石原知事記者会見

平成20年9月25日更新

石原知事定例記者会見録

平成20(2008)年9月19日(金)
14:58〜15:14

知事冒頭発言

1.2016年オリンピック・パラリンピック開催都市決定1年前イベントについて

【知事】冒頭、2つほど申し上げます。

 2016年オリンピック・パラリンピックの開催都市決定1年前の10月2日に、この節目となる日に、国内の招致気運を盛り上げるために、東京ミッドタウンを会場に北京オリンピック、パラリンピックのメダリストの皆さんとともにトークイベントを開催いたします。

 出演していただくのはフェンシングの銀メダリストの太田雄貴選手や、金メダルを獲得した女子ソフトボールのメンバー、パラリンピックの選手などを予定しております。

 あわせて、先日発表しましたAKB48(エーケイビー・フォーティーエイト)による「TOKYO体操」も披露します。このイベントを契機にメダリスト始め多くの皆さんに積極的な参加と協力をお願いして、全国の招致気運をさらに盛り上げていきたいと思っております。

2.東京丸の内ストリートスタジアム開催について

【知事】次はですね、東京の丸の内ストリートスタジアム。これは去年もやりましたけどね、やっぱりあのビル街の中でね、仮設のあれですけど、棒高跳びをやったり、走り幅跳びをしたりするとね、なかなか思いがけない印象の効果がありましてね。あの高いビルの下で跳んでと思うけど、実は棒高跳びなんか非常に迫力があったそうですが、同じ10月12日の日曜日にですね、東京駅前の丸の内側で、東京丸の内ストリートスタジアムを開催します。

 昨年5月開催の、東京ストリート陸上を拡大しましてね、陸上競技に加えて、体操、フェンシング、サッカーなど、種目拡大を図ります。トップアスリートの競技の迫力をですね、目の前で感じることができるほか、アスリートと一緒にスポーツも体験できるコーナーを併設するなど、都民参加型のスポーツイベントにいたします。

 こうした取組みを通じてですね、2016年のオリンピック、パラリンピック東京招致に向けて、スポーツムーブメントの創出を図っていきたいと思っています。まあ多くの皆さんのご来場をお待ちしております。

 私から申し上げることは以上であります。質問があったら、どうぞ。

質疑応答

【記者】来週の25日に横田基地の空域が一部返還されます。昨日、知事も所信表明の中で触れていましたが、この一部空域返還というのが今後、知事が常々おっしゃっています共用化に向けてどのような意義があると思われますか。

【知事】いや、それは、その空港の機能というのは管制塔があってですね、コントロールしているからはじめて事故が起こらずに済んでいる訳ですからね。空港というものの存在というものを、管制空域を規定している訳ですよ。だから、今までね、一切飛べない空域ね、例えばヨーロッパから北極経由で帰ってきて、ロシア領から日本海に出る、それで日本列島を横断してもね、真っすぐ羽田や成田に帰ってこれなかったんだから、一回太平洋に出て迂回しないと。特にですね、一番交通量の多い大阪、あるいは九州、韓国に向けてのルートというのは時間的に短縮される訳ですから、そういったものをですね、何というのかな、石を1つずつ積み上げていくみたいにね、やっていくことで、横田の共同使用につながると思う。やがては返還すべきだと思うし。

 ただ、こちらの問題の提起の仕方というか、あれだけがらがらでね、使っていない土地があるんだから、中も使わせろと言ったら、これはやっぱり兵隊は嫌がるんだね、軍隊というのはね。あいつらはあそこを占領しているつもりでいる訳だからね。だから、ちょっとウイン・ウイン(両者に利益のある)という形でね、外側のアクセスの整備も含めて、反対側にある空き地といいましょうか、公有地がありますから、そういったものを活用するような形でオファー(提案)し直していこうと思っていますけど、向こうも政権がこれからかわるのでね。今、何を言ってもエコー(反響)が返ってこないので、ちょっと時間待ちだと思いますけど、とりあえず空域が返ってきたことが、ささやかだけど一歩前進だと思います。

【記者】今日は農林水産大臣の太田(誠一)大臣が辞任をし、そして総理大臣もそれを受けたということで、一つの判断ではあるかもしれません。しかし、それで問題が片付くということでもないし、こうした食に対する裏切りみたいな形のこの動きの中で、今後どういうふうにすべきか。あるいはもっと本来の日本人というのは、きちんとしていたはずだという…。

【知事】そう。

【記者】お考えがあろうかと思いますので、ひとつお願いします。

【知事】まずね、太田君の辞任は仕方ないでしょうし、ただ、やってきたばかりの大臣じゃないんだ、本当は、ずっとやっていた次官以下、責任者が辞めたらいいんだよ。何というのかな、一番上の大臣が辞めたことで、役人たちに示しがつくかったら、つきやしないからこういうことになってきたんだし、それは厚労省だって同じことじゃないですか。

 ですから、いろんな手抜かりがあったと思いますよ、それは。それを総ざらいしないとね。これはやっぱりウルグアイラウンドの協定でね、あるパーセンテージ、外国からお米を買わなくちゃいけない。その買い方にも問題があったと思うし、その際の事故米の綿密なチェックが効いたかといったら、これも非常に杜撰(ずさん)なものでね、米の袋に、選んで何か突っ込んで、取り出したものを調べるだけだった訳でしょう。

 その結果も、これが汚染されている、工業用にしか使えないお米だという発表があったのが、こんなになって初めて聞いた訳ですからね。それは流通を通じてお米を原材料として入れて、いろんなものに加工して製品をつくっている人たちも、全くそういう実態と知らずに、言われるままに買っていた訳ですからね。

 片っ方では、そういう事故米、とにかく食べることのできないお米が実は多量に入れられているんだという認識があれば、これまた買い入れるときに、おそらく安く買ったんでしょう、ほかよりは、そのときにね、やっぱり当事者だって調べたりする、何というのかな、そういう警戒心とか危機感みたいなのを持っただろうけど、全然そういう実態が知らされずに、本当に二重三重の構造の中で、ロンダリング(合法化)というんでしょうか、イメージとして選択されて、結果は、とにかく数十倍の値段として普通のお米として売られるというのは、これはやっぱり買わされたほうも気の毒だと思いますよ。

 まして、これを知らずに、口にしていた消費者ってのは、本当に、事故が起こってないからいいけども、しかし、多量ではないにしても、少ない量かもしれませんが、異物が体に入っている訳ですからね、これはやっぱり見逃すことができないと思いますね。

【記者】今の事故米のことなんですけれども、農水省は、最初、業者の名前を発表して、それから後で一部取り消しのような形になって出てきた訳なんですけれども、こういう対応というのは、どういうところに問題があると考えますでしょうか。

【知事】それは、彼らはやっぱりウルグアイラウンドの規制の中での一方的な米の輸入の義務というんでしょうか、国際的な、そういうものを踏まえて、しかも、非常に杜撰な管理の下で、そういったものが入ってきたということは、知ってた訳でしょうから、こういう事故が起こってみて、責任は非常に感じたと思いますよ、当然。やっぱり役人の通弊(つうへい)で最初それを糊塗(こと)しようとする、言い逃れしようとする、そういう形で行ったり来たりしたんじゃないですか。私、そう思いますね。

 この問題についてね、農水省が責任感じていないって、とんでもない話だ。太田君じゃないよ、これはやっぱり。昨日、一昨日やってきた大臣じゃない。ずっとこういう習慣を続けて、こういう中で輸入米の管理をしてきた農水省に決定的な責任があるからね、これ。昔ならこんな形で済んでいなかったと思うね。

【記者】金融不安の件、教えてください。

【知事】これ、あなたのほうが詳しいだろう。おれ、そんな金融の専門家じゃないよ。

【記者】知事のお考えを。地価も、土地の値段も伸び悩んでいるというか、ミニバブルがはじけたということなんですけど。東京都は、外資系金融機関からの税収も結構あると聞いたことがあるんですけれども、東京都政への影響というのはいかがなんでしょか。

【知事】今のところ、それは別に感じていませんし、外資系の会社からのどういう法人税の収入があったか、そのポジションについてはまだ詳しく知りません、私。こういう事態がもっと深刻になれば、そういう報告もあるでしょうけど、今のところはそういう問題についての、まあそれはおいおいわかってくることでしょう、調べれば。

【記者】全国学力テストの結果について、各知事が結果を学力伸長のために公表すべきだ、いや、すべきでないという意見に二分されていますが、知事はどのようにお考えでしょうか。

【知事】当然、発表すべきだろうね。ただね、やっぱり東京の平均値について言うと、東京は非常に優秀な私学が多いんですよ。それでね、これは確かに授業料が高いけど、余裕のある家庭は公立を嫌ってね、昔とは逆に私立に子供を通わせる。その私立の水準というのは明らかに公立より高いから、親たちがそこへ高い授業料を払って行かしているんでね。そういったものを全部対象にしませんと、東京の中学生、高校生−−小学生、中学生ですか、その年代の子供たちの水準っていうのは割り出されてこないと思いますね。

 やっぱりこういうものをきちっと報告することで、公立の学校の先生も発奮しなきゃだめだよ、そりゃ。何たって数が多いんだから。

【記者】学校関連でちょっとお伺いしたいと思います。保護者が学校側に理不尽な要求を繰り返すという問題の実態調査が東京都で行われたんですが、都内の公立学校でも1割程度がそういう問題を抱えているという結果が出ました。このことについて知事の所見をお伺いします。

【知事】学校に対する信頼感、あるいは教育に関する価値観みたいなのが違ってきましたからね。昔はあり得なかった父兄が増えてね。それじゃ、その父兄がモンスターペアレンツ(学校に対して自己中心的で理不尽な要求を繰り返す保護者)と言われながら、そういう、我々から見ると理不尽な要求を突きつける、その代行として、親たちがそれなりに責任を果たしているかといったら、していない訳だ。

 うちは子供が風邪引いて休んでいるけど、給食費を払っているんだから、給食、家まで持ってこい、そういうバカな親がまかり通る世の中ってのは、どこか狂っていると思いますよ。そういう親たちにだれが何を諭すかってことは難しい問題でね、それはやっぱり東京都の教育委員会なんかがしっかりしなきゃだめだね。

【記者】教育委員会も今、専門家の医師なんかを派遣するような。

【知事】医師?専門家の医者?

【記者】そうですね。医師とか弁護士を派遣するということを検討しているみたいなんですが、知事としてはどのような対応策が望ましいと考えていらっしゃいますか。

【知事】やっぱりそういう手立てを尽くして先生を守らなきゃいけないと思いますよ、それは。親の言っていることが理不尽なんだから。昔は厳しい先生に感謝したもんだ。今じゃ逆なんだ。自分たちが子供を家庭でいじめているか、いじめていないか知らないけどね、厳しくしつけられたら、自分がしないしつけを先生がしてくれるのをいじめととるみたいなバカな親がたくさん増えた。その親そのものがくだらん曲がった教育で育ってきたから、こんなことになったんだよ。

 やっぱりそういうものについて、日本は基軸にある価値観ってものをもう一回反省しないとね、この社会、もたないね。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)