石原知事記者会見

平成19年6月28日更新

石原知事定例記者会見録

平成19(2007)年6月22日(金)
15:00〜15:12

知事冒頭発言

【知事】私から、冒頭申し上げることはございません。

 質問があったら、どうぞ。

質疑応答

【記者】渋谷区松濤の温泉施設の爆発事故によって尊い命も失われたということで、温泉掘削の許可を与えている東京都として、今回の事故について、直接の責任とか、そういったものは今のところないかもしれませんが、再発防止にどうしても取り組まなければいけないと思います。こうしたところで、知事、改めて今日のこの会見でお話をしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

【知事】今度の事故の詳細な報告は、まだ警察から受けておりませんから、それを受けた上で、適切な対処ができる規制というものを考えなくちゃいけないと思っていますけど。ただ、概略、聞いたところ、百数十カ所あるその施設の70%は、要するに、くみ上げた温泉から出る天然ガスを、いきなり外へ散らしているらしいんですよ。これはね、メタンガスというのは、私は子どもの頃ドブのにおいで覚えているんだけど、においがあるのかと思ったら、そうじゃなくて、無味無臭だそうですね。そうしますとね、その建物、施設のある街の構造そのものですね、どういう形でそれを地上に排出しているか知りませんけども、場合によったら、街のあるところにたまってしまう危険性だってあるわけですね。それをやっぱり考えた上でね、7割は地上に排出をしているから安心できるものでもないですしね、やっぱりその7割についても、ちょっと綿密な、街の構造からして危険性があるかないか、風向きによっては変なところへ物がたまらないかということも、きちっと調査しろと言っておりますけども。

 あとは、警察から詳細な報告があったときに、それに応じて規制を考えていかなくちゃいけないと思っています。

【記者】東京都には148カ所あるんだそうですね。島しょ部も含めてということなんですが。それだけの数字、多いということもありますし、今、温泉ブームであるし、それから、介護施設などでもそうした温泉を掘り出そうというところ、これが随分顕著に見られていますので、監督といいますか、こうした点はぜひよろしくお願いしたいと思いますね。

【知事】そうですね。私が昔、ちょっと入っていた二子玉川のスポーツクラブね、メンバーも増えてきたので、地下水をくもうと思って掘ったら温泉が出ちゃったんで、別棟をつくって、そっちのほうが今はスポーツクラブより、流行っているそうですけどね。やっぱり、再三申し上げてきたように、日本というのは世界最大の火山帯の上にありますからね、ボーリング技術が進んでコストが少なくなってきたら、至るところで温泉が出るわけでね。こういったものは、やっぱりこれを機にですね、きちっと対処というものを考えなくちゃいけないと思います。

【記者】参議院議員の宿舎の移転問題なんですが、当初は国から協議の申し入れがあったときに、一般的には1カ月ぐらいで結論が出るというふうなことを局側から聞いていたんですけれども、その後、例えば判断を下す時期に、選挙云々というものは影響したりするんでしょうか。

【知事】知りませんね、そんなことは。私は知りません、そこまでは。そんな勘ぐりをする必要はないんじゃないの。

【記者】来月予定されている全国知事会議に、知事は出席する予定はあるんでしょうか。

【知事】します。これはね、ちょっと大事な会議になると思うんでね。麻生君(麻生渡 福岡県知事)もね、全国知事の会長をしているので、この間2人で会いましてね。福岡県はちょっと微妙な立場。彼は会長をしているからね、ニュートラリティー、中立ということで会をリードしなくちゃいけないんでしょうけど、福岡県そのものも、国がどうも考えているらしい法人2税の、要するに改悪によりますとね、被害をこうむる有力な県の1つなんですよ。ですからね、彼はその発言、なかなか自分自身としてできるかできないか、そんなことも含めてもっと概略、つまり国対地方というものの問題の構図が、大都市対他の地方という形にすりかえられようとしているんでね。それはやっぱり知事会で認識を持って、本来こういうものじゃないんだという、問題はそんなことじゃない、まして今の尾身君(尾身幸次 財務大臣)のような財務大臣は、小渕時代にできた地方分権一括法の付記にあるとおり、とにかく「税財源の分与は中、長期」とうたわれているのに一切しないと言っているんだから、今。こういう事態にね、我々、要するに地方を預かる知事がどう対処するか、やっぱりそういうきちんとした現段階の歴史認識と言うと大げさになるけど、そういうものを踏まえた上で討議しようじゃないかと私から言います、それは。

【記者】三宅島のバイクレースの件なんですが、今回の知事の視察は天候の関係で、なくなりましたけれども、議会後に行かれる予定とかはございますでしょうか。

【知事】ええ、まあ、できるだけ早く行こうと思っていますけども。

【記者】いつごろになりそうですか。

【知事】ちょっとわかりません、まだ。

【記者】三宅島では阿古地区で、高濃度地区に7月、8月に一時滞在できるようになりましたけれども、その件に関してはどのような…。

【知事】いや、これはまあ村の判断ですからね。しかし、そこにずっと住むというわけじゃないんでしょう。それはやっぱりね、有害なガスが出ていることは間違いないんでね。その結果ですね、例えば前に申し上げた、あなたが来る前だけどもね、三宅の問題に対処したうちの課長がね、再三行っているうちに、その人、子どもの頃小児喘息でやっと治ったんだ。行っているうちに、またなっちゃったんですよ。ですからね、そういう何というのかな、引き金になりかねないからね。既往症のある人じゃなくても、健康な島民でもですね、大丈夫だろうと言っているうちに、結局健康をどんどん、どんどん阻害されていく、そういうおそれもありますからね。そこの判断というのは、毎日やっぱり住んでいる島民の代表の村の行政機関が決めることだと思います。

【記者】村の人たちが求めている空港の再開についての見通しはあまり立っていないということですか。

【知事】これも君はニューカマーだからね。うーん、もうさんざん言ってきたの、その話は。調べて、あなた。今まで飛んだ全日空に行って聞いてごらんなさいよ。非常に難しいんです、それは。あそこにあるガスに雨が混じるとね、そのまま硫酸になるんですよ。それがいかに危険かというのは飛行機会社が一番よく知っているよ。保険の形も変わってきますからね。そう簡単にはいかない。

【記者】きょう裁判所のほうから東京大気汚染訴訟の和解案が示されますけれども、改めてご感想をお願いします。

【知事】ですから、詳細を見ていませんから、その段階ではっきり申しますけれども、やっぱり政府は政府で歴史的な決断をしてくれたわけですからね、これから先やっぱりね、具体的な問題について都は都の責任を果たしていきたいと思っていますけども。

【記者】来年2月の第2回の東京マラソンについて、参加の募集が始まりましたけれども、現時点で非常に応募が多いと聞いております。それについての感想等をお願いいたします。

【知事】はい、非常にうれしいことでね、前回に比べて応募を開始した同じ日数の時点で大体22%応募の数が増えていますからね。あとはもうもっとうれしい悲鳴を上げざるを得ないんじゃないでしょうかね。まあ、これ、増やせば増やせないことないのかなと思うんだけどね、エントリーを。

【記者】枠自体を。

【知事】うーん、ねえ、そこのところ、少し考えますよ。せっかく皆さん、来てくださるんだから。3万人プラスアルファだけども、4万人くらい何とかならぬかなと思ってますけどね。警察が悲鳴上げるかもしれないけどね。それから、やっぱりボランティアの人たちもね、対応する人数がふえればまたその数も確保しないと。これはボランティアだって、この間も応募が多過ぎて締め切ったんで、そういう点では対応には自信がありますけども。

【記者】知事、明日、始球式に出られるそうですけれども、先ほどオリンピックの会合でもなかなか盛り上げがこれから難しいというふうな認識をお持ちでしたが、あしたはそういう思いも込めてイベントに参加されるということですか。

【知事】そのとおりです。そのとおりです。

【記者】なんか始球式の練習などはされたのですか。

【知事】私は強肩のピッチャーですから、大丈夫です。それよりも風邪のほうが心配なんです。

【記者】今日なんですが、新銀行について、株主総会、まさにこの時間やっておるんですが、改めてきょうは仁司さん(仁司泰正 株式会社新銀行東京代表執行役)にかわって森田(徹)さんが新代表執行役になるということで、新しい経営陣に対する期待と、あと、都としては大塚(俊郎)前副知事を始め5人を送り込むということで、そのほかに何かサポート的なものを、21年度の黒字化に向けて何か考えておられることがあるんであれば、教えていただきたいと思います。

【知事】いや、今別段にありません。ただ、まだまだ前体制でのこういう結果をもたらした経緯についての詳細な分析が済んでいませんけど、とにかく、最低限の目的として、2年後に単年度黒字を出すと。それが達成できないと、これはやっぱり非常に関係者の不安も募るでしょうし、とにかくそのために衆知を集めて立て直しを図りたいと思っています。

 残念ながらね、ほんとにやってきたことの中でね、1つだけ、これだけがね、目算が狂ったというか。しかし、何で、まあ愚痴を言ってもしようがないんですけどね、監督責任云々と言われるかもしれないけど、しかし普通の常識でいったら、プロセスをもうちょっと。それゆえに今度都の職員にも、大塚さんにも出向してもらったんですけども、うーん、まあ、ねえ、人事の異動も含めてね、それがどういう理由で行われたということも本当に後になって聞かされる感じでね。そういう点では非常に不本意な思いをしてますけども、いずれにしろ、結果は結果でありますから、とにかく最低限の目的を、2年後の単年度黒字というものを目指してですね、総力を尽くしたいと思ってます。

 ただ、まあ全体、世の中、金余りでね、借り手がなくて困ってる状況なんでね。で、借りたい人は本当にピンチで、デフォルトの可能性もあるというような、そういう状況ですからね。なかなかこれからの立て直し、大変だと思いますけど、頑張ります。

【記者】今まで取締役は月1回ある取締役会に出席する程度ということだったんですが、大塚さんの場合はもう少し銀行への関与というのは強めていきたいというふうに知事はお考えになっていらっしゃいますか。

【知事】いや、これはね、彼の現場に行っての判断でですね、その頻度というものは彼が選択するでしょうけども、まあ、大塚(前)副知事といえどもね、税務に関してはらつ腕だったけども、経営の経験のある人じゃありませんから、やっぱり管理ということでの、要するに役割を十分に果たしてもらいたいと思っています。

 はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)