石原知事記者会見

平成21年3月5日更新

石原知事定例記者会見録

平成21(2009)年2月27日(金)
15:01〜15:12

知事冒頭発言

【知事】今日は、冒頭、申し上げることはございません。質問があったら、どうぞ。

質疑応答

【記者】都の監理団体の件でお伺いします。先日の本会議で知事は、都の道路整備保全公社について、徹底的に洗い直す必要があるとおっしゃっていましたが、そのほかの団体も含めて、さらに見直しを進めるご予定というのはあるんでしょうか。

【知事】いや、これはね、わかりません。どういう団体が、どういう状況なのかですね。何か起こった時に、一々報告を受けるやら、私、全部それを担当の副知事からも聞くこともないし。

 ただ、一昨日の質問はですね、あれだけの質問が、つまり、綿密に羅列されているのに、それは事前に聴取しているんでしょうけどね、私にはね、直前にですね、2〜3分のブリーフィング(報告)がありましてね。ゆえに、こういう返事をしてくださいという紙を渡されたんで。これはまあ何というのかな、私にはできないと思うんです。政治家としての責任があるしね。とにかく質問を聞いてからにしようと言ったら、あれだけ、まあ何というのか、具体的な事例を挙げてのあれですからね。彼が言っていることが正しいか正しくないかわかりませんよ。さっきもね、あれについてのブリーフィングを受けましたがね。

 例えば、あの公社(東京都道路整備保全公社)がですね、言ってみると赤字なのにと言うけども、納入金というのを事前に3億円ずつ入れているそうですからね。そういうものを差し引きするとですね、赤字という形にはならないんじゃないか。そんな問題もこれからもう一回私自身の目で見直してですね、疑義のあるところから、また人を使ってでも調査してですね、判断を下しますけども。

 前もね、就任して早々ね、今、味の素スタジアム(当時:東京スタジアム)になった、あのスタジアムね、作りましたけどね、採算とれそうもないんで損切りしますと言うから、で、判こを押してくださいと言うから、ちょっと待ってくれと。就任早々そう言われてもね、事情がわからんしね。資料を預けてくださいということで、1か月ぐらい預かって、私、私なりにいろんな専門家に聞きました。金融機関にも。で、これはね、どう考えても、石原さん、無理ですなということで、損切りに決めたんですけども。

 言われて右から左にね、役人の書いた答弁を繰り返すんじゃ、知事の意味はないんでね。めくら判を押すと同じですな。それは私、好ましくないからね。一昨日も、やりとり聞いてて、ちょっとこれはもう一回自分の目で見直そうということにしました。

 ただね、外部監査はね、かなりね、綿密にやってくれてますしね。どう言うんでしょうね、もう一回、あのときの当事者はなかなかしっかりした監査人でしたけども、その時とまたまた事情が違っているのかもしれませんが、いずれにしろ、もう一回私自身の目で精査します。

【記者】外環道について教えていただきたいと思います。議会でも質問が出ていましたが、外環道ができると、私も個人的に便利になるだろうということはわかるんですけれども、1兆6,000億円という事業費が出されていて、例えば、北陸新幹線もほぼ同じ額で長野から金沢まで引けてしまうわけですね。そうすると、わずか16キロに1兆6,000億円使うのかという、東京都以外の地方から見ると、怒りというか、ねたみの声が上がると思うんですけれども、知事はどうお考えですか。

【知事】それはね、あなたも記者ならね、もうちょっと科学的に物を考えてもらいたいんだな。どっちのプライオリティー(優先順位)が高いかってことは言いませんがね。やっぱりね、新幹線にしろ、道路にしろね、つまり、それに投ずる工費とね、その結果、上がってくる経済効果というのはあるわけですよ。これはやっぱりね、東京の交通量、そういったものを踏まえて考えればね、少なくとも、まあ新幹線と比較はしてないでしょうけども、道路に関して言ったらね、かかるコスト(費用)とベネフィット(便益)の対比の指数があるわけだ、ちゃんと。これは、今考えられている道路の中で日本で一番高いものですから。一番プライオリティーが高いと私は思いますよ。その点でね、額が同じだから云々で、新幹線に比べてわずか十何キロと言うけど、それは距離の問題じゃないんだ、君。

【記者】続きなんですけど、その1兆6,000億円、今後整備計画に上がりそうだという報道が幾つか出ていますけれども、そうすると、都がどれくらい負担するのかという具体的な金額もあらかた固まっていないといけないのかなと思うんですが、知事としてどれくらいまでなら出せると。

【知事】いやいや、そんなことよりも、それは国家の事業に対する地方の負担の方程式が決まっているわけですからね。精密な工費の予測が出てくれば、やっぱり都は都としての準備をしなくちゃいかんと思いますけれども。

 ただ、全体的に眺めてね、道路の問題でごたごたし過ぎててね。要するに、国交省(国土交通省)も何というか、予算を抱えててもおずおずしているからね、国幹会議(※)一つそのものが開けないというのはナンセンスな話でね。これはやっぱり党派の問題じゃなくて、国益というものを考えれば、進めるべき事業というのは進めなくちゃいけない。作るべきものは作っていかなくちゃいけないんでね。どういうんでしょうね、無駄な道路を作り過ぎちゃったために道路の余波が来てるけども、やっぱり私は有効性のある道路というのは優先して作っていかなきゃいかんと思いますよ。

※国土開発幹線自動車道建設会議:高速道路の建設などを審議する国土交通相の諮問機関

 かつて金丸(金丸信 元自由民主党副総裁)−小沢(小沢一郎 民主党代表)時代にはね、アメリカと約束して8年間に430兆使ったわけだ。それで、とにかく夜は動物しか通らないみたいな道路があちこちにできたけど、そんなものに比べりゃね、これは何も我がことだから言うわけじゃないけど、東京の外環道路というのは、当然、つまり首都として備えていくのが絶対必要条件でしょう。それが備わってこなかったのを、これを保証するというのは当然のことだと思いますよ。

【記者】都としては、数千億円の負担もできると。

【知事】それはそうですね、もちろん。それから上がった経済効果を見ればね、十分ペイするものと思います。国家全体にとって考えれば。

【記者】すみません。総務省所管の自治体国際化協会の分担金の問題についてお伺いしたいんですが、各自治体、政令指定都市からの分担金という形で集めたお金で運営されている自治体国際化協会という財団法人があるんですけれども、そこへの分担金の支払いを大阪府が拒否する意向を示したんですが、東京都の石原都知事はどのようにお考えでしょうか。

【知事】東京都にとっても要らないね、あんなものはね。人を送ってますけどね、3億円分担してるんですがね、あんなところの外務活動よりも、東京の外務部のほうがよっぽどいろんなことをやっているし、国際的に活躍してますよ。東京都にとっては全く不要です。

 ただね、地方のマイナーな自治体にとってみるとね、なかなかそこまで手が回らないとか、そういうものを依頼することがあるかもしれない。東京にとっては不要だね。

【記者】国庫分担金の削減などを求める?

【知事】私は要らないものは削ろうと思ってますな。はい。大阪も同じようなつもりなんじゃないのかな。

【記者】そうですね。天下りの理事長が5代続けて2,000万ぐらいの給料をもらっているという点と、あと余剰金が127億円ぐらいあるという点で、支払いを拒否するという強い意向も大阪府は示しているんですけれども。

【知事】結構だと思いますね。

【記者】東京都も拒否するという・・・

【知事】要らないものは、大阪のそういう指摘というのは東京都にとって多とするのでね、私はそんなものは要らないと思う。人を送ってますけどね、今後やっぱり考え直す必要があると思う。そういう小さなことから、直していかないとね、何というのかな、中央官僚の日本支配ってのは直っていかないよ。そんなものを私たちが汗水垂らして支える必要全くないので。

【記者】この財団法人自体必要ないと。

【知事】それはわかりません。東京にとっては不必要です。東京はもっとアクティブ(活発)に外交活動をしてますから。

【記者】東京都にとっては必要ないということ。

【知事】そうです。要らないものは切っていったらいいじゃない。必要とする地方自治体があったら、それに依存する以外にないんだろうね、それはやっぱり。

 東京は昔、ニューヨークとロンドンですか、パリですか、事務所を設けてたけど、そんなもの、私はつぶしましたよ。必要があったら、どんどん役人が出ていきゃいいんでね、事に応じて。そんなところへ7人も8人も常駐していることは、バカンス(休暇)か何か知らぬけどもね、全く意味ないね。議員の買い物のおつき合いばかりしてたってしょうがないんだもの。

【記者】その財団法人も海外に7つ事務所を持っているんですけれども、それも必要ないと。

【知事】いや、それはわかりません。だから、それに依存している地方自治体もあるんでしょう。それはそれなりにね、レゾンデートル(存在理由)があるかもしらんけど、東京都にとったら意味ないね。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)