石原知事記者会見

平成20年6月12日更新

石原知事定例記者会見録

平成20(2008)年6月6日(金)
15:18〜15:28

知事冒頭発言

【知事】私から今日は冒頭申し上げることはございません。質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】知事、先日のテレビ出演の中で、テレビに出演された中で、北京五輪の出席について、繰り返しになりますけれども、現地では祭りで皆さんかなり忙しいはずだというような発言をされていましたけれども、仮に北京に行かれた場合は、要人と会う予定とかは知事の頭の中に…。

【知事】ありません。それはやっぱりこちらもオリンピックの主催にアプライ(立候補)して、これから本質的に競争が始まる訳ですから、「他山の石」を参考にするために、まず出席して、特に開会式を眺めることが主目的ですから。

【記者】だとすると、開会式に出席して、その日のうちに帰ってくるという判断になるんですか。

【知事】いやあ、ちょっとわかりません、向こうに行ってみなければ。

【記者】わかりました。

【記者】今日はサマータイムについて伺いたいんですが、ちょっと先週あたりから、政府や財界から、サマータイムの導入で、地球温暖化対策ということで推進する声が非常に高まっているんですが、知事は、サマータイム導入については、どのようにお考えですか。

【知事】もうとっくに昔はやっていましたから、日本はね。当然やるべきだと思いますね。私もヨットレースで行ったりすると、夏、太平洋デイライト・セービングタイムとか、あるいはオーストラリアなんかでも、オーストラリア・デイライト・セービングって、夏時間、やっていますよ。日本が何でこれをやれなくなったかというと、成田なんだ、これ、成田。成田の住民闘争などでいろいろトラブルがあって、開港も随分おくれたけども、政府も随分気兼ねしましてね。結局あの飛行場は10時までしか使用しない、騒音の対策のために、ということになったんだけどね。これはやっぱり周辺の方々に、地球規模の大きな問題が起こっているんだから我慢してもらって、11時まであけるということをしませんとね、やってくる飛行機が非常に混乱するのと、いたずらに日本に来る前にそこで1泊して飛び直してくるということになりますからね、非常に無駄なんですよ。これはこの間も関東知事会でその話をしました。神奈川県の知事が事情を知らずに、「やれ、やれ」と言うから、やるのは当たり前なんだけど、「成田の問題なんだ」と言ったら、堂本さん(堂本暁子 千葉県知事)も、「これは私もよく承知していますから、航空需要に関して千葉県は積極的に話に応じる姿勢があります」ということを、私にも言っておられたんでね、これは多分実現するでしょう。また、しなくちゃいけないと思いますな。はい。

【記者】積極的に、今後、知事のほうからも何か推進するような…。

【知事】いや、それは、あとは政府が言ったらいいことですよ。地球規模の問題なんだから。

【記者】オリンピック招致の関連で、IOC(国際オリンピック委員会)の評価で、国民の支持率が59%と、最下位という評価だったんですが、知事の実感として、こんなに支持率が低いなと思うことってありましたか。ありますか、今も。

【知事】思ってましたね。だいたい日本人の人情というのか、特に東京の人のメンタリティーってのは非常にぜいたくになっているからね。やるならやれ、見に行ってやるよというようなとこがあってね、むしろ東京以外の地方の人たちの支持率が高い。これはやっぱり残念なことですよね。みんな他人事と思って、自分はシラっと眺めている、肩越しに。やっぱり国民全体のお祭りなんだから、町でいろいろ夏祭り、これから始まるけどさ、おみこしを担いでいくときに、やっぱりおれは知らんと言って家の中でテレビを見ているのは。町内を練り歩くのを、出て、拍手もして見送るのがお互いの人情ってものじゃないのかな。

 これは一部のメディアなんか、国民がそっぽなんて書いた。そっぽじゃないんだ、これは。そういう足の引っ張り方をするなよ、本当に。本当に腹立たしいね。同じ日本人がやろうとしていることじゃないか。

 しかも、技術的にはやっぱり最高の点がついたということは、東京だけでなしに、首都圏全体がやっている環境の行政なんかでも評価を受けたってことでしょう。それから、東京が従来やってきている、世界中にこんなきれいな水はないんだ、水道の水ってのは。だから、「東京水」といって、同じボトルでも安く売っているんで、飛ぶように売れていますよ。こういうものをみんなそれぞれ努力して、いただいている税金を有効に使いながらやってきた所産なんだから、やっぱり総体的に眺めて、満足して評価してもらいたい。

 そういうものの上に東京の評価ができてるんでね、オリンピックやるなら勝手にやれっていうもんじゃないと思うんだな。その連中が、オリンピックが開催したら、テレビを見ない訳じゃないでしょう。

 メディアも、国民がそっぽって、そっぽじゃないよ、これは。みんな関心を持って見ているんだ。ただ、どうやって手をかそうかなということで、そこのところは、あまりここで言いたくありませんがね。これから機運が高まったら、必ずそれはやっぱり東京の人も、日本人も、みんなでやろうってことになりますよ。僕は、そういう意味で日本人を信じている。メディアはあまり信じていないけどな。

【記者】メトロ副都心線がこのたび開通する訳ですけれども、新宿、渋谷、池袋が直結される訳なんですけれども、ここの成り立ちからいくと、商業文化圏というものが、東京は丸の内、銀座のほうと、新宿、渋谷、池袋の山手軸と、何か2つの2極に今後東京は流れていくんではないかと思うんですが、知事のご認識はどうなんでしょうか。

【知事】おっしゃる通りの可能性はあると思いますが、しかしその2極そのもの、そんなに離れてませんからね。ですから、東京の盛り場って非常にコンパクトな形でますます集約されていくというような気がしますけども。この山手軸に限って言うとだね、やっぱり池袋とか新宿、渋谷、それぞれ違った性格を持ってますよね。まあ池袋にちょっと聞いたらね、渋谷が随分盛んだと思わないけど、なんかあそこに竹下通り、いろいろあるわね。来ているのは地方の人だ、これ。週末に集まっている若い人を見ると。全部地方の人ですよ、声かけてみても。そうすると、やっぱりね、若い人の繁華街は、池袋に幾ばくないでもないけども、だんだん渋谷に移っているんじゃないかという、そういう懸念を抱く人も池袋にいましたがね。

 しかし、いずれにしても代表的なスポットですから、池袋も新宿も渋谷も。これが非常にコンパクトに結ばれるということは、とてもいいことだと思いますよ。新宿じゃなかったら渋谷に行ってみようとか、渋谷になかったら池袋に行ってみようとかね。そういう点ではとても代表的な3つの盛り場が簡単に結ばれるということは、都会の便宜性というのがもっと増える訳だから、私は3極にとっても好ましいことだと思いますけども。

【記者】今週の月曜日、2日なんですが、新銀行東京が、今年3月期決算を発表したんですが、累積損失が結局1,016億円ということで、まあこれは見込み通りだったんですけれども、ただこれについて、資本金など減資をするという方針を明らかにされたんですが、東京都として、減資に対する姿勢というのはどうお考えなんでしょうか。

【知事】これはまあね、再建のための一里塚だと思いますがね。これは正式には6月末の株主総会で決まることですから、今ここで具体的に言及は避けさせていただきたいと思います。

【記者】減資を実施したとなると、都の出資金ですね、これが850億くらい、現実に毀損するということになるんですけども、その責任についてはどうお考えになっていますか。

【知事】毀損といいますかね、やっぱり身軽になってね、そのかわり、かかってくる税金が軽減される訳ですから、要するにぜい肉を、とにかく落として身軽になって、もう一回力をつけようということですからね。私は、どこの企業でもピンチになったときにやる1つの政策だと思いますし、まだ正式に決まった訳ではありませんが、株主総会で報告されたときに、是非の意思表示をしようと思っています。はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)