなって言ったら、払いますって言うんだよ。そんなもの、話違うじゃないかっていうことでね、結局ね、何かかなりの額をね、今の地位に応じて払うと言うから、そんなことだったらやるな。結局、もちろん無給にして、ボランティアはボランティアといってやらせた。そうしたら、何か知らんけど、そのときそろいのユニフォームつくんなきゃおかしいって、何考えているか知らんけど、くだらんビニールのつくってね、結局、その額が相当なもんでね、集まった募金は30万ぐらいだよ。それで、逆ざやでですね、大損しましたよ。そういうことのチェックっていうの、僕そこまでちょっと頭回んないんだけどね、彼やっぱりさすがでね、その他この他いっぱいあります。

 それから、あのね、墨東病院の問題起こったときもね、横串としてね、局をまたいだプロジェクトチームもつくってくれてね、どんどんそれも進めてくれるしね、どういうのかな、彼のね、国政に関する人脈っていうのは、私なんか、もちろん古いほうだけれども、審議会にいたりしたから、あれですが、あの人がかなりお役人に煙たい存在だったと思うし、今でもそうですね。これは、私、非常に多としてます。

【記者】知事は次の知事選には出馬しないというふうに表明されていますけれども、猪瀬さんは、知事の後継者としての実力はあると思いますか。

【知事】あると思いますね。ただ、これはやっぱり彼だって有名な作家ですからね、人生にどういう選択をするか、私はわかりませんよ。余計なことは聞かんでくれ。

 はい、どうぞ。

【記者】ありがとうございます。

 2点ございまして、まずは先ほどおっしゃっていた子育ての施策なんですけれども、3カ年計画ぐらいかなとおっしゃったんですけども、もう少し、例えば、合計特殊出生率をどのぐらい上げることを目指すとか、あとは、予算規模をどのぐらいにするかとか、今の段階でですね、お考えとしてあるもので構わないんですけど、その計画もいつまでにつくりたいとかですね、もう少しその概要をお伝えいただければ…。

【知事】やっぱり来年の予算に組み込むことができなきゃ意味ないと思うんですね。ただね、税収も減ってますしね、貯金は貯金であるけど、オリンピックのための貯金もあったり、その他この他ですね、まあね、その運用っていうのは、何も、こうずっと貯金を抱えてるのが能じゃないからね、一番有効な方法をね、とにかくそれは何かということを考えてきたけど、やっぱり子供をね、増やさないといかんなという気がしてね、自民党からもたまたまそういう質問がありましたんでね、啓発されて、着手してますけども、ちょっと、この間も財務局長と話したけども、大体の目安の額については、ちょっと、今は言えないな。予算編成のときにですね、出てくると思いますから。

【記者】わかりました。

【記者】いま一点はオリンピックの関係なんですけども、ローザンヌからお帰りになったとき、私も成田空港でですね、お話を伺ったんですが。皇太子ご夫妻へのオファーの関係なんですけれども、どのように、政府がですね、お話をするか月曜日にでも確認しますというふうに、当時、おっしゃってたんですけれども、このご夫妻に、ご協力いただくことに関して、内閣のどなたがどんなタイミングでですね、どのようにお話しされるかということは、知事のほうで把握されている限りで結構なんですが。

【知事】これはね、私がローザンヌに発ちます前にですね、河村(建夫)官房長官にお願いしまして、言いました。それで、それはどういうふうに進行しているかわからないし、返事がないんでね、おとといですか、ある都議会議員の決起大会に私も行きましたときに、総理をつかまえて話をしました。そしたら、麻生さん(麻生太郎 首相)がね、それは石原さん、違うとね。名古屋の万博でもね、その他この他、国家、かなり大きな行事、国家的だけど地方がやってる行事ですね、主催者がね、そのね、とにかく宮内庁を通じてね、申し込むべきだということだったの。で、そういうルールなのかなと思って、研究しましたらね、ただね、この間ね、これは内閣総理大臣主催の、IOCの調査委員会を迎えての晩餐会にですね、ローザンヌへの前のステッピング・ストーン(踏み台)としてね、皇太子殿下に主賓としてお出まし願いたいと、IOCの方々と顔つなぎしていただきたいと申しましたら、にべもなく断られました。

 それはね、時期がとにかく性急過ぎると。10日前じゃあといって。10日たって、それで、あのときに皇太子のどういう行事がおありになったか、おそらくなかったんじゃないかと思うんだけれども、これはわかりませんよ。だけども、調べていただきたいの。ただね、お出まし願えなかったの。

 でね、麻生さんが、そういうね、注意というかね、事例の紹介があったから、今週の月曜日にですね、担当の省庁、外務省、文部科学省とですね、幹部が集まってですね、こちらの幹部も出向きましてね、それで、どういう組み立てでいくか。やっぱりそれはね、国のバックアップというものをね、イメージとして絶対にIOCは必要としてますからね、これは、そういうものに向けてですね、正式に、何ていうんでしょうね、国と東京都とですね、(東京オリンピック・パラリンピック)招致委員会が三者合同でですな、正式にお願いをですね、宮内庁を通じて皇太子殿下に申し入れようと思ってます。

【記者】時期としては、近々ということなんでしょうか。

【知事】そうでしょうね。それはもう書類が整えば、それで済むことですからね。

【記者】例えば、月内はちょっと厳しくても来月中とか。

【知事】いやいや、もうこれは本当にね、もうね、今週中でもペーパーつくればいいことですからね。それを届ければいいんでですね、これは正式な、どういうフォームがいいのかわかりませんけども、それは手続きしてやろうと思ってますけども。

【記者】わかりました。ありがとうございます。

【知事】はい。どうぞ。

【記者】今のオリンピックの件についてお伺いしたいのですけれども、皇太子様の、招致の顔ということで要請されていますけれども、これに関して、きのう、羽毛田(信吾 宮内庁)長官が会見で、東宮大夫と同じ気持ちだと、私も同じ気持ちだと。というのは、東宮大夫は以前、この招致の件、政治的なものに巻き込まれる可能性のあるものに関しては慎重に対応したいと、で、皇太子様も同じ気持ちだと思うというふうに、発言をしております。

【知事】思う。思うんでしょ、それは、大夫が。皇太子も同じ考えでいらっしゃると思うと、要するに役人が言ったんでしょう。

【記者】思うと、そうです。はい。ただ、非常に一番身近にいる側近がそういった発言をしたことで、また今回、宮内庁のトップである長官、幹部2人がこれについて…。

【知事】これがどうして政治運動なんですか。ねえ。皇太子にね、招致運動にお出ましになってください、がどうして政治運動なんですか。オリンピックというのはですね、文化の祭典、民族の祭典ですよ。これがもし東京で実現されたら、天皇陛下はご臨席になる、閉会式もお出になる。そういう行事なのにね、しかもね、日本の代表的なオリンピアンだったね、古橋さん(古橋広之進 元水泳選手)はですよ、この間、文化勲章をいただいたじゃないですか。何でオリンピック招致運動、オリンピックそのものが政治的なんですか。それはヒットラー(ドイツの指導者)がやったりね、どっかの独裁者がやるオリンピックとは違いますよ、これは。

【記者】開催地が決定した後の名誉総裁の就任ということであれば、これは、過去にも例がありますけれども、少なくても招致というのは多国間との駆け引きですけど。

【知事】過去と今と現実が違ってですね、熾烈(しれつ)な競争をやっているわけですよ。向こうはですね、(スペインの)カルロス国王も出てくる。(米国の)オバマ大統領がいる。ね、ブラジルも大統領が出てくる。元首が出てきてんだ。私はね、元首であられる天皇陛下にね、お出まし願いたいと、どうもご健康のこともあってできません。だったらやっぱりですね、次の時代に象徴になられる皇太子殿下にね、国のために力を尽くしていただきたい、出していただく、そういうですね、そのご努力を願うということは、これは政治活動とは私は思わないね。国民に聞いてごらんなさいよ。

【記者】あともう一つ、日程的な問題もありまして、コペンハーゲンは10月の2日ですが、皇太子様の八大行事の育樹祭が10月、これは4日に開催が決定してます。そうすると、日程的になかなか難しいのかなという見方もできますが。

【知事】それはまあそうだけどね、どちらにプライオリティー(優先順位)を置かれるかはね、最後は、要するに皇太子殿下ご自身の判断でしょう。

【記者】わかりました。ありがとうございます。

【知事】はい。どうぞ。

【記者】ちょっと話を戻して申しわけないんですが、橋下知事の件で。いわゆる、首長連合というんでしょうか、その中に参加してほしいというような呼びかけがあったんでしょうか。その会合の、要はどうですかという、先ほどのお話でしたけども、つまり一緒にやりませんかというような…。

【知事】いや、一緒にやる。今までもやってきたしね、それからね、国を待っててできないことあるからね、神奈川、埼玉、千葉県と組んで、広域行政もやってきましたよね。だけどね、それじゃなかなか食い足りないことがあるし、だからやっぱり、彼がですね、直轄事業の分担金なんかについて火つけてくれた、大変結構なことで、東京はね、おおらかっちゃおおらか、抜けてるのは抜けてるか知らんけど、その問題に関心がなかったから調べてみたらだな、なかなか返事が来ないんだ。せっついてせっついてきたら、さっき言ったみたいな事例が出てきた。だからこういうものを崩すのは大変結構じゃないですか。だからね、そういう運動に参加して、私は喜んで参加し、今までやってきたつもりですよ。だけどね、要するに、何ていうのかな、ムーブメントの1つの何かこう、ねえ、商品というか、アピールポイントととしてね、うーん、わりとね、返答によったらね、支持政党をね、首長が鮮明にするっていうことは、ちょっと私はやっぱりいろんな問題があるし、私はそれはしません。

【記者】その…。

【知事】だから彼はね、私を仲間と思ってるかもしれないけど、それは当然仲間と思ってくれてるだろうし、うーん、石原さんのお立場あるから…、いや、おれの立場、そんなことじゃないんだと。ただ、これは1つのね、老婆心というかね、忠告を兼ねてだけど、大阪だってね、府議会の構成っていうのは、自民党、公明党あわせて3分の2以上でしょ、そういった状況の中でね、いろいろ想定されているけど、うーん、衆議院の選挙がですね、どういう結果になるかね、今の大阪の府会におけるマジョリティー(多数派)を持ってない政党が勝って、その回答がよしとしてね、府知事がですな、私は何党をやりますということを明言するってのは、あなたちょっとやっぱりね、政治家として厄介なことをみずから構えることになりかねませんよと、私は言いました。ということです。

【記者】あともう一つ。細かいことで恐縮ですけど、きのう、橋下知事とお会いになられたのは、いわゆるさしですか、それとも…。

【知事】さしですよ。

【記者】例えばほかの首長さん、中田さん(中田宏 横浜市長)とか…。

【知事】いやいや、中田君のね、うーん、何ていうのかな、コメントもきのうね、テレビ朝日か何かで長々聞いたけどね、彼だってなかなか老獪(ろうかい)にだね、古舘(古舘伊知郎 ニュースキャスター)は一生懸命食い下がって言質とろうと思ってもさ、言わなかったでしょう。それはやっぱりね、なかなか難しい選択だと思うし、うーん、その首長を選んだ市民、府民、都民にとってみると、ある意味ですね、心外な印象を与えかねないとも限らないと私は思いますけど。

【記者】わかりました。

【知事】はい、どうぞ。

【記者】ちょっと話は…。

【知事】君、夏暑くねえか、そんな長い髪して。

【記者】クールビズでいきたいところですが、敬意を表してネクタイを。で、関係ない話で恐縮なんですが、日本時間の今朝ですね、世界的な歌手のマイケル・ジャクソンさんが急死されたということで、知事も作家というですね、クリエイティブ(創造的)な面でご活躍されているんで、音楽という、畑は違うかもしれませんが、そういうクリエイティブな活動をされてきたマイケル・ジャクソンさんの死をどのように受けとめたというか、どのような感想をお持ちか、一言でも聞きたいなと。

【知事】おれ、あんまりマイケル・ジャクソンのいい聞き手でもないし、ファンでもないんだよな。で、このごろの新しい音楽ってあまり好きじゃないんだよ。ただやっぱりね、音楽家にしろ何にしろね、その、一世を風靡(ふうび)した人ってのは、その時代に生きている人間のね、こう、人生を通じての情念、情感というのを代表してるわけですからね、だからやっぱり、人気っていうものがこう、要するに獲得されるわけでね、そういう点では、やっぱりマイケル・ジャクソンが表象したね、時代がやっぱり、作家の死とともに終わったんだなという、そういう、哀悼の意というものをね、多くの人が感じていると思いますよ。

 だから私は、ね、そうねえ、マドンナが死んでもマイケル・ジャクソンが死んでもがっかりしないけども、やっぱりビング・クロスビーとか、シナトラはあんまり好きじゃなかったなあ、だれかなあ、ペリー・コモとかさ、そういう人が死んだときにはちょっとがっかりしたけどね、それはしようがないよ、年寄りだからな。だからそういう時代時代にやっぱり芸術家って生きていくんで。

【記者】何か例えば…。

【知事】マイケル・ジャクソンのファンだったの。

【記者】いや、質問していながらファンでないんで恐縮ですけど。

【知事】はははは、いい加減なやつだな。

【記者】いや、知事お聞きになられたりするのかなと思って。あまり音楽の話とか、そういう話を今まで聞いたことがありませんでしたので。

【知事】いや、僕はビートルズとかね、プレスリーとかさ、そこら辺はやっぱり、ああ、新しい音楽だと思って感動して聞きましたがね、その後の、例えば日本の今の、何か下手くそな、文章になってない、日記をわめくみたいな歌ってのはちっともいいと思わねえなあ。この間、ユーミンさんと話したら、彼女も同じような心境ですって言ってたよ。

 はい、それじゃ。

【記者】すいません。

【知事】どうぞ。

【記者】最後に。来週、7月3日から告示で、都議選があるんですけども、知事がどういうふうな心構えというか、感じで応援に入られるのかと、その辺について、お聞かせください。

【知事】これは惜敗を期せずにですね、必勝を期して頑張ります。

【記者】前回よりも、数多く応援に入ろうと思っていらっしゃるのか、それは…。

【知事】そうですね。やっぱり私なりにね、危機感持ってますしね、それからね、やっぱりね、国政での自民党のへまみたいなもののね、あおりをね、都政の自民党がね、食うのは非常に非合理な話だし、ほんとはもう、衆議院の選挙を先にやってもらいたかったね。こっちはもう日程が決まっているからそうはいかないんでしょうけども。やっぱりいかんですよ。とにかくね、役人本意でやってきてね、今ごろ年金でばたばたしても間に合わないんだ。そうやってね、要するに、国の役所の不祥事をだれが招いたかといったら、監督する国会議員がぼやぼやしてるからこういうことになったんだ。なぜぼやぼやしとくんだと、国会議員の中に役人が多過ぎるんだよ。みんな本省を振り返ってものを言うからだめなんだよ。そんなもんは族議員と称したってね、つまり、役所の何か、手代でしかないよね。僕はもうほんとにそういう点はね、自民党っていうのはこれから、再生していくために体質を考え直す1つの大きな要因だと思いますね。

 はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)