石原知事記者会見

平成21年2月5日更新

石原知事定例記者会見録

平成21(2009)年1月30日(金)
15:00〜15:16

知事冒頭発言

【知事】冒頭申し上げることはございません。質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】合計特殊出生率の市区町村別というのが、今日、厚生労働省から出ておりまして、非常に不名誉というか、東京都がワースト10のうちの7個の市区町村が占めていて、30位にしても19個占めていて、トップが目黒区の0.7…。

【知事】何の?

【記者】合計特殊出生率です。女性が一生で産む。東京は、ある意味すごく少子化に貢献してしまっているという数字が出てしまっているのですが。

【知事】貢献はしていないでしょう、それは。結果としてそうなっているだけのことでね。まあ東京のようなまちにいるとね、すべて便利だしね。何というのかな、自分のアミューズメント(娯楽)にかなってくる条件がいろいろ整備されているし、まあ子供を作るよりもほかにすることがあるというのかね、そういう結果になっているんじゃないでしょうか。

 あのね、ちなみにね、小笠原へ行きましたね、去年だか一昨年ね、何周年記念かの行事で。パレードがあってね、子供がたくさんいるのよ、物すごくたくさん。小学校もね、保育園も中学校も満員でね。あそこの島の人口に比べたら、子供がたくさんいて、これはやっぱり眺めていてとても楽しかったけどね。まあ、その話を小笠原の人に、「よかったな」と言ったら、「いや、夜は何もすることがないからね」ということでしたがね。

【記者】話を変えて、ちょっと悪い見方をすると、東京は子供を産んで育てにくいという結果なのかなという見方もできると思うんですけども、直接的には国であったり、それぞれの区でやることかなと思いつつも、知事として何かこういう対策とかを考えていらっしゃいますか。

【知事】さあ、それは大変な問題だね。国がやっぱりね、国力というのは人口なんですよね。途上国を見てもそう思うけども。国力の維持、あるいは、より進展ということを考えたら、フランスは一時底をついたけども、いろいろなことをして盛り返してきました。ヨーロッパで一番出生率が高いのはフランスですってね。ですからね、それだけのことを一種の文明論として考えないと、国家の経営の戦略としても、うーん、東京だけが変えるというわけにいかないでしょうな、これはやっぱり。

【記者】五輪招致に関連してですけれども、都議会の民主党が、どうやら自民党サイドに対して、開催計画への反対というトーンを少し下げてくるといいましょうか、計画には一部異論があるけれども、議論にはもう取り上げないという形の話し合いがなされたように聞いておりますが、知事のほうに、都議会の民主党サイドか何か、そういった直接あるいは間接的なお話があったのかどうかと、民主党の対応についてのご感想を聞かせていただきたいのですが。

【知事】民主党の都議会のね、どういう人たちが異論を唱えているかよくわからないんですよ。それでね、この予算の要求の時かな、あれはね、政党に個々に会っている時だったけども。どうもね、オリンピックについていろいろ理解の不徹底とかね、そちらもいろいろ異論があるようだから、一回主な幹部の人たちと一緒に突っ込んだ話をしましょうよと言ったら、田中(良)幹事長がね、「いや、さしで話をしたい」「変なのがいると何か話が厄介になるから」と言ったら、横で「変なのとは何だ」と、こういうのがあったな。

 それでね、さしで会いましたがね。まあ言っていることは、かなり抽象的なことで、オリンピックは平和を掲げて行う祭典だから、日本の平和に対する願望のシンボル(象徴)は広島とか長崎なんで、競技を広島と長崎で分けてやったらどうだ。これはIOC(国際オリンピック委員会)の、できるだけコンパクトな、選手・関係者の移動に時間のかからないものをよしとするという、かなり強い条件の要求にもとりますな。だから、ほかのことは考えてもできますねと。まあ、せめてね、人気の高い、ある種の競技はどこかでやるということも。しかしこれはIOCに言ったら、ノーでした。

 それから、霞ヶ丘にあるあの(国立霞ヶ丘)競技場を使わないのはもったいないじゃないかと言うから、これも前から言っていることだけど、IOCの絶対ルールで、10トラックあってね、横にかなりのサブトラックもあって、それから10万人以上の観客が収容できないようなことでは困ると。あれはもう物理的に無理なんです。横の公園をつぶしてもなお、非常に地権の問題もあって。だからですね、東京も、まあ財政の余裕もあるから、積み立てをして、せっかく埋め立てたあの埋立地に、潮の香のする新しいスタジアムを作ろうということなんでね。

 その時申し上げましたがね。何だか知らんけど、それでどう納得できたのかできないのかわからないが、何か私に言ったのと同じ文書を小沢代表(小沢一郎 民主党代表)に出したようですよ。それを頒布されたから私も読みましたがね。

 僕は、別の機会に、各党そろったところで予算に対する説明をした。その時に、あえて民主党のその他の諸君も呼びとめてね。何でこんなものをこのごろ出すんですかと。あなたはちょっとおかしいんじゃないかと言いましたな。それ以上のことを言わないけど。

 あの人は自分で物を決められないんじゃないかね。どうもそんな感じがしますな。あえて言うとね、例の400億の追資の時もね、間を取り持った自民党のある有力議員が言った。「ボールを投げるから受けてくれ」、「どんなボールだ」と聞いたら、「石原が小沢のところに行って、この説明をしろ」と。そんなことできるわけない、私に。一体何のためにですね、都の民主党なるものがあるんですか。その沽券(こけん)というのはないんですか、あるんですか。その幹事長のプライドだってあるでしょう。まあちょっとね、これは都の民主党全体の問題ではなしに、かなり個人的な問題だと思うけども、都としてははた迷惑だね、ああいう考え方は。民主党全体が困っているんじゃないですか。

【記者】その関係で、昨日ですとか一昨日ですとかに民主党サイドから何か知事のほうにはお話があったのでしょうか。

【知事】ありません。

【記者】特にないですか。

【知事】近々に、今日も河野議長(河野洋平 衆議院議長)に会ってきましたけども、まあ衆議院の決議、近々あるいは今日とか明日ですか、やってもらえそうなんだけども、まあその時に、昔の知己だから話してきましたが、「民主党が何でこの問題でね、つまり対立しているのかわからん」と言ったけども、私もわからんですな。

 国民の過半というか、ようやく70%を超した人たちが、やろうじゃないか、まして、この低迷している時期に、大きな、何というのかな希望を象徴するオリンピックだから。民主党はそれ、何か政局のための小道具として考えているんだったら、明らかに間違いだと思うしね。こんな問題をね、政局の小道具に使うことはないよ。国民、それ許さんと思いますよ。何のための反対かさっぱりわからない。こっちは道理を尽くして、2回、3回、4回、説明しているんだから。

【記者】築地市場のことでお聞きしたいんですが、豊洲の土壌から高濃度の発がん性物質が検出されていながら、都が数値を公表していなかったことが明らかになりましたけれども。

【知事】あなたの質問の仕方もね、癖があるんだね。そういう文章の構成って、考えたほうがいいよ。「していながら」というのはどういうことなんですか。隠したってこと?隠してませんよ。

 そういう報告は、順次、遅れてきたんでですね、委員会をやっている時に、それに対する報告は遅れたけど。しかもこれは、何というのかな、法律で決められた環境保全の、今度の要するに移転のために、これだけのものをしっかり調べろという対象にない汚染物質が出てきた。これはですね、ある意味で非常に簡単に除去できるし、汚染解消できるんでね。

 ですから、当然9月の段階でその報告が遅れてきた時には、委員に話しましたし、委員が「ああ、こんなものはわかった。それは簡単に今までの方法で除去できます」と言っているんでね。そういう全体の報告をね、聞いてから物を言ってほしいな。何かね、とにかく今の君のレトリック(修辞)だと、都は殊さらこの問題隠しているように疑われるけど、またこれ変な風評被害を併発するんだよ。

【記者】新銀行東京についてお尋ねします。26日に金融庁の改善命令を受けて、改善計画を提出いたしました。内部監査の強化や顧客管理の充実が柱でありましたが、この報告の内容について、知事のご見解と再建計画に対する効果、影響をお感じになるところがあれば教えてください。

【知事】勧告のとおりだと思います。それに沿って十全の努力をいたします。しつつあります。従来も同じことをやってきました。

【記者】今の質問に絡んでなんですけれども、新銀行が出してきた改善計画の中で、筆頭、一番最初に触れられたのが、取締役会の機能不全に対する対応だったんですけれども、都側なり新銀行側が、これまで取締役会の責任というのはあまり追及してこなかった。けれども、今回の改善計画の中に、しかも筆頭に出されてきたということは、やはり取締役会にもある程度の責任があったのではないかという見方もできるんですが、知事はどう考えられますか。

【知事】それはそうでしょうね。当然のことだと思いますよ。前もさんざん、あなたも傍聴したかどうかしらんけども、予算委員会で言ってきたけど、銀行は大中小あるかもしれない。銀行っていう公の機関ですから、つかさつかさに責任があるわけね。

 まず何といったって、銀行の業績というものを左右するのは経営陣でしょう。この経営陣に責任がある。その経営陣、しかも、そのトップを選んだ取締役会にも、当然次の責任ありますよ。それで、その監督が不行き届きだったら、経過を聞いてですね、やっぱりこれに督促なり何をするですな、株主のですね。しかも、その中で東京都は筆頭大株主ですから、それは東京都の株主としての責任は当然ありますけどね。物事は段階があるわけだから。それを考えてやっぱりさ、1つのセクターの機能論として物を言ってもらいたいね。

【記者】つまり、今もって、やはり執行役、旧経営陣である執行役の責任が一番大きいだろうという知事の考えは変わらないと。

【知事】それはそうでしょう、あなた。経営するのは経営陣じゃないですか。それを監督するのが取締役会じゃないですか。その結果を踏まえてね、それで、株主に報告をする、意見を申し述べるのが取締役の仕事じゃないですか。それはつかさつかさにそれぞれの責任があるわけで、それが全部機能して企業ってうまくいくんでだね、一部の問題じゃないでしょう、それ。当然取締役会の責任あると思いますよ。株主にも責任があると。

 提唱者の私にも責任あると思うけども、しかしまあ、取締役会の立場で言うとね、まああのね、代がかわって2代目(森田徹 前新銀行東京代表執行役)がすぐやめられたけど、あの金融の専門家、一時責任者になられたが、この人が青ざめて報告した。聞いたけども、「報告そのものに粉飾あります」ということでしたね。そのディティール(詳細)はつまびらかにしてませんけどね。やっぱりそれをね、取締役会に粉飾した報告をするというのは、これはあったとしたら、やっぱり経営陣の責任になるでしょうな。そういうもの、段階段階で追及していかないと、物事の合理化ってできないのよ。

【記者】1つ、築地移転の問題のなんですが、これが土壌汚染ということになりますと、東京ガス、東京電力などへの責任の問題はどういうふうになるんでしょうか。

【知事】これはあるでしょうね。これをどういうふうにとっていくかね。べらぼうな金かからずに、半額近いことで汚染の解消できる。その会議を持ったのでよかったんですがね。

 ただ、やっぱり額が1,000億じゃなしに半分近くなったというんで、それで東京ガスの責任が払拭されるものでもないと思うし。私たちは何とか、どの程度、何を信じて買ったのか知らんけども、あれほどひどい土壌汚染の状況というのは、都側も知らなかったと思いますからね。その時点に立ち戻って、ある、何というんでしょうかね、コンペンセーション、弁償というんでしょうか、そういったものは、その責任はそういう形で果たしてもらうべきだと私は思いますけど。常識的に。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)