石原知事記者会見

平成19年11月8日更新

石原知事定例記者会見録

平成19(2007)年11月2日(金)
15:00〜15:26

知事冒頭発言

横田基地軍民共用化について

【知事】冒頭1つだけですね、去年の9月(5月)にですね、横田の軍民あるいは軍軍民共同使用についての日米合議のロードマップ(工程表)をつくりまして、10月から開催される協議、1年をめどに結論を出そうということにして、その1年が過ぎたんですけども、まだ実は未整理の問題がたくさんありまして、これを延長せざるを得ない状況でありますが、もともとこの問題は、国家の繁栄、成熟のために、必要なインフラの整備というのはいくつもありますが、繰り返して申しますけどね、世界全体が時間的、空間的に狭くなってきている今、昔は海しかなかったけど、飛行機がジェット化されるわ、ますます世界が時間的、空間的に狭くなってきている訳で、そういう現況の中で、国際間の空からのアクセスというものが非常に国家の繁栄のために必要だ、国力の維持のために必要だということは文明工学の原理だと思います。

 ということで言えばですね、私も運輸大臣をしているときに、とにかくあの頃で既に36カ国ですか、日本という経済大国に乗り入れて、特に首都圏に乗り入れてビジネスを展開したいというウエイティングリストが36カ国ありました。今じゃ多分40カ国を上回っているでしょう。これはほとんど実現されずにほったらかしにされている訳です。そういうこともありまして、私の親しかった亀井(静香)君が自民党の政調会長をしているときに、2人でかなり乱暴に、まずとにかく羽田にもう1つ滑走路をつくろうということで、たまたま運輸省が建設省と一緒になって国交省になったために、昔だったら考えられない、河川局が気違いみたいになって反対しただろうけども、これは不思議に折れてくれて、もっといい案があるぞということで、多摩川に半分とにかく差し掛かるああいうB2の滑走路というものが設計されまして、今、建設中ですけども、これでもとてもじゃないけど賄いきれるものではない。

 ということで、横田を私、かねがね考えていた訳ですが、その基本の考え方の中には、やっぱり国力を維持して、日本の繁栄のために絶対必要なインフラだということで、その認識を小泉(純一郎元)総理に持ってもらって、小泉総理がですね、クロフォード(米国テキサス州)でのブッシュ(ジョージ・ブッシュ 米国大統領)との会談で合議した訳です。

 ですから、なるほど確かに日本のためになる、アメリカも協力できることはしよう、そういう意味で合議しようということでですね、2人の首脳が意見一致した前提には、つまり横田という日本で一番長い滑走路を持っている飛行場が、ただの兵站基地であるためにほとんど使われていない。アメリカの国防省の報告を見ましても、「日本でアメリカが持っている空軍基地の一番大事なものは、フェータルに、致命的に重要な価値を持つものは、三沢、岩国、嘉手納」と書いてある訳でね、横田はただの兵站基地なんです。

 そういうことで、有事のときには使う。一番使ったのはベトナム戦争のときに、向こうで死んだアメリカの兵隊の遺体を持ってきて、あそこで医学生が高いアルバイト料をもらってつなぎ合わせてね、それで棺に納めて搬出した。これは大江健三郎君(作家)の『死者の奢り』という小説にも出ている。実際あったことですが、それ以後、ほとんど使われていない。

 だから、とにかく有事の際は別にしても、平時は共同使用したいということで、そのフィージビリティーについて、可能性について合議が始まった訳ですが、ブッシュも来年は大統領じゃなくなる、小泉総理は5年間務めて辞めてしまったという現況で、どうも末端というんですか、実務を討論する軍人を含めて役人の通弊ですけれど、やっぱり既得の権利というのをどうしても守りたがる。

 ということで、アメリカが出してきている意見というのはかなり私たちにとっては不本意なものでしてね、これをいちいちこちらも論破しなくちゃいけない。それが終わらないうちにタイムリミットが来た訳ですから、これは当然合議を延長しなくてはならないし。改めて、この協議は一体どういう共通認識のもとに始まったのか、つまり、日本にとってアメリカが本当に友好国なら、日本はこういう国際情勢の中で、国力を維持するために必要な、絶対に必要なインフラである国際空港というものを、とにかくそのスペースを保持するということの意味合いをブッシュ大統領は認めたから、つまり合議した訳でしてね。ところが、ローレス(リチャード・ローレス 前米国国防副次官)なんていう、向こうの担当の高官も、来ると勝手なことを言い出してね、じゃあ入間じゃどうだとか、厚木はどうだとか。ばかなことを言うなと。これはもともと小泉・ブッシュの会談で、横田プロパーの問題として合議されたことでね、そんな代案なんかあり得ないしね、大体そんなものはできっこない。まして入間なんか滑走路の距離が違うんだ、だめだと蹴飛ばしたんですけどね。

 今、ディテール(詳細)は申しませんけど、アメリカもかなり勝手なことを言っている。この間も申し上げたと思うけども、合議の中で、特に高瀬参与(高瀬保 東京都参与)なんかがアメリカに行っていろいろ交渉しますとね、自国のせいか、うっかり本音が出るんだろうけども、「横田も含めて日本にアメリカが持っている基地は太平洋戦争の遺産だ」なんていうことを向こうが言う訳だ、平気で。これはつまり、相変わらず彼らは日本を占領しているつもりなんですよ。こういう認識というものは変えさせないとね。

 だから、横田だけじゃありませんがね、国際空港だけじゃありませんが、例えばね、皆さんね、今、要するに物資の流通だって人間の流通と同じように大事でしょう。この時代に、やっぱり大きな物資を運ぶといったら、空輸は限られているから、コンテナですよ。非常にそれが迅速に行われるようになった。結果、どうなんですか。日本は地政学的に非常にいいポジションにいるのに、全部荷物を外国に奪われちゃった。ほとんど。

 シンガポールなんていうのは、世界一の扱い高になった。あそこで調べてみたら、陸揚げされてトラックで運ばれる荷物なんて、あそこで扱われているものは0.1〜0.2%しかない。シンガポールはちっぽけな国です。その北にあるマレーシアだって、たかだか産業の知れている国で、そこで必要なコンテナを通じての物資の輸入なんていうのは、ニーズはほとんどない。ゆえに、シンガポールが扱っているコンテナは、つまりほとんどあそこで荷さばきしているだけです。そのソフトとハードは全部日本製ですよ。全部日本製。波止場なんかに行ったって、人なんかいない。そこで膨大な量が、センターで十数人の人間がコントロールする、機械で動かされている。こういったものは何で日本で実現できないか。アメリカは、日本よりももっとひどい状況にありますがね。

 それと、もう1つ。立ち会いでこんなことをやる株の取引なんていうのはなくなっちゃった。兜町なんか、そういうオペレーションはなくなった。全部コンピューターで、数人の人間がやっている訳でしょう。その金融のファンクション(機能)、そのためのインフラはどこで競っているんですか。どんどん日本の扱い量が減ってきて、下手すると、これは上海に移っちゃいますよ。

 そういう国家の繁栄のために必要な、絶対に必要なインフラを何で日本はほったらかしにしたの。結局足元が危なくなってきて、何というのかな、ゆっくり走ったら競走者に抜かれて、はるかにその後塵を拝するようになってから慌てたんじゃ間に合わない。

 だから横田も、私はそういう意味で、議員の頃から念頭にあったんですけれども、いずれにしろ、そういった問題について、この間も関係省庁の、庁じゃない防衛省になった関係省の局長と、それから官房副長官(補)も都庁に来てもらって合議しましたがね。やっぱり日本の政府は、少なくとも国家の官僚はそういう認識を持っている。だから、一枚岩になって、特に谷内(正太郎)外務次官なんかはしっかりしてくれて、外務省も腰が据わってきてね、日本側が一枚岩になってやっているんですがね、相手のアメリカがいろいろ言を左右して事を回避しようとする。ですから、また結局引き延ばされてですね、今日に、タイムリミットに来たんですけど、結論が出ませんが。これはやっぱり当然ですね、本当の日米友好のためにも、アメリカももう少し誠意を持ってこたえるべきだし。

 繰り返して申しますけど、この問題が討論される前提としてね、要するに、小泉、ブッシュという両国の首脳が日米の友好関係のために、日本の国力を保持し、維持する、あるいは、もっと日本を成熟させるためにもですね、文明工学の原理として、どうしても必要な国際空港のスペースを、横田をプラスしてですね、日本のために譲歩する、そういうことが日米関係にとっていかに重要かという認識の上で、これが始まった訳ですから、それをもう一回ね、相手の役人たちに、軍人を含めてね、日本の交渉の当事者が徹底して申し渡して欲しいということを確認して、まさにその通りやりますという、何というんでしょうね、約束というか、合意をですね、先日も日本側として取った訳です。

 ですから、これからさらに会議が延長して行われると思いますけども、もう少し日本側もですね、もっと積極的に日本側の具体的な案を出すことで、それを一つ一つ討論して消化していくことで、横田の軍軍民の共用化というものを実現したいと思っております。

 タイムリミットに来たので、どうなっているかというご質問があると思いますから、あらかじめ、今までの経過と現況を説明いたしました。

 とにかく、その前にね、三沢も小松もそうですけど、特に三沢などは、年じゅうソビエトの領空侵犯があったときに、日米の、戦闘機がスクランブルかけて、相手を追い散らす作業をしている最中でもね、あそこはやっぱり軍民共用していた訳ですからね。だから、横田ができない訳がないんで、いろんなことを言ってきていますけど、これを一つ一つ反発し、説得して、事が成就するように、これからも努力をいたします。

 私から申し上げることは以上です。質問があったら、どうぞ。

質疑応答

【記者】横田の近くの立川で、今から6年後に花の博覧会をやりたいというお話があるそうなんですけれども、これは東京都としては取組みはどんな感じになるんでしょうか。

【知事】これはね、この間ね、新旧ね、日商の会頭であり、東商の会頭になられた山口さん(山口信夫 日本商工会議所会頭、前東京商工会議所会頭)と、今度の会頭の岡村さんですか(岡村正 東京商工会議所会頭、次期日本商工会議所会頭予定者)、来られましてね、ごあいさついただいたんだけど、そのときにもちょろっと話が出ましたが、私、それはまだ詳しく存じてません。聞いてません。そのとき初めて聞きました。

 どのレベルの花博にするのかね。万博レベルのものか、あるいは、もうちょっとマイナーなものにするか。向こうはどうも東京の全面協力ということで、オリンピックと同じようにですね、名乗りを上げてくれということらしいけども、やっぱり国体もありね、その先にオリンピックを、仮に2年先に招聘(しょうへい)が可能となれば、ちょっと人手もなかなか足りないんじゃないかと思ってね、そう立て込んだスケジュールでこなせるかどうか。まだ正式な要請が来てませんから、それを聞いた上で判断し、回答しようと思っています。

【記者】地元では、今言及ありましたオリンピックも環境五輪というのを理念で掲げられていて、あと、知事も「10年後の東京」の中で都市緑化というのを掲げられていて、そういう都の施策とも相乗効果があるので、ぜひ都のほうに主体的にかかわって欲しいというような意向を持っているようなんですが、その点についてはいかがでしょうか。

【知事】ですから、それは正式にね、その主催者たらんとしている方々から申し込みがあれば検討しますけども。おっしゃることはなかなか理が通っているけどね、結局、人手が要ることですからね、これはやっぱり事務がますます堆積してくると、果たしてこなせるかどうか、なかなか難しいですな。人員も随分削減してきましたし。

【記者】三宅島のバイクイベントが、いよいよ今月に迫ってきましたけれども、以前から知事は、来年は公道レースをぜひというふうにおっしゃっていましたけれども、メーカー側のほうは、レースというところに…。

【知事】メーカーといったって、たくさんあるのよ。だからね、ホンダがついてこなかったら、ほかでもやれますよ。今度、現に、例えば、レッドブルという世界で流通している清涼飲料水のメーカーがね、協力してくれる。これはですね、あちこちのバイクのイベントにスポンサーになっているところですからね。そのほかに、日本以外のドゥカティとかダビッドソンとか、いっぱいメーカーはありますからね。それはやっぱり競争すればホンダの車は優秀なのかもしらんけども。しかし、どういうんでしょうね、ほかにもメーカーはたくさんありますし、これが充実してくれば、必ず協賛者は出てくると思います。

 それから、やっぱり、この間も村長と話しましたけど、島全体の公道を使うんじゃなくて、ほとんど人の住んでない部分を使ってですね、そのかわり1周、2周じゃなくて、何回も回るみたいな、そういうレースも可能だと思うし、そういう道路の整備、拡幅も、これから考えていこうと思いますから。

 それから、どこかの新聞がケチつけてるけどね。要するに、人が来ないじゃないかという。あの島はね、この間の連休だって、本当に100人も人が、釣り師も行かないような島ですよ。だけど、やっぱり、今度も少なくとも1000人近い人が集まると思いますけども、それだってやっぱり島にとっては画期的なことでね。何か策を講じなかったら。

 私もこの間、三本岳へダイビングに行ってね、ちょっとしけが来たんで、仕方がなしに阿古の港へ入ってね、あの島が初めての人たちを案内して山へ行きましたがね。山どころか、危険地域の、要するに、居住禁止されている地域のすぐ横のところまで、全部木は枯れているの。大きな木は、漂白されている。これはね、災害が起こったときじゃないんですよ。あれから8年近く過ぎて、その間、じわじわじわじわ上からガスが下りてきてね、立ち木が全部枯れちゃった。

 そういう状況の中でね、やっぱり人の住むことそのものがとっても危ないと思うけども、それでもなおみんな頑張っていらっしゃるなら、やっぱり何らかの支援をして、何というのかな、島にお金が落ちるような算段をしないとだめでしょう。

 だから、あなたは反対か賛成か知らんけども、案があったら出してくれ。出してくれよ、案を。いい案があったら、どんどん採用するから。

【記者】その点では、レース開催に当たっても、引き続き国内メーカーに対しても協力交渉を…。

【知事】もちろんしますけども、嫌ならやめたらいい。ほかにスポンサーはたくさんいるよ。

【記者】直接都政とは関係ないんですが…。

【知事】あんまり都政に関係ないこと聞かないでよ。野球がどうとかこうとか。

【記者】中日が昨日、53年ぶりに日本一を決めて、史上初の続投による完全試合だったと。で、落合(博満)監督の采配ぶりについてご所感がありましたら、お尋ねしたいと思います。

【知事】その後、野村(野村克也 東北楽天ゴールデンイーグルス監督)がね、私だったらやらぬとかね、10人ほかに監督いても、10人とも、あそこで今井ですか、平井?(山井大介投手)何といったっけ。あの8回まで投げたの。あれは代えないだろうと言うけどね。これはね、やっぱり、ただ情実の問題でね。トップのね、つまり球団の経営というか実績というものを掌握している球団のCEOとしてはね、私はやっぱり落合というのは見事だと思う、本当に。それはやっぱり泣いて馬謖(ばしょく)を斬ったんですよ。野村はね、あそこで1本打たれたらね、とにかくそこで代えるのが常道だと言ったけど、それは人情の話でね。私はやっぱり落合のやったことが絶対正しかったと思う。あれが本当のリーダーというものですな。

【記者】募金についてなんですけれども、「海の森」でそれを受けた「緑の東京募金」の募金の集め方で、都庁内、都職員に対して目安をある程度示して、カンパを求めたというのは、ノルマ化ではないかと。

【知事】全然違います。今まででもこういう例はたくさんあります。例えば弔慰金とか香典なんかで「大体どれぐらいにしたらいいんですか」という聞き合いがあったときに、この人はこれですから、大体局長さんはこれぐらい、部長さんはこれぐらいという返事は当局はしているでしょうけどね、こんなもの、ノルマ化するものでもないし、要するに人の善意、意思の問題ですから、全く違います。

【記者】ただ、職場の中でそういうものが回ってきた場合に、特に管理職の方々というのは、雰囲気として断りにくいと。任意と言いながら、半強制というか、暗黙のそういうプレッシャーがあるというふうにおっしゃっている方がかなり多いんですけれども。

【知事】それはその人がケチケチしているからだろうね(笑)。それはやっぱり東京は10年計画で緑を増殖しようというときに、都民にも、一般の市民にも、要するに都民じゃない方にでも、とにかく募金を求めてしているときに、東京の職員だけが、都民の1人かどうか、都庁の半分ぐらいは県外から来ている連中だけど、都で仕事をしている人間が、一般の市民には募金を募って、依頼して、自分たちは一銭も出さんでは済まんでしょう。そんなの当たり前の話じゃないですか。

【記者】今この時間、国会のほうでは、福田・小沢党首会談というのが行われているんですけども、ねじれ国会ということもあって、今国会でも法案がまだ1本も通っていないような状況、国政が随分停滞しているなというイメージがあるんですけれども、都政にかかわってくる影響とか、あと、今の政治状況についてのご感想がありましたら、一言お願いしたいんですが。

【知事】言うときりない話になっちゃうけどね、僕は小沢さん(小沢一郎 民主党代表)というのは昔からウォッチしてますけど、言っていることが何か彼自身の中で捻られてしまって、随分、昔と言っていることが違うような気がしますな。だから、やっぱり民主党の中にもいろいろ異論があるんだけど、嫌なら出ていけというのも、これは変な話でね。それも、何ていうのかな、ディクテーター(独裁者)の言い分だね。

 自民党だって、異論があったって、この間は、要するに郵政の民営化で反対した人に刺客を立てたということをやりましたけども、あの影響を受けてかどうか知らんけどね、異論があるなら出ていけというのも、これはやっぱり政党のリーダーとして、私は随分思い切った姿勢だなという気で眺めていますけども。

 それにしても、密室かどうか知らんけど、とにかく両党、与野党のトップのリーダーが差しで話すことも、これは場合によっては大事だと思いますよ。それは密室だということで他が非難するものじゃなしに、政治っていうのは私はそういうものだと思うけど、とにかく早くやってもらいたいね。どんどん結論を出して。

【記者】都政についての影響も、とにかく何でも早く結論をどんどん出して欲しいというようなことですかね。

【知事】都とのかかわりの問題というのは、またこれはちょっと違ったケースでね。特に私が今懸念しているのは税制の問題ですけど、これはやっぱり開かれた形で討論して、急ぐ必要はないけど、しかし、のんびりしてもらっても国も困るでしょう。みんな困るんですが、やっぱり熱い討論というのかな、筋道立った理屈の言い合いをしてもらいたいですね。

【記者】きょう農業祭で知事も署名していましたけれども、東京オリンピックの招致を求める…。

【知事】署名するのは、いや、まああれは1つのパフォーマンスでやらされたんだけどさ。私が署名しない訳ないじゃないですか。

【記者】この署名活動についても、一部の区市町村ですとか、都職員に要請している、この署名活動が押し付けになっているのではないかという批判もあるんですけれども、このことについて知事は。

【知事】いや、押し付けって、依頼している話でね。嫌なら嫌と言ってもらって結構なんです、それは。東京以外のところでやっているんですから。何でも物事を捻って、何か人の足を引っ張るみたいなものの聞き方をしないほうがいいよ。

 何か知らんけど、この頃メディア全体がサディスティックになってきてさ、また世の中もそれに快哉(かいさい)を叫ぶのかもしらんけどね、私はやっぱり今の風潮はよくないと思うね。人に水ぶっかけたってしようがないじゃない、本当に。

【記者】参議院の清水谷宿舎の話なんですけれども、参院側で、現在3LDKの予定を一部1LDKに若干縮小して、現在の建設予定地で建てようという計画がどうもあるようなんですけれども。

【知事】だめですよ、そんなものはね。私が言っているのはね、あそこにあるあれだけの森を潰す必要はないし、かけがえのないものだから残せと言っている訳。切っちゃった木というのは、育つまで100年ぐらいかかるんだから。

 ですからね、衆議院の宿舎が空いているんだから、使えばいいじゃないですか。そうじゃないですか。それから、ほかにだって用地があるんだから、ほかへ建てたらいいじゃないですか。永田町小学校というのも使っていないんだから、あれも何かいろいろ用途があるらしいけど、そんなものも考えてね。全然それはナンセンスというのかな、3LDKが1LDKになろうが、なるまいが、空いている部屋をまず使ったらいいんだ、参議院宿舎に。何で参議院と衆議院が一緒に住んじゃいけないの。国会議員の宿舎じゃないか。問題の、こちらがそれを認めないというその根拠というもの、本質的な問題のあり方というのを理解していないよね。誰がその3LDKを1LDKという、そういうことを言い出したのか知らないけど、本当にちゃちというか、その場しのぎの小手先というか、物事の本質をわきまえていないから、バカなことを考えるんだと思う。

【記者】三宅島のバイクフェスタの話に戻ってしまうんですが、先月末で申し込みが締め切られまして、オープニングパレードやツーリングラリーなどに参加するためにバイクを持ち込むという一般ライダーが、当初見込んでいた100人を大きく下回って33人ということなんですけれども、この数字はどのように受けとめていらっしゃいますか。

【知事】さあ、その数字は詳しく聞いていない。もうちょっと何か数が多いんじゃないでしょうか。合わせて、いずれにしろ600〜700人の方が来られる訳ですから、それに見合う車が参加するんじゃないかな。ちょっと私、正確な数字を…。

 あ、ラリー等参加バイク台数は約90台です。

【記者】島の人から盛り上がらないのではないかというような、心配する声も上がっていますが。

【知事】やってみなきゃわからない、そんなものは。最初から大成功するものでもないしね。初めての企画ですから。やっぱり年を重ねていくごとに充実してくるでしょう。物事はみんなそうじゃないの。

【記者】先ほど質問しようとして聞けなかったことを聞きたいんですけれども、3期目が始まってから半年たちました。知事は、選挙のときに「東京再起動」というふうにおっしゃっていましたけれど、この再起動はうまくいっていますか。

【知事】いっていると思いますけどね。あなたの評価次第だ、それはな。

 はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)