石原知事記者会見

平成19年11月29日更新

石原知事定例記者会見録

平成19(2007)年11月22(木)
15:03〜15:16

知事冒頭発言

新銀行東京の代表執行役の退任について

【知事】冒頭、1つ申し上げます。

 新銀行東京についてでありますけれども、今回、代表執行役の森田(徹)さんが健康上の理由で、今月末をもって退任することになりましたので。森田さんには、短い期間でしたけれども、銀行の経営改善に向けてご尽力をいただきました。後任については、銀行側から適任者の推薦依頼がありまして、都から、この銀行創立の際にも大塚(俊郎)前副知事と一緒に関与しました津島(隆一)港湾局長を推薦することにいたしました。今月の取締役会で決定しまして、30日に正式に代表に就任する予定です。

 新銀行東京は、金融界において引き続き厳しい競争関係にさらされていまして、また、経営改善の取組みも緒についたばかりであります。都は、新銀行東京との連携を一層強めて、具体的な取組みが着実に進展するように支援してまいるつもりです。

 以上です。質問がありましたら、他にもどうぞ。

質疑応答

【記者】先ほどの新銀行の件なんですけども、以前、森田さんにかわる時に、逆転ホームランではなく、こつこつとヒットを積み上げてほしいというふうにおっしゃっていましたけれども。間もなく中間決算を発表されると思うんですが、これまでご覧になっていて、そのことができているのかの評価と、引き続き、以前も追加出資の考えはないというふうにおっしゃっていましたが、その考えにお変わりはないかどうかを教えてください。

【知事】後段の件については、その考えは変わっていません。それから、一生懸命やってくれたんですけどね、なかなか厄介な状況にあるので、それに腐心されてエネルギーを使われたと思うんですが、森田さんだけの問題じゃなくて、日本全体がこの金融事情の中での新資本主義というのかな、そういうものの中での金融市場のハンドリングについて、かなり世界的に遅れていると思いますね。国の官庁もそうだし、民間の大手の企業を見ていましてもね、そこの工夫がちょっと足りないんじゃないかと思う。ただ、こちらはただの株主の立場ですから、あまり突っ込んだことを言えませんけれども、どうもそういう総体的な印象を禁じ得ないんですが、そんなものを含めて、これからの津島さんにも、もうちょっと多角的な努力をしていただきたいと思っています。こちらも一生懸命手伝いますけれども、株主の立場に限界がありますから。

【記者】都の局長を代表として送り込むことで、何か期待するものというのはどういうところがあるんでしょうか。

【知事】これはもうあくまで退任されて、一民間人として行かれるわけですけれども。ただ、立ち上げの時に事情をよく知っているので、その後の経過も彼は精通していますしね。今までの経過、概略は私も内部の調査委員会の報告を聞いてきましたけれども、申し上げたいことはいろいろあるんですがね、ひとつ目途がついた時に、また私の意見も言おうと思っていますけれども。

【知事】いろいろご批判がありましたがね、この間の三宅島、本当に喜んでもらったの。これ、見てください。(フェリーの写真提示)終わりに、みんなが帰る時の写真だけどね。みんな感謝して泣いて見送ったそうだ。これを見ると、船が傾いているでしょう。その歓呼にこたえてね、行った人たちが堤防側の舷側に集まって。

 まだまだ端緒についたばかりですけども、私も知らなかったんですが、ドラッグレースというのは、世界的に非常に大人も子どももわかるモーターショーで、あれもちょっと情報が足りなかったんですけどね、日本の正規のレースとして行ったわけで、あそこで優勝者が逆転して決まったりしましたが。あれはね、そんなこと言ったらまた物議を醸すかもしらんけれども、どこでもできるんだね。ただね、皮肉なことに、飛行場が今、例の毒ガス、山頂からおりてくるあれのために、危険飛行保険の問題なんかがありまして閉鎖されていますが、ドラッグレースに出た連中が、あの飛行場の幅も縦も非常に余裕のあるところでやらせてもらって、非常に心置きなく走れたと。富士スピードウエーでやった時には、あれはやっぱり縦に400メートル取り切れないらしいんだな。だからね、「こんなに余裕のある絶好のコンディションでできたのも今までで初めてです」と感謝してくれましたがね。

 そんなこともあって、来年から飛行場がどの程度のフリークエンシー(頻度)になるか、とにかく1日に1便は、測定してね、新しい機器も開発されましたから、一応開く形になるけど、そうすると、またいろんな問題が出てくるかもしれないが、しかし、そういうものも踏まえてね、あれをもう少し喧伝、宣伝したいと思っています。

【記者】新銀行についてなんですが、都からトップが行くということで、印象的な信用補完には確かになるかもしれませんが、森田さんをお迎えされる時に、役人には経営はなかなか難しいので民間から来ていただいたということをおっしゃっていたと思うんですけれども、今回、退任して、一民間人として行くというお言葉もあったんですが、現任で都の局長という役人中の役人というポジションにいる方に、金融機関の切り盛りができるかどうかという点についてはどうお考えですか。

【知事】これは例えばね、ここで詳しいことを、ちょっと差し障りがあるから申せませんけど、都なら都が持ってるいろんなオプションがあるんですね。そういったものの活用というものもね、もうちょっと従来、積極的に考えてきてよかったんじゃないかと思うし、それからあれ、何とかというフランスの銀行の権利を買ったんですがね、そのフランスの銀行ってかなり多岐にわたる業務の権利を持ってたんですけどね、それがほとんど使われてなかったですね。そういったものを含めて、津島さんにはこれからも新しい勉強をしてもらうわけだけども、いろいろ勘案して、そういった発想のできる、都の持ってるポテンシャルをうまく引き出すような、そういう業務を含めて彼に頑張ってもらいたいと思ってますけども。

【記者】フランスのレストランのガイド本ミシュランというところが、東京に三つ星が8つで、当地のフランスのパリよりも東京の評価が高かったということで、これを何か観光客誘致に結びつけるようなお考え等がありますか。

【知事】いやこれは全くおっしゃるとおりでね、食事というのは文化の象徴ですから、それをミシュランのような非常に権威のある審査機関が、自国のパリよりも、ニューヨークなんかはもっと少ないわけです。それに比べて、三つ星から一つ星まで、総数が160(150)という数は、これはやっぱり大したものだなと。日本の食の水準は高いなということを改めて自覚しました。別に、外国人に褒めてもらわなくても、私はあちこち歩いてて、焼鳥屋を含めて東京の飯というのはやっぱりおいしいなと思いましたがね。これはね、オリンピックのために1つのアクセルになりますしね、これからの観光客誘致のために非常に役立つと思います。まだまだ限られた年月ですから、彼らが行っていないレストランはあると思いますよ。焼鳥屋だってばかにしたものじゃないしね、おいしいとこたくさんあるしね。そういうことで言うとね、三つ星の意味というのは、国境を越えて旅行して出かけていって食べるにも値するレストランということだけども、そういう意味じゃね、まだまだ東京には三つ星の可能性を持ったレストランはたくさんあると思うんでね、これは大いに力を入れて。

 とにかく歴然として、彼らがやっぱりパリよりもニューヨークよりも、日本はニューヨークの3倍以上あるのかな、東京はニューヨークの。やっぱり非常にうれしいし、これはやっぱり日本の、東京の板前さん、シェフたちがね、それぞれ知恵を凝らしてやったおかげだと思いますね。例えば、これからもはやってくるだろうね、カキフライなんていうのは日本の独特の料理だけど、ロブションなんていう向こうの本当にトップの中のトップのシェフが来て、「こんなおいしいものは知らなかった」というんで、自分のレストランにもメニューに加えたぐらいで、そういう点では、やっぱり日本の、特に東京というのは粋を凝らしたレストランが、有名無名、小さくても大きくてもたくさんあると思いますよ。

【記者】知事御自身も美食家として知られているという…。

【知事】いやいや私は雑食家ですから、おいしいもの…。

【記者】ガイド本に掲載されたお店になじみの店というか、よく行かれるお店というのはあるんでしょうか。

【知事】いくつかありましたね。

【記者】日本料理の店とかですか。

【知事】ええ。中華料理とかね。それからすし屋もね、皮肉なことに本店のほうは載らなくてね、のれん分けした店のが2つぐらい載ってたけどね。本店のほうに僕は注意したんだ。もう行かなくなっちゃった。たばこ吸わせるんだよ、カウンターで。すし食いながら、隣のたばこのにおいしながらすし食う気しないしね。注意したんだけど、その後どうなったかな。もう行かなくなっちゃった。あれはやっぱり、外国人が行って、「えっ」と思うでしょうね。それだけで失格だね、その店は。

 いや、大変結構な結果だと思います。あれはやっぱりね、ミシュランの東京支店長、支社長という人が、とても日本びいきで、亡くなっちゃいましたけどね、亡くなる前に私会いましたがね。筋ジストロフィーで体が動かなくなってね、話はできたんだけど、その人が、「とにかく次にやるなら、アジアでやるなら東京しかない」と言ってくれてね、ミシュランが動いたんですけどね。本当にとってもいい遺産というのかな、遺言を残してくれたと思いますね。彼には本当に感謝します。

【記者】ちょっと新銀行に戻って伺いたいんですが、ことしの3月期の決算でも、既に債務超過が危ぶまれるような状態だったんですが、この中間決算の概況というのはどのような見通しなんでしょうか。

【知事】これ、11月に中間決算が出ますからね、それを踏まえて考えますし、また質問なり意見をなさってください。

【記者】あともう1点、中小企業融資ということがその設立のねらいだったと思うんですが、既に今の状態でなかなか融資のほうも縮小路線に転換しているわけで、これからの新銀行の役割というのは、知事は、またこれトップが交代して、どのように認識されているんでしょうか。

【知事】日本の金融全体がね、今、足踏みしてますしね。それからやっぱりね、片方では景気、景気と言いますけどね、濃淡はっきりし過ぎて、二極化してきてね。実際に中小企業ではものすごく倒産が増えてますよ。

 こういった状況の中で、やっぱりこれの手当てをしないとね、すばらしい素材を持っていながら、資質を持っていながら敗れていく企業も多いわけでね。やっぱりそういうものに役に立てようと思ったんですがね。やっぱり、経営破綻してまで、こっちは慈善事業をしてるわけじゃないから、この辺はやっぱりちょっと仕切り直して、もうちょっと複合的にものを考えていく必要があるなと思ってます。

 はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)