石原知事記者会見

平成21年4月30日更新

石原知事定例記者会見録

平成21(2009)年4月24日(金)
15:01〜15:38

知事冒頭発言

1 第三回世界大都市気候サミットへの出席について

【知事】えー、きょうはですね、冒頭、幾つかあります。

 今年のですね、5月18日から21日まで、3回目のC40(世界大都市気候先導グループ)、大都市が集まったですね、異常気候問題についてのサミットがありますが、これに出席しますけども、昨年ですね、10月に私から提唱して、抽象論を言ってもしようがないんでね、とにかく具体的に幾つかですが、共通の、あるいは地政学的に条件の違うところはありますけども、問題をですね、具体的に絞り合ってやろうということで、ご存じでしょうけれど、去年10月、やりましたね。(※平成20年10月22日〜24日 C40気候変動東京会議を開催)大変だ、大変だって言うのは、みんなだれでも言うのは簡単なんだけどね、やっぱり去年、各都市代表する専門家が集まって、非常にみんなの認識が悲観的でね、厳しいということを確認されたんで、それでもよかったと思いますが、繰り返しませんけれども、13項目のですね、共同行動をまとめました。

 で、その結果を報告しようということですけども、あれからわずかしか時間たってませんし、その間にですね、努力の端緒(たんちょ)はついたかもしらんけども、目に見えるような大きな成果はなかなか上がりにくいと思いますが、中にはね、東京都みたいに条例を決めるとか、規制を発表するとかですね、保全のために努力するものにはですね、インセンティブをつけるとか、いろんな方法があると思いますが、いずれにしろ、何かですね、具体的にね、細かいこともやっていかなかったら、どうにもならんぞということで、専門家のほうがですね、積極的に合意してくれて、そういう滑り出しをしたんですけど、果たしてどこまであれですな、効果があるか、これは、後になってみないとわかりませんけども、ソウルの大会でもね、東京は、それなりにかなり進んだことをやってるつもりですから、その実績をですね、改めて披瀝(ひれき)して、同じですね、目的意識を持った都市を、できるだけ仲間としてつくっていきたいなと思ってます。

 今回の訪問に際しては、羽田空港と金浦(きんぽ)空港を結ぶ国際チャーター便を利用するそうだ、こんなこと言わなくていいんだ、いちいち、な。(笑)

 詳細についてはですね、後、報道官から説明をいたします。

2 全国のバス停における招致PRポスターの掲出について

【知事】それからもう1つ、どこにあるのかな、全国のバス停にですね、オリンピック招致のPRポスターの掲示をしますけども、都内のバス停では、既にごらんいただいていると思いますが、オリンピック招致のPRポスターをゴールデンウイークを含む4月27日から5月10日まで、全国主要都市のバス停にも掲示いたします。これは、フランスの屋外広告会社、ICドコー社のですね、協力によりまして、全国34都市のバス停にですね、約600面、掲示します。

 かなり大きなですね、都市にあるポスターですから、夜にはライトアップされてね、バスの利用者や歩行者に、ま、インパクト(強い印象)を与えると思いますんで、これをまた1つきっかけに、オリンピック招致の機運がですね…。

【報道官】JC、JC。

【知事】あ、JCか、失礼しました。ICじゃない、フランスの屋外広告会社、JCドコーということであります。

3 耐震化総合相談窓口の開設について

【知事】3つ目は、耐震化総合相談窓口の開設についてですけどもね、建物の耐震化については、都の重要政策の1つとして取り組んでおりますけども、民間のビルやですね、個人の住宅にかかわる耐震化への取り組みをさらに促進するために、5月11日、専門のですね、相談窓口を開設します。まあね、みんな地震来たら厄介だなと思っているけど、多分ここには来ないだろうと、うちは大丈夫だろうと、根拠のないね、みんな確信持ってるけどね、そうじゃなくてね、やっぱり専門家に見てもらってね、少なくとも、お宅は、かなり、これ、やばいですよと、危険ですよ、簡単に倒れますよというね、警告を受ければ本気になるでしょうしね、私の子供の1人なども、かなり古い木造家屋に住んでますけども、親子3人で寝てると、寝室は2階がないから大丈夫なんて、わけのわかんないこと言ってるけどね、これはやっぱりね、そんな簡単なものじゃないと思うし、やっぱり結局、自分の命ですからね、自分の配慮でですね、やっぱりそれを守るということも大事だと思います。

 窓口は常設としまして、1級建築士など、専門家が、無料で技術相談に応じまして、耐震改修計画の作成支援や、安価で信頼できる工法の紹介などを行います。

 都は、今年度から緊急輸送道路沿いの建物にかかる耐震診断費用の補助を拡充しまして、低利の融資制度を創設するなど、支援メニューをですね、そろえて、普及に力を入れてまいります。1人でも多くの方にですね、相談口を活用してもらいたいと思いますし、それによってですね、安心、安全のまちづくりを、都民の方々と一緒に推進していきたいと思っております。

4 周産期医療体制の整備について

【知事】それから、次いで、周産期医療整備のですね、体制づくりでありますけど、これ、猪瀬(直樹)副知事が頑張ってくれましてね、プロジェクトチームをつくりまして、今度、報告書が出ました。昨年、都内で発生した妊婦さんのですね、搬送困難事案の発生を契機に、都では、猪瀬さんを座長とする庁内横断的なですね、プロジェクトチームを設置しまして、都民、利用者の視点から検討を行ってきましたが、本日、報告書がまとまりました。

 東京の医師会長さんも再選されましてね、鈴木先生(鈴木聰男 東京都医師会長)と一緒に今までやってきましたが、これに拍車をかけてですね、とにかく、こういう体制づくりが効果を上げてね、被害者を出さないように、これからも邁進するつもりですけども、プロジェクトチームでは、既に周産期医療協議会や、舛添(要一)厚生労働大臣に対してですね、提言を行ってきましたが、今回の報告書は、さらにですね、都や国、医師会など、周産期医療の関係者に対し、都民が安心して出産できる周産期医療体制をですね、構築できるよう、さまざまな提言を行っております。都としては、国に対して要求すべき点は要求するとともに、関係者と一致協力しながら、周産期医療の充実に向けて、全力で取り組んでいきたいと思っております。

 なお、きのうですね、同じ問題がね、八都県市の首長会議で出ましてね、あれは、埼玉県の上田(清司)知事でしたかな、とにかく県境をまたいだですね、周産期医療に限らずね、要するに救急医療体制というものをね、例えば、県境に近くてですね、東京に頼ればですね、川1つ越えれば、県境を越えれば、もう立派な病院がある、そういう病院がある、その県なら県の中心部には非常に遠いというような状況があちこちにあるわけですから、そういったものをね、越えてですね、他県の人でも県境を越えた救急搬送、あるいはですね、周産期医療の、ま、一種の、これも救急体制でしょうけど、そういったものをね、スムースに行うコンソーシアムというんですか、共同体制というのをつくっていこうということで、県をまたいだですね、プロジェクトチームを、東京のPTもとてもいい結果上げたと思いますから、首都圏に及ぶですね、そういう体制をつくっていこうということで合意をしました。

 ある県の知事によるとですね、東京などと比べてみて、消防に電話をかけて、救急の搬送を頼む、そのシステムはですね、県によってちょっと違うんですね。で、そういったね、違いというものをこう、地ならししませんと、これもスムースにいきませんからね。どこをどういうふうに折り合って、平均値を得るかね、それが迅速な搬送につながればですね、あるいは迅速な病院の発見につながればいいと思うんで、これはですね、この間の東京のね、ああいう悲劇を、県をまたいで繰り返さない、防いでいくということで、大変いい、体制ができていくんじゃないか。たまたま、私、9月11日にね、ワシントンにいまして、アメリカはね、それに対応するのにもっと大きな組織つくったけども、FEMA(アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁)ですね、フェデラル・エマージェンシー・マネジメント・エージェンシーですか、あれはね、非常によく機能したんで感心してね、小泉(純一郎)首相に日本でもつくったらどうだと言ったら、何かそんな必要ないとか何とか、あんまり政府も動かなかったんで、じゃ、首都圏だけでやろうということでね、首都圏のFEMAつくりました。

  これはね、これも医療の搬送なんかもっと簡単でしてね、とにかく、とにかく火事発生して、こういう事故が起こったと。で、特殊な工場が爆発したとかね、爆発、事故起こしたときにね、そういう専門性を持っている県にですね、依頼をする。だからそういうときの連絡先というものだけわかっていればいいんで、係の部長なり局長変わるかもしれませんけどね、電話番号だけ当事者はいつも記録していこうということで、それは非常に機能して、いろんなことで動いておりますから、医療の搬送の場合にはね、もうちょっと複雑で難しいことがあるかもしらんけども、やっぱり首都圏でね、今まで一種の広域行政やってきたんで、この問題についてもですね、合理化しようということで始めます。

 私から申し上げることはそれぐらいでありますけども、質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】きのうで、知事に就任されて10年になるわけなんですけれども、この10年間の東京都政を振り返られて、石原知事が変えることができたなというふうに思っていらっしゃることというのは、どのような点なのか。

【知事】それはあなた方がやっぱり判断して評価してよね。私が言うと自慢話になっちゃう。成功したものもあるし、失敗したものもありますな。銀行はね、まあね、こっちはやっぱり素人だからね、つい、トヨタなる名声にあこがれて、あそこの重役さん迎えたけども、ちょっと、金融には筋違いの人だったんでね、あんな結果になりましたが、幸い、追資(追加出資)というものを認めていただいて、墜落せずにね、大分業績上がってきました。思った以上によくなってる。

 ただね、あのー、予算委員会かな、本会議かな、質問が出たけど、銀行再建のためのセカンドステージ(第二段階)でね、東京のポテンシャル(潜在力)ってね、外国のファンド(投資信託会社)とかね、金融機関のほうがはるかに評価してくれてるんだよ。ということでね、期待して提携しようと思ったら相手の銀行がつぶれちゃったの、サブプライムローン(中低所得者を対象としたアメリカの住宅などのローン)で。これ、ちょっとね、こっちにとっても思いがけない痛手なんですがね。

 それはそれ、これはあれとしてね、やっぱりちょっと申しましたけどね、さっきの医療の問題じゃありませんけどね、東京が主唱して広域行政を幾つかやってきました。排気ガス規制もね、それはほんとにね、神奈川県、千葉県、埼玉県が協力してよくやってくれたんで、ほんとよくなったと思いますよ。だけど、そんなことは一々声高に言うこともないんだけどね、私は声高に言いたいのはね、首都圏で成功したことを何で国がほかでやらないんだ。大阪行ってごらんなさい、空気もっと悪いですから。その話をしたらね、上田知事が、私は実はこの間の選挙でね、大阪の友人の応援に行ったらね、もう私と同じ経験だけど、宣伝車の上でね、演説したら、目が痛くてのどが痛くなったというけどね、そういう現実の格差があるんだからね、何で首都圏でやって成功したことを、国民の健康にかかわることだからね、やったらいいと思う。

 でね、幾つか、皆さんあんまりその専門性があるかないかわからんからあれだけど、会計制度を変えたというのはとても大事だと思いますよ。外部監査を徹底してやりましたからね、これからするとね、きちっとしたね、財務諸表が出てきますしね、いかにどういうところでいい加減であったかということがよくわかってくるしね、あれは国もやっぱりさっさとやったらいいと思うんだけども、相変わらず。今度総務省がやり出す、やると言っている複式簿記・発生主義というのはちょっと問題があるね、専門家に検討してもらっても。

 そんなこんなですがね、どう言うのかな、僕は共産主義者じゃないけどね、毛沢東(もうたくとう 中華人民共和国の政治家)のね、若いころ読んだね、「実践論・矛盾論」、特に「矛盾論」というね、小さな冊子ですよ、1冊になってて。あれは非常にやっぱり、物事を何か変えようというときのね、参考になるということをね、特に東京のような行政を預かってみてね、改めて感じましたね。つまりね、目の前にある厄介な困った問題というものを解決しようとすると、お役人というのはすぐその場でそれを手つけるけど、そうじゃなくてね、そういったその厄介な問題がね、派生して出てくる主要矛盾というのがあるんですよ。それを解決しないとね、ほんとうにその問題の解決にならない。

 だから東京都の場合にはいろんな主要矛盾があったけど、何といったって財政でしょう?こんなに人が多くてですね、それからね、給料が高くてね、何で政府はやらないんだろうね。国会議員の数も多いよ。議会の数も多いよ。大事な委員会のね、要するに審議がですな、テレビで中継される時代にね、チェック・アンド・バランス(抑制と均衡)と称してだね、参議院を置いておく意味というのがあるのかね。国民は、やっぱりこの問題について、やっぱり深い疑義を持っていると思いますよ。

 だから結局財政がですね、どんどんどんどん食い込んでくる。だからね、東京は人も減らしましたしね、歳費もカットした。これはもう財政再建の「てにをは」でしょう?財政が回復しない限り何もできるものじゃないからね。今さら毛沢東先生の本を読めとは言わないけどね、ごく簡単な当たり前のことを書いてあるんでね、当たり前のことほどやりやすいようでやりにくいんだな。私、そういうことを、東京都に入ってみて痛感しましたな。

【記者】東京から日本を変える、日本にいいメッセージを発信していくということを掲げていらっしゃったかと思うんですけども、それが10年間でご自身としてですね、できたかどうかというのは、どのようなお考えで。

【知事】できつつあるものもありますね。それはね、その、それこそね、首都圏がやって成功したんだから、日本の主要部分は変わったわけじゃないか、大気汚染に関しては。何でやらないんだと、それ。国がやってくれたらあっという間に変わりますよ。小さな業者までね、自分のためにね、自分の親族のために空気よくしようというんで協力してくれたんだからね、日本人っていうのはやっぱり捨てたもんじゃないなと改めて思ったけども、何でそういうことを国がやらないのかね。

 何で人事院勧告なるものがいつもいつもね、給料据え置きでね、やっとこの1、2年前かな、歳費カットを言い出したけども、それだって足りないと思うね。役人の数多過ぎますよ。それは地方事務所も含めてね。例えば、何ていうのかな、猪瀬さんもメンバーに入っている、地方分権改革推進委員会がね、余計な定数というのを減らそうと、数値を入れると3万5,000人、とにかく数値を入れるのはけしからんって削るわけでしょう?去年も、昨日もね、八都県市の首脳会議で言ったことは、地方分権の中にね、1つの方策でやっぱり数字をきちっと入れようということをね、(八都県市で)要求しましたけどね、要求してもどこまで国が聞くかわからんけども。

【記者】もう一点だけ。

【知事】随分あんだね。

【記者】すいません。東京都のほうで、都政モニターという形で、毎年調査をやっていらっしゃると思うんですけども、平成12年のときの都民の満足度が74.6%あったんですが、去年の調査結果だとですね、42%まで下がってきていると。

【知事】それはあなた方のね、責任とは言わないけどさ、随分、やっぱりね、その銀行のことでたたかれたからね、それはやっぱり、それはイメージよくないよね。これはしかしやっぱりね、責任ありますから、必ず立て直しますしね、その端緒にもついていると思うし、ただやっぱり世界全体の金融事情がこうなったんでね、セカンドステージがね、ちょっと想定した相手がいなくなっちゃったんで、逆に向こうから、東京都からお金出してくれなんて言われてんだよ。ヨーロッパも相当あれ(※サブプライムローン)で傷ついたみたいですな。これもね、私はこれから先、そう長くはやっていませんけども、銀行がですね、きちっと形がついたらですね、またやめた後に評価してもらえると思いますしね、やっぱり失敗は失敗で認めてやりませんと、ということです。

【記者】残り2年の任期の中でここに力を入れていくと、そういう、都民の満足度の調査結果も踏まえですね、知事はどの辺に力を入れていかれるというふうに考えていらっしゃいますか。

【知事】いや、東京都だけの力でできるもの、できないものがありますがね、ただやっぱりね、毎回同じこと言ってきたんだけども、外国人相手にも言ってるわけだけど、あと5年もたないよ、地球は、下手すると。ポイント・オブ・ノー・リターン(引き返し限界点=地球温暖化を止めることのできなくなる時点)をね、このままいくと過ぎちゃうよ。過ぎたときは加速度的に物が悪くなりますからね。あと5年たったときにだね、やっぱり石原が言ってたとおり、学者が言ってたとおりになっちゃったというんじゃ間に合わないんでね、それをくいとめるために東京だけ一生懸命ね、ブレーキを踏むね、努力をね、してかなくちゃいけないし、1つの、モデルビルディング(政策モデルの構築)というんでしょうね、都市における行政の、それはね、果たしていきたいと思うし、やっぱり議会もね、非常に高い意識を持ってくれてるから、ある意味じゃ国会なんかよりずっと進んだ高い意識を持っているから、あの条例だってですね、与党だけじゃなしに、野党も一部ですね、とにかく賛成してくれてね、ああいう条例つくった。(※平成20年度に東京都環境確保条例を改正し、大規模事業所に対して、温室効果ガス排出量の総量削減義務と排出量取引制度を導入)だから、世界で東京だけが唯一ですな、ICAP(国際炭素行動パートナーシップ)に入ることになったわけですよ、都市としてね。そういったものをね、非常に専門性が高いからというのかな、なかなか、一般の都民、市民に評価してもらいにくいけども、ただ、やっぱり空気なら、空気なんていったのは、わかりますから、富士山が見えるようになったとかね、環七沿いに住んでる人がね、洗濯物を干しても汚れなくったとかね、個人タクシーの運転手さんがね、今まで1日おきに車洗ってたけど、週に1回で済むようになったとかね、そういう、わかりやすい、何ていうのかな、事例っていうものが、行政の成果っていうんで紹介、証明してくれるんで、それには時間もかかるでしょう。別に、そんな、にわかな評価を当てにして行政やるつもりもないしね、後になって評価されればいいやと思ってますよ。

【記者】ありがとうございます。

【知事】どうぞ、はい。

【記者】パンダのことで伺いたいんですが。

【知事】え?

【記者】パンダのことで。

【知事】パンダ、またパンダか。

【記者】中国、胡錦濤(こきんとう)国家主席が、当時の福田(康夫)総理にですね、上野へのペアの貸与を表明されて、間もなく1年になるんですけれども、ま、この間にですね、外務省等から何か連絡等はあったかと、この件についてあったかということと、あと上野でですね、パンダを受け入れることについての知事の見解を、改めて伺いたいと思います。

【知事】前言ったじゃないの、この間も同じことを。もっと工夫したらいいの、工夫。何億もかかるものをね、借金してね、何かするよりも、もうちょっと知恵を尽くせばですね、動物というのは生きてて動くんだからね、いろんな見せものができるわけですよ。それはやっぱり、まさに道路つくると同じに、コスト・アンド・ベネフィット(費用対便益)の問題でね、そこら辺のところは、とにかく経営感覚で、上野の動物園が考えたらいいんでね、ほかの大都市の動物園、見たらもっと変わったこと、いろんなことやってるよ。

 もうこの間だけど、あの、なかなかおもしろいことやってるなと思った、多摩の動物園はチンパンジーか、オランウータン、ね、動物園の外の森へ行って、ケーブル伝って帰ってくる、なかなか途中で見ておもしろかったけど、何か逃げるのを防ぐために感電装置があった、それに触れて落っこっちゃってさ、幼稚園じゃない、動物園の中じゃなしに外落っこっちゃったんだろう?(※4月18日、石川県のいしかわ動物園で、空中散歩施設からオランウータンが飼育場の外に転落し、園内を逃走する騒ぎがあった)あれも困るわな。オランウータンって、そう凶暴な動物じゃないからあれだけど、いろんな工夫したらいいと思うんですね。何かね、ブランドにね、こびて、ブランドにね、当てにしてね、要するに何というのかな、経営を考えるというのは、能がない話と僕は思うよ。

 別にパンダが良い、悪いと言ってんじゃないですよ。

【記者】都知事、年間1億円のレンタル料がかかるというのは、過去の、過去にそういう事例があったということで、今回、上野については、どういう条件で貸与されるかというのは、まだ中国側から何も話がない段階なんですけど、その辺…。

【知事】聞かなきゃわかんないじゃないですか。1,000万だったら借りたらいいわ、そりゃあな。ねぎったらいいんだよ、あんなものは。物買うときは値切んなきゃだめだよ。

 どうぞ。

【記者】お疲れさまです。先ほどですね、石原都政10年という話がありましたが、知事、この10年の中で1つの懸案でありました外環自動車道の話なんですが、今月27日に国土交通省が国幹会議(国土開発幹線自動車道建設会議)を開くということで、いよいよ整備計画に格上げする見通しであるということになりました。そうなると、いよいよ着工も近しということになりましたが、40年ぶりに着工になるということに対しての、その見解をひとつお願いします。

【知事】40年ぶりにね、このね、これだけ致命的なね、役割を負っている東京、首都東京のね、外環がね、そんな長い間凍結されて、やっと今ごろ、何というのか、冷蔵庫から出てきてね、凍結解除してね、着工するっていうのも考えてもナンセンスな(ばかばかしい)話なんじゃないの。

 これはやっぱりね、当時の美濃部(亮吉)知事がわーわー言ってね、ストップされたというけど、美濃部知事の責任だけじゃないよ、その後ね、首都なら首都っていうものをね、文明工学というか都市工学という、そういうものから考えればね、外環なんていうのはね、東京のためというよりも、むしろね、東京を経由して関西方面から東北行ったりする、そういう物流のための、非常に基幹道路ですからね、そんなものをね、ほったらかしにして東京も迷惑していた。それ使って関西からですね、東北行く、東北からですね、関西向かってものを運ぶ連中も迷惑した。こういうその、何ていうのかな、国家の役人の怠慢ね。

 たまたまね、私もね、知事になったんでね、凍結ってこと初めて知ったんだけど、あれ、このごろ、今、女の人のほうが強いからね、扇(扇千景 元参議院議長)さんが、たまたま国交(国土交通)大臣してたんで2人で図ってね、やりましょうということでね、やったけども、あれ、根本龍太郎っていうね、結構威勢のいいおじさんが建設大臣やっててね、それで何か知らんけど、美濃部人気にびびってしまってね、ばかだから、凍結宣言した。それ、いまだに凍結解除しなかったね、まあ、これはね、政治家というか、政治家の閣僚もくるくる変わるんでね、やっぱり専門性を持って任じてる国交省なり、運輸省の役人がだね、政治家に献言してでもね、これは変えなきゃだめですよ。だけど彼らはいつも待ってるんだな。

 だからね、ね、これはやっぱり美濃部知事が反対してね、成田に行く新幹線中止したでしょ。路盤だけはできてんだよ。だから、僕は行って見てね、これ、使ってね、在来線入れたらいいんじゃないかと。いや、我々かねがねそう思ってましたけど、大臣に言ってみると結構すぐできるでしょう。

 羽田のね、今の4本目の滑走路だってね、僕と亀井(亀井静香 国民新党代表代行)がかなり乱暴に決めたんだけど、あれだって、実は国の役人はわかってるから逆に、何ていうのかな、時の運輸大臣なりに献言してつくりましょうって言やいいんだけど、言わないのね。それで、私とか、亀井静香っていうあまり静かじゃない政治家がだね、半分脅せばだな、苦笑いしながら、実はそう思ってましたと答える。で、こういう政治のメカニズムっていうのは、やっぱりほんとうに時間とね、お金を結局浪費、空費させてね、好ましくないですね。そういうことですな。

【記者】ありがとうございました。

【知事】はい。どうぞ、女性。

【記者】すいません。直轄事業負担金について、改めて知事のお考えを伺いたいんですけれども、今日、地方分権推進委員会のほうで意見書をまとめるんですが、知事は、国と地方の負担の割合について、どうあるべきだとお考えでしょうか。

【知事】これはね、なかなか難しい問題でね、全部ですね、とにかく国が決めてやれと、地方のですね、負担部分っていうものをなしにしてね、国がやるからって、これ、またね、逆にね、族議員が跋扈(ばっこ)してね、わけのわからない工事がですね、まかり通るっていうことになりかねない。必ずしもですね、そういう、その社会資本が必要な地域から有力な政治家が出てるわけじゃないんでね。

 もっと極端な例言えばですな、大平正芳(元首相)さん、なかなか魅力のある政治家がいた。私の大学の先輩だけど。あの人は1つの信念があってね、自分は絶対、自分の選挙区に地益誘導しない、利益誘導しないということで、四国のね、あれだけの人がいるのに、四国の道路っていうのはものすごい遅れたんですよ。これを1つのね、政治家としての美徳っていうかな、姿勢かもしらないけどね、これまた何か皮肉な例でね、かと思うとね、今度、誰と誰とは言わないけど、四国側なり、中国側に有力な政治家がいたってんで、あれでしょ、瀬戸内海へばかな本四架橋(本州四国連絡橋)3本もかけやんの。僕はたまたま閣僚でいましたが、福田(赳夫)内閣のときに、環境を担当してる人間として、私、反対ですと言ったら、福田さんに怒られてね、口封じられたよ。

 そんなことありますんでね、だからね、例えばね、こないだちょっと寄ってみてびっくりしたんだけど、千葉県にね、千倉っていうね、立派な港があるの、野島崎の先に。これは、底引きのね、サバ漁がね、だめになっちゃったんでね、もう船が減っちゃってね、三崎の港の2倍近くあるような立派な港だけど、漁船なんか5、6隻しかいない。ああいったものをね、何でね、例えばマリンレジャーとか、そんなもののために活用しないんだろう。

 やっぱり、これはやっぱり、国がつくって与えてくれたものの運営ってのはね、あれ、やっぱり県の責任なんですな。するとやっぱり千葉県にね、そういう発想力がなかったってことなんだろうけど、あれなんかもやっぱり国がせっかくつくってやったんでね、とにかくどうなってるか見たら、もったいないじゃないかって、国や県は発想があると思うけど、もう少しみんなで知恵を出せば、ああいう港も活きてくると思うけど、実に気の毒、無残な話ですよ。ま、そんな事例があちこちにありますな。

 かと思うとね、国に任せると、諫早(いさはや)湾の干拓みたいに、ああいうばかなね、大事業やってね、結局環境めちゃめちゃ、漁業めちゃめちゃ、今になってほえ面かいたって間に合わないということになる。だから、この辺のところはね、どういうふうな知恵の出し方が、どういうふうな合議っていうか、新しい体制つくんなきゃ、地方分権になってるんでね、地方の負担なしに国が、じゃ、みんなやられたら、これは国は国でまた暴走しかねない。これ、でも難しいですね、とっても。

 どうぞ。

【記者】政治家の世襲について、お尋ねしたいんですが、都議選、衆議院選が近づく中ですね、昨日までに民主党が政治改革の一環として、国会議員の子供などが同じ選挙区から連続して立候補することを禁止する方針を固めてですね、今後マニフェストに盛り込みたいと言ってるんですけど、この政治家の世襲というのはですね、以前からも賛否いろいろな意見があると思うんですけど、知事の所見をお願いしたいんですが。

【知事】政治家のステータス(社会的地位)ね、ってものね、随分変わってきたんでね、世襲してまでね、とにかく政治家になろうっていう人材が今いるのか。あるいは、世襲さえ、世襲ぐらいしなかったらね、そうね、政治家になる人間がいなくなっちゃったんじゃないかっていう、そういう状況がありますがね。

 これは、しかし、私自身も息子が2人ね、代議士してますけども、親ばかで言うわけじゃないけど、1人のほうは全然違う選挙区で、これは出た。もう1人のほうもですね、私が僕はやめるけども、君、継ぐかったら、や、自分は興銀(日本興業銀行)にいてスペシャリスト(専門家)になったけど、興銀さんはつぶれちゃったなんてね、しばらしくして、やっぱり政治家になるってね。そういうケースとね、いろんな世襲のケースもあるでしょ。

 これ、やっぱり、どういうんでしょうな。議会がですね、議会1人で決めるわけにもいかんだろうし、世論が世論だけで決める問題でもない。どう思うかと言われたら、ただ、ただ私は非常に難しい問題としか言いようがないね。政治家のあり方も違ってきたし、それ、非常に間違った選挙区制度にしましたからね。僕は最後までね、要するに、今の選挙区制度反対してきた人間だし、政治家がちっちゃくなっちゃったしね。いろんな問題ありますね。そのへんにしといてください。

【記者】この民主党のですね、昨日、固めた方針というのがですね、国会議員の子供などは同じ選挙区から連続して立候補することを禁止したいということなんです。これは、知事の2人のですね、息子さんには当たらないかとは思われるんですけど、知事の2人の息子さんに関して、知事は世襲と考えられますでしょうか。いかがでしょう。

【知事】僕、考えてません。それ、特に長男のほうは冗談じゃないって言いますね。もう1人のほうもですね、周りでですね、違う人に出られて、今、悪戦苦闘してるけども、いずれにしろね、その問題はその程度にしといてあれだけど、選挙制度はやっぱり変えなきゃだめだね。もうこれだけ政治家がちっちゃくなっちゃってね、地元に張りついてね、ともに猛反対したね、野中(野中広務 元内閣官房長官)と時々一緒に飯食って、酒飲んだりすんだけど、僕がやめちゃった後も、野中がね、本会議のぞいてみろ、石原さんって。大した議論がないときはね、採決までみんなね、地元へ帰っちゃってね、要するに、もうがらがらだと。そういうの、やっぱりあまりいい傾向じゃありませんな。

 はい、どうぞ。

【記者】話がらっと変わってしまうんですが。

【知事】がらっと変わってくれよ。(笑)

【記者】昨日なんですが、人気アイドルグループのメンバーが夜中にですね、公園で泥酔して全裸でいるところを警視庁に逮捕されたという話があるんですが、知事の感想をお願いします。

【知事】感想ってのは、何で捕まったの?

【記者】はい?

【知事】何で捕まったの?どういう名目で。

【記者】泥酔して、全裸でいたということで、公然わいせつと。

【知事】公然わいせつ。裸ってのはわいせつなんですか。

【記者】警察はそう判断したんだと思うんですが。

【知事】うーん。僕ね、それ聞いてね、なるほどな、国によって違うなと思った。

  アメリカはね、ちょうど沖縄返還のとき、私もね、竹下登(元首相)さんと、衆参で1人ずつくっついて行ったんだけどね、そのときに、非常におもしろい判決出したんです、最高裁が。人間のね、肉体の一部がね、他の部分に比べてとりわけ醜いということはないという判決なんだ。途端にね、というか何だかな、セックスの写ってる全裸の写真ってのはね、アメリカで解禁になったんですよ。要するに、性行為を写すんじゃないですよ。だから、アメリカと日本と随分考え方違うんだろうけどね。

 随分夜遅かったの?

【記者】深夜と聞いています。

【知事】うーん。で、何で見つかったの、それ。

【記者】騒いでいたので、近所の人が。

【知事】騒いでたの?1人で騒いでたの?

【記者】そのようです。

【知事】何かやっぱりいろいろフラストレーション(欲求不満)があったんだろうね。裸になりたい気持ちわからないでもないね、おれは。(笑)

【記者】間もなく保釈となると思われるんですが、何かあれば。

【知事】ちょっと騒ぎ過ぎじゃないですか。騒ぎ過ぎじゃないですか。もっとほかに大事なものなんてな問題たくさんありますよ。

【記者】ありがとうございます。

【知事】どうぞ。

【記者】オリンピックのことなんですけれども、6月にローザンヌ(スイスの都市)でプレゼンテーションがあるようですけれども、そのプレゼンテーションに向けてのですね、何か都知事の考え、あればですね、聞かせていただきたいことと…。

【知事】別段何もありません。

【記者】もう一つ…。

【知事】今までやってきたのの延長ですからね、もう、何ていうのかな、立候補ファイル出してあるし、多分、ああいう分厚いものをね、100票、その、1票ずつ持ってる100人の選考委員がね、どれほど綿密に読んでくれるかってのは、何か心もとないんだけども、どの国の候補地もかなり分厚いもんを出してるみたいだからね。東京の出したものを綿密に読んでいただき、また、ほかの市の出したですね、立候補ファイルというものを読み比べてもらえば、東京はですね、コンペ(競争)に勝つ自信は十分ありますけど、なかなかそれはそれで済むもんではないらしくて、いろんな情実もあるでしょう。今までのいきさつとかね。そこら辺のとこ、やっぱりね、東京都はやっぱり専門外ですから、あとはJOC(日本オリンピック委員会)の諸君に頑張ってもらうしかないですな。

【記者】10月に、投票があるわけですけれども、最終的には人間関係だとかいうことがよく言われてるんですが、そういう問題については、どういうふうにお考えでしょうか。

【知事】だから、厄介だっつってんだ、人間関係ってのは。ね。何ていうのか、価値による人、何ていうのか、メジャースティック(物差し)にならない。

 だからね、しかし、いっぺんにこう採決が決まらないというそうですから、大体、その後ですね、それを見越しての、2回戦、3回戦でのですね、勝負の想定っていうもの、やっぱりする必要があるんじゃないかと。この辺のね、要するに、外交の駆け引きというかな、あまり日本人うまくないんだ、こういうことね。

 しかし、一生懸命頑張りますし、JOCにも頑張ってもらいますよ。

【記者】都知事、あ、いいですか。もう1つだけです。仮定の話ですが、オリンピック、もし(招致に)成功しなかった場合ですね、投票でですね。

【知事】仮定の話じゃしようがないでしょ、仮定の話ね。

【記者】ええ。

【知事】そういうの、一番くだらない質問なんだよ。君らはうれしいかもしれない、ちっともうれしくない、こっちには。こっちは勝つつもりで頑張ってんだから、余計なこと言うな。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)