石原知事記者会見

平成20年2月14日更新

石原知事定例記者会見録

平成20(2008)年2月8日(金)
15:01〜15:14

知事冒頭発言

1.中国産冷凍ギョーザによる健康被害について

【知事】冒頭、私から2つ申し上げることがあります。

 1つは、例の中国産の冷凍ギョーザによる健康被害についてですけども、ギョーザ自体やですね、袋の内外から薬物が検出されておりますけども、依然として原因は明らかではありませんな。日中が協力してですね、早期に原因を究明してもらいたいと思います。

 今回の事件に関して、都は、事件発生後、速やかに、問題のあった工場で製造された商品の撤去を指示しまして、緊急に農薬検査を実施いたしました。また、直ちに保健所に相談窓口を設置もしました。

 昨年、輸入食品の不安が高まった際に、緊急検査や検査機器の整備を行いましたが、今回も冷凍加工食品について、外袋も含めて集中的に農薬の検査を行うように、急ぎ指示をいたしました。

 さらに、神奈川県、千葉県など隣接する5都県10市の自治体に、今回のような特異な健康被害についても速やかに情報を提供しあうことを提案して、連携強化を図ってまいりました。

 輸入食品の安全性の確保は、通関時の検査が決め手でありまして、国に対してですね、輸入加工食品の農薬検査など、検疫の強化を提案、要求してまいります。

 警察を含めた関係機関との連携の強化とあわせて、原産地など食品表示の問題についても関係局で検討を始めるように指示いたしました。

 食品全体の安全の確保に努めて、都民の不安を払拭していきたいと思っていますが、外国から輸入される食品の、何というんでしょうね、原産地表示がですね、よくわからない規定がありましてね、商品の重さの50%以上を占める部分についての原産地表示の規定はあるようですけども、それ以下だとですね、しなくていいようなことになっているみたいですが、これはやっぱりね、東京はやっぱり日本で最大の消費地ですから、国がこれからどういう規定を設けるか知りませんけども、先んじて条例ででもね、原産地の表示というものをすべてに及ぶような形でするという指導というんでしょうか、そういった規定も積極的に考えていきたいと思っています。

2.東京マラソン2008について

【知事】次いで、今年の東京マラソンでありますけども、今回で2回目の大会となりますが、いよいよこれが2月17日に開催されます。今回はランナーの申し込み数が15万人を超えまして、市民ランナーとしてもですね、多くのランナーが楽しみにする大会と、ますますなってきました。

 一方、この東京マラソンは、北京の五輪代表選手選考会も兼ねているようで、男子マラソンは日本の代表枠を競う注目のレースとなると思います。

 主催者としては、前回の大会の経験を踏まえまして、トイレの数は1.5倍、バナナは前回の倍という準備をしておりまして、大幅に改善を図っていますが、いずれにしろ、ランナーがより気持ちよく、より楽しく参加できる環境を整えていきたいと思っています。

 同時に、ランナー応援イベントとしてですね、都内各所で開催する「東京大マラソン祭り2008」では、今回、イベント会場を14カ所から26カ所に倍増しました。地元の方々や小中高校生など約5000人の参加を得て、大会を盛り上げていくつもりであります。

 また、大会に先立ち、来週14日から3日間、東京ビッグサイトで「東京マラソンEXPO」を開催いたします。ここではランナーの受付も行いますけど、その際、全ランナーにオリンピックカラーの5色の靴ひもを配布するなど、まさに2016年五輪の招致機運も高めていきたいと思います。皆さんも、その沿道やイベント会場に足を運んでいただきましてね、ランナーやボランティア、観客の皆さんが一体となって、東京が1つになる日を、ぜひ体感していただきたいと思っております。

 私から申し上げることは以上です。質問があったら、どうぞ。

質疑応答

【記者】先ほど大阪の橋下(徹)府知事とお会いになって、橋下知事のほうは非常に勉強になったと興奮気味に会見で話されていましたが、どんな話をされたのか、教えていただけますか。

【知事】これはめったに言えないな。特に役人に筒抜けになるようなことは言えないね。8年間、私もそれなりに勉強してきましたからね。まあ、あれですね、うん。

【記者】行政の話もされたと思うんですが、それ以外にも人生訓のような話も。

【知事】えっ?

【記者】人生訓のような話をしたようなことをおっしゃっていたんですが、少しだけでも教えていただければ。

【知事】いやいやいや。別にそんな高等な話はしなかったね。やっぱりあれですね、行政の最高指導者になる訳だ、大阪において。やっぱりね、私の今までの大いに苦い経験からしましてね、いろいろいささかの先輩として、忠告というか建言いたしましたけれども、ちょっと早くも騙されていることがあるね、あの人は。

【記者】30代で、若い府知事が誕生した訳ですが、どういった印象を持たれましたか。

【知事】それはね、官僚出身の県知事とかね学者出身の知事はだめだよ。官僚は自分の発想をできないしね。結局何というのか、昔の古巣に気兼ねするしだね。だってそうじゃないですかね。東京の首都圏で成功した大気汚染対策が、何で大阪でやらないの。あれは、結局前の知事、通産出だからね、やっぱりそういう役所に気兼ねして、経済界が嫌がること言えないんでしょう。

 それから、やっぱり学者さんはだめだね。これはバイラテラル(相互の)で、自分の方法論しか知らないからね。やっぱり弁護士だから、あの人ね。昨日は原告の弁護したら、今日は被告の弁護士だし、加害者、被害者、所変えたりすることある訳だからね、その担当する仕事。やっぱりね、融通無碍(ゆうずうむげ)というかな、臨機応変というか、跳躍力のある発想の転換がどんどんきくような、そういう人じゃないとね。

 言ったんですけどね、一つだけ。これ国もそうだし、東京都もそうだけど、お役人はね、自分たちの、要するに特性は、コンティニュイティ(継続性)とコンシステンシー(一貫性)と言うんだよ。継続性と安定。そんなものに固執してたら、世の中ちっとも新しいものできないよ。現にそうじゃないですかね。

 ということを申し上げましてね。あとはね、ちょっと言えないな。橋下さんからじかに聞いて。

【記者】非常に期待しているという受けとめ方で。

【知事】ああ、期待してますね。今まで弁護士の県知事さんて、めったにいなかったんじゃないかな。僕はね、中曽根さん(中曽根康弘 元内閣総理大臣)からね、知事になったときに、前にも話したと思うけど、非常に大事な5カ条ぐらいの、何というんでしょうね、忠告を得ましたがね、それをそのまま伝達しましたよ。

【記者】橋下府知事は、例えば校庭の芝生化でありますとか、先日も、大阪の知事公舎も売却の方向でというような、石原知事のほうでいろいろやられたことをトレースする(たどる)ようなところもあるようなんですが、その辺はいかがでしょうか。

【知事】僕とか彼のかかわりに限らず、私だって、人がやっていいことはどんどんまねしてますから。いいんじゃないですか、それは。やっぱりあそこは財政的にピンチだしね。それはやっぱり人間は減らしたほうがいいし、歳費(歳出)は削減したほうがいいよと。猛烈に反対する組合もあるらしいけど、あそこは。

【記者】先ほどの橋下府知事が、一晩か二晩また練って、またお伺いしたいというようなこともおっしゃっていたんですが。

【知事】あのね、途中から猪瀬さん(猪瀬直樹 東京都副知事)も加わってくれたけども、まあ、我々何というのかな、それぞれの経験とか踏まえてね、猪瀬さんは国の仕事もしてきたし、役人相手に悪戦苦闘もしてきたけれども。もっとゆっくりね、要するにご飯でも食べながら、ゆっくりいろんな話をしたいですね。

 また、今日語り尽くせなかったこともありますし、彼だって、それからもう少し経験積めば、それを通じて新しい質問とか、愚痴もあるだろうし、抱負もあるだろうから、いささかの先輩としてそれを聞いて、彼のためになればいいなと思いますけども。非常に期待しています、僕。

【記者】君が代の起立を巡って、昨日裁判の判決が出て、不起立の行為自体が、再雇用してはいけないというほどのことではないということで賠償額の…。

【知事】その話はさっき教育長から報告が来ました。私は、教育委員会の姿勢は間違っていないと思いますし、上告(控訴)することに賛成であります。

【記者】ハンドボールの関係なんですけれども、鎮静化を図るためか、アハマド会長がアジアオリンピック評議会の会長名で、アジア・オリンピック評議会と日本オリンピック委員会、招致委員会の関係は極めて良好で、ハンドボールの問題とは無関係だというような声明を発表したようですけれども、所感があれば一言。

【知事】最低限当たり前のことだと思うね。それから、これから先、ハンドボールの世界連盟とアジア連盟とのかかわりどうなっていくのか、そこら辺も見きわめたいと思いますし、同時に、あの人はIOC(国際オリンピック委員会)の理事(委員)であり、幹部なんでしょう。そういう発言に対して、例えばIOCの会長のロゲさん(ジャック・ロゲ IOC会長)がそれをどう評価するか、これも刮目したいと思いますね。

【記者】ちょっと君が代の裁判のことに戻ってしまうんですが、先ほど控訴には賛成だという、都教委の姿勢には賛成されるとおっしゃいましたけれども、その理由というか、これで…。

【知事】それは教育長から聞いてくれ。

【記者】司法判断は2回目になるんですけれども。都教委に対して是正が求められるのは。東京地裁レベルなんですが、都教委が通達を出してから、その都教委の指導に是正を求めるというのは、もうこれで2回目なんですけれども、それについてどうお考えになっているのか。

【知事】それはケース、ケースによって微妙に違うところもあるでしょうし、その問題については教育長に聞いてください。

【記者】冒頭でお話がありました外国の原産地表示の関係で、先ほど知事、条例ででも表示の指導、規定を考えているということだったんですけれども、具体的に一定(第一回定例議会)に出すとか、そういったお考えはあるんでしょうか。

【知事】今その討論をしています。ですから、一定、かなり期間が長いですから、これは喫緊の問題ですしね、そうダラダラすることは必要はないし、国がどういう、より強い規定をするかもしらんけど、その前に、とにかく日本最大の消費地なんですから、東京は。その責任もありますから、都が国よりも先に進んだ、それは大気汚染だって、みんなそうじゃないですか、私はやっぱりそれをやるのが東京都の責任だと思いますよ。それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)