石原知事記者会見

平成21年3月26日更新

石原知事定例記者会見録

平成21(2009)年3月19日(木)
15:13〜15:31

知事冒頭発言

東京オリンピック・パラリンピック招致の国会決議について

【知事】冒頭ですね、私のほうから1つだけ。

 お聞き及びでしょうけども、衆参両院で、17、18日にオリンピックの国会招致決議が行われました。激しい招致レースを戦う上でこの決議が強い後ろ盾になると思います。この間、さまざまな人の努力でこの決議が得られたことに感謝しております。両院そろっての決議は、国を挙げての招致が決まったということでありまして、都としては、これを契機に、国、経済界、スポーツ界などと一体になって、全力で招致活動に取り組んでいくつもりです。

 今年10月の招致決定まで200日を切りました。ますます戦いが白熱化してきましたが、私も先頭に立って、このオリンピックを東京に招致できますように、渾身の努力をしていくつもりであります。

 私から申し上げることは以上です。

 ちょっと出が遅れたのは、皆さんお聞き及びの例の北区の王子の駅の垂れ流しの問題でね、ちょっと報告を受けたんだけど、どうも報告に納得しないところがあるものだから時間がかかりました。失礼しました。質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】今知事がおっしゃられた北区の問題なんですけれども、きのう都議会の公営企業委員会で、下水道局長自身が、実は東京都も知っていたということで謝罪をしたんですけれども、東京都側の管理体制といいますか、ああいうことが起きていたことを知っていたことが、きちんと上に上がっていなかったことですとか、あと、きちんとした工事がなされていなかったことのチェック体制、これについて知事のほうはいかがお考えでしょうか。

【知事】これは本当に言語道断の話ですな。その前提に、やっぱりやっちゃいけない工事をJRもやっていたんですよ、40年前にね。で、ああいうつなぎ方をして、絶対いけないので、黙ってやった。それで、そういう汚物が流れ出たりなんかしてね、雨が降ったときに。住民からも何か臭いぞという抗議もあってですね、それで40年、そのままずっと経過してきて、2年前にだね、その原因がわかった。

 それで、すぐ対処もせずにですね、引き継ぎの問題に粗相(そそう)があったって言われてもね、これはやっぱりね、とにかく何万も擁する、10万を超すお役人がいてだね、それぞれ局所局所で仕事しててね、引き継ぎが遅れましたで、これ、済むことじゃないですよ。民間だったら、これ、責任者、クビだな。やっぱり物事をちゃんと重大に引き受けてやりなさいと改めて言いましたがね。

 これね、ただね、いろいろ地域、あの地勢、何て言うんでしょう、あの状況を眺めますとね、これを正常に戻そうと思うと、ものすごいお金がかかるしね、恐らく東京中にそういう問題があったりするんじゃないかな。

 私の選挙区だった大田区の森ヶ崎というところに、やっぱり汚物の処理場がありましてね。これもね、キャパシティー(許容量)が知れてるからね、大田区だけじゃなしに、川上のいくつかの区の汚水を、全部そこで引き受けて清浄化してたんだけども、しかし、やっぱりキャパシティーに限界があるんでね。大雨が降ったりすると、もうその汚物が固形のまま流れ出てね。まあ近くは海ですからね、川下に人がいないから苦情が起こらなかったんですけど、周りにいる人間で随分問題になったんだ。

 あれがその後どういうふうに対処されましたかね。あちこちに、東京もそういうことあるんでね。これ本格的に調査をし直しますが、一方では、CO2削減とかね、大気汚染のそこの清浄化とかね、環境問題でみんな努力をしているのにね、下水ができました、できましたって、実は本当に何というのかな抜け穴があってね、そういうレギュレーション(規制)知っていながら、JRもああいう不法な工事をする。

 それを監督するすべもなくだね、見逃してきて、40年たって、2年前にそれがわかってね、それで、しかもその引き継ぎが、これ、エクスキューズ(言い訳)なのか、面倒くさいからほったらかしたのか、金かかり過ぎるから黙ってたのか知らないけども、こんなことで事は済まないと思いますな。

 環境問題で売ろうとしているんだったら、こんな問題はやっぱりね。水道の水は立派になって、世界一いい水を提供するようになっているのに、下水道がそんな体たらくでは話にならないと思う。

【記者】今知事、JR側が黙ってやったというふうにおっしゃいましたけれども、これは旧国鉄時代の話だと思うんですが、届け出をしていなかったということがはっきりしたんでしょうか。

【知事】いや、これはね詳しく聞いてください。そこのところの手続き、40年前ですから、よくわからないけどね、やっちゃいけないことは、ずっとレギュレーションであったわけだね。それを、まあやったんですな。やって、ばれなかったというのは、黙ってたということなんじゃないかね、それは。こういうふうにしましたといって、下水道局がそれを調べに行って、これは違反だと言った記録はないしだね。随分巡回しているみたいだけど、一体、肝心のときに何を見てきたかということですよ、本当に。

【記者】関連なんですけれども、本格的な調査をするというふうに今おっしゃったんですけれども、知事のお考えで結構なんですけれども、どの程度、どの範囲で、どういう期間で、どういうことをやられるのかというのをお話しいただけないでしょうか。

【知事】これ、まあ東京は非常に河川の多いところです、運河も含めてね。で、恐らくそこだけじゃなしにね、住民の方がね、何か雨がたくさん降ったとき臭いぞという場所がね、ほかにあるのかもしれない。調べてみて、あそこだけならそれでよかったんですけども。

 そういう調査をまずしてですね、そういう被害の訴えがあるところはね、やっぱり状況に応じて、例えば晴れたとき行ってもしょうがないわけだからね。非常に雨がたくさん降って、増水したときに集中して調べるというようなことをしませんとね、原因がつかめないと思うから、それはすぐやらせます。すぐと言ったって、雨がいつたくさん降るかわからんけれども。

【記者】その関連なんですが、この問題が北区議会でオープンになったといいましょうか、都としては今月の頭には事実がわかっていて、それを公表するのがかなり遅れたというこの時期的な問題については、どのようにお考えでしょうか。

【知事】それはさっき局長の話ではね、これとにかく東京都全体でこういうものはいくつケース出てくるかわからんけれども、やろうと思ったら、兆単位の予算が要りますよと言うけどね、何だろうとだね、兆とかかろうが、かかるまいが、やるべきことやらなくちゃいけないんでね、借金してもやらなくちゃいけないと思いますよ。

 だけど、やっぱり公はすぐ金目の問題考えるから、とんでもない予算が要ると思ったらね、とにかく正に臭いものにふたをしてきたんじゃないのか。それがあっちゃならないと思いますな、本当に。

【記者】関連なんですけれども、今回の問題を受けて、ずっと付近住民から臭い、臭いという話があったにもかかわらず、この問題について、都は昨日の会見で、住民説明会をする予定はないというふうに言っているんですが、その姿勢に対しては、知事はどういうふうに考えますか。

【知事】住民の方にじかに説明する、しないの問題というのは大した問題じゃないんじゃないでしょうかね、メディアが正確に報道してくれたら。要するにメディアを通じてですね、あなた方が正確な報道をしてくれたら、住民の方もわかっていただけるわけです。それよりもむしろ、つまり、これから何をするかということを説明しなかったら、住民の方に納得してもらえないんじゃないのかな。

【記者】日曜日に、いよいよ東京マラソンということで、今年も知事がスタートのピストルを撃たれるのかと思うんですか、前回大会までと比べれば、より十全な体制を敷いての大会運営ということになろうかと思いますが、ランナーに期待するところ等を教えていただけますでしようか。

【知事】まあ、さっきも並んで自分のタグというか番号をもらおうとしているランナーの方々と話してきたんだけど、無理をしないでもらいたいね。去年(一昨年)も2人倒れられてね、病院に運んで、亡くならずに済んだんだけどね。まあやっぱり、人によっては、人生を賭けての戦いだ、楽をしちゃいかんということでね。その日によって体のコンディションも違うだろうから。やっぱり無理をしないでくれと言ったんですがね。まあ、それを願うだけですね。天気もまあまあでしょう。

【記者】東京五輪招致も200日を切ったということで、それに向けての、今年は意味合いも強まると思うんですが、同時に今、国内では関心があるのは野球のWBCで、今この会見中も、日本がキューバと戦って…。

【知事】どうした?

【記者】まだ、4対0で勝っているのかな。

【知事】勝ってる?

【記者】8回か9回ぐらいでですね。国民のスポーツ熱という観点で言うと、これにも知事はご関心があるのか。それとも、野球をお嫌いなので、あまり…。

【知事】そんなことないですよ。野球も相撲も昔好きだったけど、だんだん嫌になってきたね。野球も間が長過ぎるよ。相撲はこの頃言語道断だな。渡部昇一さん(英語学者、評論家)が言ってたけど、「両国とはモンゴル、ロシアのことですか」と。出てくるのが半分以上外国人じゃね。うーん。

【記者】今回、日本チーム随分、前回優勝していますので、優勝候補とされているんですが、ライバルの韓国に1勝2敗ということですが、知事は、これまで試合はご覧になられてますか。

【知事】負けは負けだから、しょうがないじゃない、そりゃね。だけど、韓国も強くなったし、メジャーリーガーもいるしね、日本のリーグでやっている連中もたくさんいるからね。それはなかなか侮れませんよ。野球の好きな国民だし。

 それから、ついでにマラソンのことを言いますとね、いろいろ問題がまだありましてね。例えば、さっきも会場で言ったんだけども、何十万出してもいいからとにかく走らせてくれという人もいるんですよ。これはね、組織を法人化しませんとね、「それじゃね、あなた、プラスアルファ払ってくれるなら走らせますよ」ってね。例えば、何というのか、出走料は1万円だけど、仮に10万、20万出してくれても走りたいという人がいるなら、そのままありがたく頂いてね、残りの20万というか19万なりね、それはチャリティみたいなものに使うとかということはね、今の組織じゃできないんでね。

 やっぱりマラソンの主体者を法人化することで、ちゃんと監査も入れてですね、透明なものにする努力をするとね、そういう供給もできるんで。あと1,000人ぐらいはね。プラスアルファ払う人がいたら。高い順に頂いてだね、だんだん競り上がって100万でもいいという人がいるかもしらんから。そういう人には出してもらってだな、有効に使えるかなと思ってますけどね。

【記者】都と地域の金融機関が連携して実施する金融支援に関する条例について伺いたいんですが、きょう都議会の経済・港湾委員会があって、自民党、民主党、公明党の賛成で、この条例は可決されたんですけれども、ただ、ちょっとこの間の都議会の審議を振り返ってですね、各参加する金融機関の融資の実績だとか損失の補助ですね、都による。この情報が、都の産業労働局の答弁ではですね、経営情報に当たるので開示するつもりはないという…。

【知事】何に当たる?

【記者】開示するつもりがないと。

【知事】その前に、何に当たる?

【記者】経営情報ですね。

【知事】経営情報ね。はい。

【記者】競争上や事業運営上の影響などを考慮して、開示しないという答弁をしているんですけれども、新銀行東京をはじめとした特定の金融機関を排除する意図はないというのはわかるんですけれども、ただ、こういう情報を開示されなければ、都民としてはそういうことをちょっと検証することができないと思うんですけれども。

 ただ、もし、そういう特定の金融機関というものを排除するつもりがないということを明確にするのであれば、正々堂々とこういった情報を開示すべきじゃないかと思うんですけども、それについてちょっと知事のお考えを伺いたいんですが。

【知事】ちょっと僕、そこのところ専門的過ぎてよくわからないんですがね、何、融資をする銀行の経営状態というものを斟酌(しんしゃく)して、要するに、そこを通せということ?

【記者】この制度を活用して、各金融機関が中小零細企業に対して融資をしていくと思うんですよね。それはわかるんですけれども、実際にその金融機関がこの制度を活用して、融資をした実績だとか、あと、この条例では、その融資が焦げついた場合には、個別の融資に対して、都が損失を補助するという規定になっているんですけれども、そういう情報を産業労働局は、各銀行の経営情報に当たるので、開示しないというふうに言っているんですよね。

【知事】これは銀行法でね、例の新銀行東京の失敗の原因、責任について云々されてますがね、答弁の中に引用しているように、銀行法というものを見ればだね、その公益性からしてね、細々したアイテム(事項)について、株主はチェックできないんですよ。

 そういう意味でね、今度の条例の中でね、都庁の立場というのはどういうことになるのかな。しかし、金融という非常に公共性の強い事業の中でね、そういう制約があるのは事実だし、それを踏まえての答弁だと思いますけども。

【記者】じゃ、現状では、今、産業労働局が公式の見解として持っているように、開示するつもりはないということですか。

【知事】やっぱりその銀行法というのを踏まえての答弁だと思いますね、産業労働局は。

【記者】では、知事としてはその考えは尊重すると。

【知事】ああ、もちろんそうですよ。

【記者】豊洲の土壌汚染問題なんですけれども、東京ガスのほうで実務者協議に入っていくという話に今なっているようですけれども、知事のスタンスとしては、責任を東京ガスにどの範囲までをですね…。

【知事】それは、これからのネゴシエーション(交渉)でね、私がここで軽々に言えませんな。

【記者】前に裁判がありましてですね、これは川崎のほうでしたか、昨年9月の3日に土壌汚染の問題で、原因者がそのすべてを、除却費用を全額負担するというふうな判決が出ているんですけれども、そういうことを踏まえていきますと、知事のスタンスとしては、これから交渉ということではなくて、何かこういうふうにやっていくんだという基本スタンスとしては、どういうふうにお考えになっていますか。

【知事】それは、そういう判例が既にあるならね、やっぱりそれを踏まえてね、東京ガスと相談します。向こうもそれは承知しているでしょうから。ということです。

【記者】オリンピック招致の件でお伺いしますが、シカゴ招致委員会の最高経営責任者、CEOが交代をしたんですが、その件について、知事の所見が聞かれたらと思います。

【知事】それは、人のことはわからんよ。何でその人が辞めたかね。それがどう響いてくるかって、これからまた残された期間の中にね、いろんな駆け引きもあるでしょうし、それに対する評価もあるでしょうから、それが最終的に10月2日に、どうやって形で表れてくるか、これは神様しか知らないね。

【記者】確率としてはちょっと上がったと思うんですが。

【知事】いや、そんなこと聞いたってだめよ。

【記者】ああ、そうですか。

【知事】神様じゃないんだから。はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)