石原知事記者会見

平成20年2月7日更新

石原知事定例記者会見録

平成20(2008)年2月1日(金)
15:02〜15:30

知事冒頭発言

1.「2008ジュニアスポーツアジア交流大会」について

【知事】冒頭、私から2つ申し上げることがあります。

 1つはですね、東京都と都のバドミントン協会、そして都の柔道連盟は、昨年もやりましたけど、「ジュニアスポーツアジア交流大会」を、今年は8月26日からの6日間にわたって開催することで合意しましたが、種目を増やしましてね、前年のように、アジアで幅広く愛好されているバドミントンに加えて、世界でも非常に普及してきた柔道を新たな種目とすることにしまして、アジアの10を超える都市の20数チームに参加を呼びかけていきます。交流試合のほかには、選手を対象に、メダリストによる公開指導、選手団役員を対象に、一流指導者による研修会などを行います。こうした取組みを通じて、東京ならではの新たな形で、アジア全体のスポーツ基盤の底上げに貢献していきたいと思っています。今後、東京は豊かなスポーツ資源を活用して、アジア各国の将来を担う次代、次の世代の育成を支援することで、スポーツだけではなくて、アジアの発展全体に寄与していきたいと思っております。

2.「緑の東京募金」街頭キャンペーンについて

【知事】次いで、「緑の東京募金」の街頭キャンペーンですが、これは昨年10月に開始した「緑の東京募金」については、建築家の安藤忠雄さんにいろいろご尽力をいただいておりますが、多くの都民や企業の方々からも賛同をいただいておりまして、さらにこの募金の周知拡大を図り、緑のムーブメントをつくり出していくために、明日2月2日の土曜日、街頭キャンペーンを行います。これは猪瀬(直樹)副知事からの提案でしてね、大変結構なことだと思うんですが、猪瀬さんを先頭に東京都職員1000名が、上野公園や都内の主要な駅30カ所余りで、都民の皆さんに直接、募金への協力を呼びかけるほか、オリンピック招致のPR活動も行ってまいります。詳細については、後ほど猪瀬副知事からも説明いたしますが、またその場で、先般のダボスの会議の出張に関しても報告があると思いますので、お聞きいただきたいと思います。

 これ1つね、ちょっと滑稽な事態が起こりましてね。これはまさに猪瀬さんの指摘で、私は全く知らなかったんだけど、これはね、当たり前のことだけども、都の職員が何十万もいる訳だから、十何万も。1000名ほど応募者を募ってボランティアでやるのかと思ったら、休日出張費出すんだって。そんなばかな話はないでしょうというんでね。「いくら出すんだ」と言うと、「給料によって違うけれども、1人1000円単位のお金は出る」というから、それは滑稽千万の話でね。一体その1人が、街頭に立っていくら募金を集めることができるか分からないけど、どう考えたって逆ざやでしょう。こういうことの発想が出てくるというのは、やっぱり官庁の特徴なんだな。何を考えてるか知らぬけど、私、聞いて驚いたんだけれども。それはやっぱりね、10年計画をつくって、その眼目の1つとして、街路樹も倍にしよう、1000ヘクタール緑を増やそうということで努力して、中にはフンと言う人間がいるかも知らんけど、一応都で決まった大指針ですよ、これね。こういったものに対する役人のだね、本当の共感があるかないか。それから、自分たちがかかずっている都の仕事に、どれだけ情熱があるかということの有無の問題だと思って。来たくなきゃ来なきゃいいんだ、それは本当に。せっかくの土曜日だ、おれは彼女とデートする。それは結構だ。だけどね、とにかくそれを動員することでね、とにかく日当を出すというのは、これは本当に信じられない話で、早速それは止めさせましたけどね。これもやっぱり猪瀬さんの指摘がなかったら、私、分からなかった。

 そんなことでね、いろんな滑稽なことがありますよ、役所というとこはね。右、ご報告いたしますけども。私から申し上げることは以上であります。質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】中国産のギョーザの件なんですが、都民の被害報告も増えていますが、この対策などはお考えでしょうか。

【知事】対策も何もかもね、とにかくどういうのかな、あってはならないことでしてね。まだ、何でそういう毒物が混入したかという経緯がはっきりしませんが。ただ、一部苦情もあったようですけどね、こういったものの事実の把握が遅れた、都は当然責任がありますが、それで通達するのが遅れたというきらいがないでもない。これは実は、最初の兵庫県、それから、次いで千葉県の発生の形がちょっと変わってまして、特に兵庫県の場合は、家族で半分食べた、そのときは何でもなかった。それで数日置いて、また食べたら、今度発症した訳ですね。ということは、非常に何というのかな、その途中、誰かの手が加わったんじゃないかという可能性もある訳だから、警察は非常に事件性が濃いという形で抑えたんです。それから、警察側も、この問題を保健所と一緒に調査をすることを、最初は嫌ったというか、とにかく希望しないという形でね、警察独自の事件性があるから、調査をすること、それでちょっと事が蓋されたという感じでしょうかね、捜査の間ね。ちょっとね、事件というか、出来事の実態の情報の敷衍(ふえん)が遅れたきらいはあるんですけども、これ決して関係機関の怠慢でも何でもないんですね。最初の出方そのものが、警察が非常に強い疑義を持つような形で出ましたのでね、そういうギャップがあったということは、1つ承知していただきたいと思います。

 ただ、まだ、さっきも(福祉)保健局からの報告がありましたけども、都も回収したものの中からいろいろ手を尽くして調べてますけども、今まで20検体ですかな、これ調べた限りでは、これシロなんだね。だから、一体同じブランド、同じ製品のどの部分、どれだけのポーション(部分)に毒物が混入したか、これも把握しきれてないし、まだ調査を続けますけどね。何れにしろ、これやっぱりね、製造元の中国の企業に責任がある訳でしょう。これはあってはならないことが起こったんですが、向こうは向こうで責任感じているでしょうからね。自分たちの信用のためにも、何というんでしょうね、現地が厳重に調査して、どういう形で、経過で、このとんでもないものが混入したかということをはっきりしてもらわないと、それは中国の冷凍食品に対する信頼の問題になってくると思いますから、中国の政府当局も責任持って、この問題をはっきりしてもらいたいと思います。

【記者】その一方で、兵庫県から、調査依頼を受けたファクスを、東京都が品川区に送る際に、1枚抜け落ちまして、被害が拡大したというような指摘をする声があるんですが。

【知事】それは全然違うな。全然違います。あの、何というんですかね、最終のページに、かわりにほかの写真がくっついたって言うけど、その5枚見ても事件が何たるかということの詳細は分かる訳ですから。ただ、やっぱりね、それそのものは小っちゃな問題かも知らないけれども、事務のルーチンとしてね、非常にあってはならないことですからね。例えば、諸君が書いている原稿がだね、本社へ届いたときに、途中抜けてたらだね、記事の報告にならないでしょう。私だって自分の書いた小説なんかをファクスで送りますけどね。つながってなかったら、すぐ向こうから言ってきますがね。そういう問題は起こらずにすみました。大丈夫です。

【記者】そうしますと、ファクス送信ミスによる東京都の責任は。

【知事】それは、大きな、何というかこの事態の解明というんですか、それによって被害が拡大したということは全くありません。

【記者】分かりました。

【記者】ギョーザの問題について、今、中国当局のほうでは、同じ製造日のギョーザのサンプル調査をした結果では、問題になっている薬物は検出されなかったというようなことを発表されているみたいなんですが、知事はどうご覧になっているか。

【知事】それは私に聞いても分からないしね。同じメーカーがですね、日にちを違えてだね、毎日毎日製品をつくっている訳でしょう。だから、同日に製造されて、輸入された製品がいくつあるかね。あるいは、その次の日につくられたものがどれだけ入ってくるか。これは分かりませんよ。ただ、やっぱり、どういうんでしょうかね。そういうものも含めてね、然らば、被害をもたらした、あるいはこれからさらに綿密な調査をしてですね、毒物が混入した製品の中で、何月何日につくられたものの中に毒物の混入が多いとか、これはこれから調べていかなきゃいけないと思いますね。これはやっぱり製造側の責任ですし、向こうにもいろんな事情があるんでしょう。私、よく分かりませんけれども。

 憶測では、非常に労働の条件が悪いから、不満を持った労働者が腹いせにやったんじゃないかって、そういう推測もあるようだけど、これはやっぱり向こうの責任で調べてもらいませんとね。日本の当局がやきもきしたってすむことじゃないでしょう。

【記者】今朝方から中国のメディアのほうもこの問題を取り上げていて、ただ取り上げ方のほうが、日本のメディアが中国のギョーザを包囲攻撃しているとかですね、問題の責任を押し付けようと…。

【知事】実際に被害が起きてだね、死に損なった日本人がたくさんいる訳だから、紛れもない中国製の製品なんだから。それはちょっと何ていうのかな、愛国の感情もあるかもしらんけど、そんなものですむ問題じゃないんじゃないですか。言えば言うほど、やぶ蛇になると思いますよ。

【記者】今月の13日に法務省が法制審議会に対して、成人の年齢、今20歳なんですけれども、これを18歳に引き下げてはどうかというような諮問をする予定になっておりまして、20歳が18歳になりますと、国もそうですし、地方団体もそうですけれども、それなりの影響が出てくるかなという気はするんですけれども。

 まず、18歳に下げるということについて、知事はどういうご所感があるのかというのと、それと分けて、投票権も18歳にするということについてもどう思われるか。この2点をお伺いしたいんですが。

【知事】あのね、私が非常に親しい斎藤環君(精神科医)もそうだし、あと何人かいましたがね、精神病の学者ね、非常に優秀な学者が私に同じことを言いました。我々から見ると、彼ら学者から見ると、日本人の成人というのは、30歳過ぎなかったら本当の成人じゃない。むべなるかなという気がしますな。

 それから、私は実はね、最初、参議院に出たときに、いくつかの眼目を掲げてキャンペーンしましたがね、投票権、18歳に下げようと、そう言って、それでまあその公約の履行のためにも、同調する人を集めて、自民党の本部を借りて、そこでシンポジウムをやろうと思ったら、当時の幹事長の田中角栄に怒鳴られた。「余計なことするな、君」、例のがらがら声で。「18歳なんてとんでもない。20歳でも早過ぎるんだ。25歳でいい」と言ったけど、この頃精神病学者に聞くと、30歳だね。しかも成人式があちこちで行われているけど、騒ぎが起こるからね、父兄が同伴する成人式ってのは世界にない、そんなものは。よって、私はそんなものは滑稽な試みでしかないと思います。一種のポピュリズムだね、役人が考える。

【記者】選挙権もしかり。

【知事】正にそうですな。だって、実質、成人じゃないじゃないですか、いつだって。

【記者】ちょっと話が変わってしまうんですが、調査捕鯨について、知事の考えを聞かせていただければと思うんですが、今、日本の調査捕鯨船が反捕鯨団体等から妨害行為を受けていて、それが問題となっていますが、知事の考えを聞かせていただければと。

【知事】僕も鯨の実態について詳しくは知りませんがね、要するに絶滅に近づいている、そういう動物というものを保護するのは必要だと思いますがね。鯨はむしろその保護が進んで、数、増えているんでしょう。その実態というのは完全に把握されていない。そして、そういう増えた鯨が、人間にとって大事なたんぱく資源の魚を非常にたくさん食べてね、人間の食生活にもいろんな影響を及ぼしているという説もある訳だ。

 私が痛感しましたのは、私は環境庁の大臣をしているときに、どこかの土地で陳情を受けた。これは文部省が保護という形でニホンカモシカを保護し過ぎて、これが増え過ぎちゃってね、あれは岐阜県でしたか、植林している山を丸裸にされてね。苗木を植えると、カモシカが下りてきて、苗木の、要するに一番ピークの、何ていうんでしょうね、苗木ですから背が高くないんだけども、頂のところを食べるんだ。木は完全にそこでかたわになってしまって育たない。何とかしてくれということで、なるほどなということで私、文部省に問い合わせたら、文化庁なるものは、保護をうたって、要するに捕獲禁止をしたけども、その後、シカがどれだけ増えているかさっぱりとらえてない。つまり、犬公方と同じで、動物を大事にするのは結構ですけど、その後の把握をしてなければ、今度は人間が逆に被害を受ける訳ですよ。だから、私はね、ある規制を加えて、高度制限して、それから下におりてきたシカはとってよろしいと一方的に言いましたら、文部省は何も言ってきませんでしたな。そういうことが起こっている訳。

 例えばね、動物を保護するというのは1つの人間の感情、感性あるいはセンチメントかもしれないが、厄介なのはね、非常に魚を食べ過ぎるイルカの群れが追い込まれて、伊東なんかで、川奈の港なんかで有名なイルカ漁がある。これは、つまり正当な循環をあの近海で維持するために、漁師たちが長年の体験でやってきていることを、ぱっとやってきたどこかの外国人がですな、イルカがかわいそうだっていうんで、網切ってイルカを逃がしてしまった。そういう滑稽な事件もありました。この辺のところはやっぱりね、捕鯨もそうですが、要するにそういうものを勘案して冷静に考えたらいいんじゃないでしょうか。

【記者】文化の違いというのもあると思うんですが、オーストラリアとの間でも外交問題等に発展する懸念も今言われていますが。

【知事】さあ、これはやっぱり政府が考えて、政府が正当な主張したらいいじゃないですか、科学的な。相手がそれに反論するなら、科学的な反論を聞いたらいいじゃないですか。人間のセンチメントだけでこんな問題を動かせるものじゃないと思うね、僕は。

【記者】欧米諸国等は、鯨を環境問題の象徴のように仕立て上げているという意見もあるんですが。

【知事】どういう意味で環境の、要するに象徴に仕立てているの?

【記者】環境保護ですね、環境保護のシンボルとして見ているという意見もあるんですが。

【知事】いや、まあ、意見聞いたって、いろいろ意見があるでしょう。あなたの意見を言ってもらいたいね。メディアを代表してこの質問するなら。

【記者】三宅島の全島避難指示の解除から3年がたちましたけれども、知事、復興の状況をどのようにご覧になっていますか。

【知事】なかなか大変ですな。あなた、行ってみた?最近。行ってみなきゃ分からんよ、それはね。人に聞く前にさ、やっぱり記者だからさ、現場に行って見てらっしゃいよ。大変ですよ、それはね。この数年の間にね、山頂だけじゃなくてね、危険地域として、要するに風向きの場所によってはガスが降りてきてね、本当に海のそばまで大きな木は全部枯れちゃった。だから、あそこは人住めないでしょうね。しかし、すぐ横に人が住んでいる訳だ。これは私にとっても、とっても怖いですな。

 それから、この夏、去年の夏ね、時化たんで、潜りができずに仲間と一緒に車借りて山頂の近くまで行きました。これはもう非常に濃いガスでね、私もね、風向きが悪かったんですけど、とてもじゃないけどいたたまれずに下りてきましたがね。ああいったものは未だにガスが出ているということ、そういう島で暮らすというのは、なかなか大変だと思いますね、これからも。行って見てらっしゃい、あなた。

【記者】オリンピック絡みで1つ質問をさせてもらいます。先ほど、先週ですか、今週ですか、北京五輪のハンドボールの予選を日本で開催したことにつきまして、ご存じのとおり、アジアハンドボール連盟の幹部の方が、東京五輪招致にも影響を与えるのではないかというような発言をしました。まあ日本の五輪関係者といいますか、関係者はこの発言に対しては非常に静観の構えを今のところ示しておりますけれども、国際招致という、国際招致レースというものを考えれば、これからまた同じような牽制なり、言い方はおかしいですが、脅しなり、すかしなりとか、いろんなことが出てくるようなことも非常に考えられます。このことについて、石原知事、現在のお考えと今後について、東京はこう戦うんだ、こういう姿勢で行くんだということがございましたら、ひとつ教えていただけませんでしょうか。

【知事】これはあなた、今なかなかね、私の立場で答えにくいことを質問されて、私もね、いろいろ身構えなくちゃいけないんですけどね。

 やっぱりアジアの、何ていうんですか、中東の連中がイニシアチブをとっているハンドボール連盟があって、その上に世界の連盟がある訳でしょう。どちらにオーソリティがあるかといえば、それはやっぱり世界の組織というものが上にある訳だから、そこがですね、衆知を集めたかどうか知らないけども、実際のビデオを見てですね、このジャッジはフェアじゃないという結論を下したから、つまり再試合というものが可能になった訳だ。残念ながら日本は負けましたけどね。そういう実態というものを省みずに、自分たちの言うことを聞かなかったら、おまえら、言うことを聞かなかったら、東京のオリンピックの開催を邪魔するぞという言い分は、私はフェアじゃないと思う。これ、スポーツマンの言うことじゃないでしょう、こんなものは。ただの非常にチープな政治家ですよ。そんなものに屈するなら、東京オリンピック、結構だ、やってもらわなくても。こんな、要するに理不尽なですね、スポーツを主唱し、フェアな戦いを主唱する組織にいる人間たちがだね、こういうものを政治的に利用して、おれたちの言うことを聞かなかったらオリンピックに協賛してやらないという言い方はね、これはやっぱり非常に低級な政治だと思いますよ、私は。日本のJOC(財団法人日本オリンピック委員会)も黙っているみたいだけどね、聞かれたから言うけど、私はだってこの問題についてね、なるほどと思っている、何というのかな、黙ったほうがいいとかね、卑屈に屈してですね、勝手なジャッジというものがまかり通るようなそういう体制というものは、要するにそのまま認めたっていいじゃないかと思う日本人は1人もいないと思うね。こういう言い分が理不尽だということを抗議することが、正にオリンピック精神だと私は思いますよ。

【記者】国際招致では、先日、ブラジルのオリンピック関係者に対する日本の在外高官の方の発言がIOC(国際オリンピック委員会)本部に、オリンピック憲章に抵触するんではないかということもあったりとかですね。

【知事】ああいうケースはね、ロンドンの場合はね、イエローカードに該当するのかも知らないけどね、何十枚も出てますね。ですからね、あの問題にとって日本人というのはすぐそれを針小棒大に考えて、何か非常に自虐的に自分を咎めようとするけどね、あれと要するに今度の何というのかな、ハンドボールの問題と全然質が違うし、ボリュームも違うと思います、私は。

【記者】分かりました。

【記者】昨日、警察庁のほうから、全国の道交法違反の件数が出ました。それで東京都の場合、オートバイの違法駐車の確認標章取りつけ件数が25万3009件と、全国の4割を占めている訳なんですが、この辺で東京都の二輪車の駐車対策というのは、どんなふうにお考えかというのを伺いたいのですが。

【知事】これは自動車も二輪車もですね、自転車も含めてね、駐車場というものにどこの自治体も懊悩(おうのう)している訳ですからね。とにかくこれだけ狭小な面積の中に、とにかく膨大な人口を抱えている、東京に限らず首都圏の大都市はみんな同じ問題に悩んでいると思いますよ。かといってね、警察はその数字を発表して、それじゃ警察は何をしているかといったら、何もしてくれない訳だしね。まあ、これは本当にイタチごっこというかな、なかなか頭が痛い問題だけども、それですまされないかも知らないが。

 かといってね、ロンドンがやっているみたいなですな、要するに少し飛躍した話になるかもしらんけれども、渋滞税のようなものを構えてね、都心に流入してくる二輪も含めて車両というものをとにかく制限するという訳にも、なかなかちょっといかないと思いますね。都市の構造が違うから。

 しかし、今度あれでしょう、いわゆるママチャリね。お母さんが子供を乗っけて走るのは結構だけれども、前と後ろに乗っけるのはいかんということになった。それから、携帯かけながら自転車に乗ってもいけない。それから、傘差して乗ってもいけないのかな。私はいつも往復の途中、見るんだけれども、日本人は器用といえば器用だけれども、前と後ろに子供を乗っけて、ついでに生まれたばかりの赤ん坊を背中にしょっているお母さんがいるんだな。一家四人がだね、1台の自転車に乗って走っているという風俗というのは、なかなか世界に珍しいと思いますけどね。東京ならではのことでしょうが、まあ、ああいったものがもし事故を起こしたら、それは自動車のほうが加害者になる訳だし、二輪だってそうでしょうね。そうするとね、やっぱり然るべき1つの規制だと、新しい規制だと思いますが、しかしお母さん方にしてみたら、いちいちそれじゃタクシーに乗っていけとか、歩いていくんじゃちょっと遠過ぎるとかね。私は慣れているから大丈夫と言うかもしらんけれども。そんな問題もやっぱり、どうでしょうね、東京という非常に渋滞の濃い都市の、何かこう、悪しき副産物だと思う。だからこそ2つの外環道路を早く完成しませんとね、都市の渋滞というのは解消しないと思うし、あなたがおっしゃった二輪の駐車の問題も解消していかないと思いますけども。

【記者】オリンピックの関係なんですけども、先日の議会のほうで明らかになったんですが、ほかの6都市の開催の賛否を問う世論調査の結果で、東京都は下から2番目という数字だったんですけど、感想と、上げるための対策についてお話しください。

【知事】これはこれからも努力してね、要するに最低条件の70%をクリアするようにしていきたいと思いますけどね。やっぱり特に東京都の都民というのは贅沢に慣れているからね。愚痴を言う訳じゃないけど、決まってしまったらみんないろいろ知恵も出し、協力もしてくれるだろうけども。そういう点ではなかなか世論調査というものの数字を獲得するには難しい大都市ですな。はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)