石原知事記者会見

平成19年6月21日更新

石原知事定例記者会見録

平成19(2007)年6月15日(金)
15:01〜15:26

知事冒頭発言

民間から登用の副知事人事案について

【知事】冒頭、皆さんいろいろご関心の、民間から登用の副知事の人事案件ですけども、昨晩、最終的に猪瀬直樹さん(作家)と話しまして、就任を引き受けていただきました。後は、これから議会に諮って、人事として認証してもらうわけですけども、ということであります。なぜ猪瀬直樹さんかというのは、これは皆さんもご存じでしょうけどね、彼はもう政府の税調(税制調査会)の委員もしているし、それから、今も確か地方分権委員会(地方分権改革推進委員会)ってのはどういう構成になっているか、そこで会議をやっているらしいけども、そういう点で、国に対して、国のお役人に対して発言力があるし、彼自身も非常に博覧強記(はくらんきょうき)の人でね、私も同じ物書きとしてね、彼の書いたいろんなものを読んでいますが、特に、これは直接行政に関係ないけどね、太宰治(作家)って、僕、大嫌いなんでね、あの人がどういう人かというのを『ピカレスク』で非常に面白く分析してて、なるほどなと思った。私が彼が嫌いだというのもよくわかったんだけど。もう1つ、私非常に、ある意味で、近しい関係にあった三島由紀夫さん(作家)についても、あれは『ペルソナ』ですか。これ、今までね、三島さんについての分析、ああいうベクトルでした人はいなかったんですがね、なかなか緻密な考証をしましてね。ああ、なるほど、こういうベクトルであの人をとらえた人って、なかなか珍しいなと思って納得するところがたくさんあったんですが、そんなこんなで、政府関係の仕事も非常にアクティブにやってらしたし、道路の問題も詳しいし、これからの東京が国との間に抱える問題について、非常にいいアドバイザーになると思いましたので、彼に委嘱をしました。あの人も売れっ子の物書きでもあるし、いろいろ、歳費(報酬)も含めてね、条件を詳しくお話ししないと、彼も決断つかなかったと思いますが、最終的にどういう判断をしたか知りませんが、引き受けてくれましたのでね、今日正式に発表いたします。あとは議会の認証を得るだけです。ほかの問題で質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】今たまたま発表されました件についてなんですが、猪瀬さんは、税金について、ちょっと知事とお考えがぶつかり合うところもおありかと思うんですが、その辺についてのお話し合いも綿密になされたということも。

【知事】しました。それで議論も戦わしましたしね。彼は、法人税をどういうふうにいじれとは具体的に言っていませんけども、かなりの地域によって税収の格差があるということは指摘していましたが、といって、こちらはもっと根本的に異論を唱えているわけですから、そこで、これから国との抵触の中で、どういう方法を構えていくかということについては彼とも話しますし、また、彼自身も、私は説得というか洗脳する自信がありますし、その話もしましたし、彼もそれはいろいろ彼なりに考えていると思いますけども。ただ、ほかの点でもね、非常に有能な人ですからね、これから、やっぱりあれですね。この間もね、大都市を抱える4県の、神奈川県、愛知県、大阪の知事が集まって、皆さんと会見しましたけども、ああいった問題が出てくるときに、私は、もっと緻密な頭を持っている人だから、こういう歪んだ社会構造の中での東京の意味合い、大都市の意味合い、代表するスポークスマンとして、私は大いに期待しております。

【記者】いろいろと意見も食い違いがあったり、ぶつかり合うこともあろうかと思いますが、要するに、東京都をいい方向へ持っていこうということも。

【知事】そうです。

【記者】ありがとうございます。

【記者】ふるさと納税に関連してなんですが、きょうの宮崎県議会で、東国原知事が、ふるさと納税について質問を受けまして、税制としてはかなり厳しいものとはわかっている。しかし、全国知事会で出たような、都市の税金を地方に振り分けるというのは、都市側の考えではないかというふうに、都市から出てくる考えであって、地方の考えではないというような批判をされているんですが。

【知事】何が?ちょっとよくわからない。

【記者】要は、都市で集めた税金を地方に振り分ける、そういった考え方というのは、東国原知事は、都市部から出てくるような発想だと。

【知事】そうじゃないですよ。あんなものを言い出したのは国会でだね、むしろ地方出身の議員が言い出したことでね。その発想そのものとしても税の原理にもとっていますからね、こんなの話になりませんよ。こんなもの通用しませんよ。参議院のためのキャンペーンにもならないしね、実現できっこないことを言っているわけだから。

【記者】都市部があるのは、地方があるからこそ都市部があるんだというような発言もされているようなんですけれども。

【知事】それは、お互いに持ちつ持たれつじゃないですか。やっぱりね、私は、東京は日本の心臓部であり、頭脳部だっていうけど、それは大阪だってそうでしょう。ただね、地方の非常に小さな県というか、何をもってマイナーとするかメジャーとするかわかりませんよ、しかしね、人間の体に例えればね、要するに、小指に1本とげが刺さったって、いらいらして、仕事がうまくいかないんだからね。やっぱり一つの体というのは、要するにいろんな部分が統合されて、健全にそれぞれ動くことで初めて健康を保てるわけですからね。私は、大都市が地方をばかにしているとか、地方が大都市にひがみを感じるというのはおかしな発想で、そういう認識そのものが間違っていると思いますけどね。

【記者】知事と渡り合うというような発言もされているようですけど。

【知事】何で渡り合うの?あの人は税金をよくわかっていないんじゃないの。

【記者】すみません、ありがとうございました。

【知事】やっぱりお互いに勉強してものを言い合ったほうがいいですよ。舌足らずの議論するとばかにされるのは、役人にばかにされるだけだから。

【記者】猪瀬さんのお話なんですが、まず、知事が打診されたのはいつごろでしょうか。

【知事】そんなこと言う必要ない、いちいち。人のプライバシーに関係あることだしね。

【記者】あと、国との交渉ということですけれども、担当の具体的な分野みたいなことは考えていらっしゃるんでしょうか。

【知事】これは大事な質問ですがね、むしろ無任所、フリーランスな形でね、ほかの副知事とはちょっと立場も違うし、キャリアも違いますんでね。随時、つまり国とのかかわりの問題、もちろん東京都プロパーの問題も発言してもらいますけどね。例えば、水道を受け持つとか何を受け持つ、そういうポジションをきちっと決めないほうがいいんじゃないかと思う。物事が動き出してから彼と話しますけども。

【記者】今、知事が、国との戦いという意味では、東京ひとり勝ち論がおかしいというふうに主張されていらっしゃると思うんですけれども、その辺についても、猪瀬さんを活用して訴えていくというおつもりですか。

【知事】そうでしょうね、やっぱり。国との話し合いというのはね、どうもやっぱりね、都庁からずっと来た、都庁プロパーの副知事さんというのはね、何かやっぱり国と話しているときに妙な劣等感があってね、今度の3人はどうとは言いませんよ。しかし、今までのキャリアから見るとね、そういうところがあるんだよ。だからね、前の、ちょっと問題を起こしたかもしらんけども、浜渦君(浜渦武生 東京都参与、元東京都副知事)みたいな、あの副知事も活用できたんで、彼も、だから、国との交渉事の最後には乗り出していますけども、やっぱりもっと論理性があって、国の仕事にもキャリアのある猪瀬さんだと、私は、こちらの期待した以上の仕事を果たしてくれると思っていますけども。

【記者】さっき、洗脳する自信があるということで・・・。

【知事】洗脳か何か、議論というのは大いにいろんなものが出てくるんで、身内であろうと何だろうと、議論することから、つまり、アウフヘーベン(止揚)もあるわけだから、ご心配要りません。

【記者】DC特区などもおっしゃっていましたが。

【知事】これは1つの案でね、そんなものは、案として口にする人はたくさんいますよ。だから、これはいつごろ、どういう形で実現されてくるかということはわからないし、僕は、今の23区のあり方とか、今の道州制の議論って行ったり来たり行ったり来たりで、何にも出てこないじゃないですか。だから、そこのすき間の中から、DC特区なんていう形が出てくるのは、こんな話は何も猪瀬さんだけじゃなしに、前からいろいろ言っているのが随分いますから。ただ、やっぱり1つの案としてここで反論すれば、そうすると、誰が要するに直轄官になるの。内閣がくるくるかわるときに、内閣が任命する一種の代官みたいなもので、特別区の首長になったときに、内閣と一緒にくるくるかわったんだと、それはもう、首都圏の行政っていうのはメタメタになりますからね。そんなことはできっこないですよ、人事から考えたって。まあ、それをどういうふうに立て直していくか、どういう案でそこの行政官を決めるか、これからの問題でしょうけど、1つの案として出てくるのは、いかにもあり得ることだと思うけども。諸井君(諸井虔 元地方制度調査会会長)、亡くなったけど、彼ともそんな話をしましたがね、彼はもっと先のことを読んでいて、多分それは難しいだろうみたいな話もしていましたな。彼の案の中にも、それは出ていましたよ。

【記者】具体的に議会に、猪瀬さんの副知事の人事案を出されるのがいつになるのかというのが1点と…。

【知事】まずそれはね、この二次(第二回)定例会の中で提出して、認証してもらおうと思っています。

【記者】先ほど条件面の詰めが云々とおっしゃっていましたが、それは全部クリアになっているんでしょうか。

【知事】いや、だから、彼は承認して、要するに、受けた。

【記者】わかりました。

【記者】2点目が、4月の会見のときに、ご自分で決めることではないとおっしゃりながらも、後継者みたいなことを念頭に置かれて、その副知事が4年間、一生懸命頑張れば、そういう話になってもいいんだよとおっしゃいましたが、それは猪瀬さんを念頭に置かれた発言と思ってよろしいんでしょうか。

【知事】いや、違いますね。そのときは、何人かの人間を考えていました。自分の中で収斂(しゅうれん)して、猪瀬さんに的を絞ったわけですけれどもね。ほかの県ではあるかもしれないけども、副知事がそのまま知事になるとか、市町村だと助役さん、今で言う副市長ですね、それがそのまま市長になるケースは多かったけども、私は、東京は、ちょっとそういうことはならぬと思います。やっぱり本当の政治家が出てきてね、選挙で意見を吐露して、都民に選ばれる形の首長が望ましいと思うし、そういう点では、私は、猪瀬さんも含めて、私の次の知事選に誰が出るか知りませんよ。しかし、やっぱりできれば民間から登用した人が4年間副知事としてのキャリアを踏んで、東京都を把握した上で出ることは望ましいかなと思った。それは一般論としてね。

【記者】都がイニシアチブをとってきた東京大気汚染訴訟の和解がいよいよ大詰めを迎えてきて、国もお金を出すと。ところが、首都高速がなかなか渋っているのと、メーカーの一時金の問題ですね。先日、総理ともお会いになったりしたという話ですけれども、タッグを組んでどういうふうにいくというようなお話はされたんでしょうか。

【知事】いや、その話は出ませんでしたがね、その前にも官邸で総理に会って、彼もそれで心を動かしてくれて、ああいう決心をしてくれたわけですけどね。その後、やっぱり国交省の役人は慌てて冬柴(鐵三)大臣の口をふさいだわけだ。要するに、こういうことを言わなきゃだめですよと。何というのかな、お役人というのは、自分の城を守るのに汲々としますからね、首都高速の利益が年に5億ですか、3億ですか、どまりなのに。しかし、収益っていうのかな、売り上げっていうのは数百億あるわけですからね、そこのやりくりは当然つくはずでね、僕はやっぱり役人は役人で、自分の城を守るために、姑息とは言わないけど、手早い手を打つなと思った(※)。

※首都高速道路株式会社の18年度決算
 料金収入 2,547億円
 経常利益 42億円

 これは、これからやっぱり内閣全体の議論にさらしていきゃいいということでね、世論というものがこれをどうとらえるかで、国交省の役人が何だろうとかんだろうと、押し切れるものは押し切らなくちゃいけないと思うし、要するに、すべき補償ってのはしなくちゃいけないと思いますよ。今はその過程でしょうな。それは、我々が望んでいるような形の補償というのをすれば、首都道路公団(首都高速道路株式会社)はもたないなんていうけど、そんなわけはない。それは役人の作文であって、大臣はそれを読まされたということでしょうが。それはやっぱり冬柴さんだって大都会の出身ですから、彼の信条からしたらちょっと違うんじゃないかな。やっぱり大臣はまず自分の役所を守るということなんでしょうけどね、うーん、これから先はちょっと違った返答になると私は思いますし、しなくちゃいけないと思います。

【記者】大詰めですけれども、いよいよ知事のどこか出番というのがあると…。

【知事】いやいや、これは何か抽象的なキザなことを言うみたいだけど、1つの文明批判、文明論としてね、最後は総理が決断を下すことでしょう。

【記者】猪瀬さんなんですけれども、副知事になるに当たって、東京をこうしたいですとか、こういうように働きたい、副知事としてこういうことをしたいというような何か要望というのはあったんでしょうか。

【知事】誰から?

【記者】猪瀬さんから。

【知事】それはないです。私が、こういう問題をこれから東京は、政府と構えるでしょうけど、あなたの今までの経験を生かして、とにかく東京の立場になって手をかしてほしいと言いましたが、彼が私に何をさせろ、かにをさせろ、何をこうだという、それはありません。

【記者】以前、副知事としての条件で、知事よりも弁が立って優しい人というようなことを、知事、何か4点ぐらいおっしゃっていますけども…。

【知事】優しいとは言わなかったけどね。

【記者】そういった条件というのは…。

【知事】おれは結構優しいからね。な。(笑)笑うなよ、みんな。(笑)

【記者】条件はクリアしていると…。

【知事】いや、彼は僕より激しいところがあるからね、そういう人のほうがいいんじゃないですか。まさに博覧強記ですし、いろんなことをよく知っているし、ああいうタイプの物書きって、日本にいなかったよね。

【記者】それから、参議院選挙のことなんですけれども、知事は応援の予定はありますでしょうか。

【知事】それは、まあ、せっかく都議会から出ている大西君(大西英男 前都議会議員)なんか通さにゃいかんですし、東京から出ている議会の与党なんかも応援しなくちゃいかんと思ってますけどね。

【記者】猪瀬さんの関連なんですが、副知事人事案は、これまで知事が提案したもので否決されたこともあったりして、かなりご苦労されている部分もあったかと思うんですけれども、今回そういう議会の同意を得る自信のほどというか、どのように説得していくのか。スケジュール的にはもう12日に開会しちゃっているので、ちょっと遅いんじゃないかという声も都議会から出たりもしているんですけれども、そのあたりについて伺いたいんですが。

【知事】いや、別にそれほど議会としても、悩みながら熟慮するような案件ではないと私は思います。既にサウンディングもしていますけども、そういうことで、私は今日その発表をしたわけですから。それから、今まで私の副知事案が否決されたのは浜渦君のときだけで、これも1年待って通ったわけですけどね、今度の場合にはちょっとケースが違うんじゃないか。浜渦さんは未知の人材でしたけどね、都庁にとっては。都議会にとっても。猪瀬さんはかくかくたるキャリアのある人ですし、業績のある人ですから、これは私はやっぱり、どの政党にしても、東京都のことを考えたら、私は恐らく異存がないんじゃないかと思ってます。そう期待しております。

【記者】じゃ、与野党限らず賛同してもらえるものだという…。

【知事】そう期待しております。期待ですよ。

【記者】猪瀬さんは高速道路に厳しい方なんですけど、3環状、どうでしょうか。推進されるご意見、知事とのご意見のすり合わせはいかがですかね。

【知事】まあこれからでしょうけどね。ただ、やっぱり物事にはプライオリティーがあるんでね。要するに、都市工学というか、文明工学というか、その中でも首都の持つ意味合い、首都の持たなくちゃいけない機能というようなものの比重、そういったものは、彼は公平な立場で理性的に考えることができる人だと思いますから、おのずから出てくる結論があると思うし、そういう点も私、期待してますけど、彼に。

【記者】これから話し合って…。

【知事】今までいくつかの話もしました。それから、オリンピックの問題はまだ説明し切れていませんから、これからそのチームに加わってもらえば、チーム内の幹部達との、会議の中で彼もやっぱり知識を習得して、自分の判断を磨いていってくれると思いますよ。

【記者】これから意見を合わせていかなければいけない…。

【知事】いや、だから、意見が違ったわけじゃなくて、そこまでそんなね、あの人だって忙しい人で、私、チューター(家庭教師)じゃないんだからね。向こうの質問に答える前に、私が懸念したものについちゃ、こうこうこうだということを言いましたけどもね、その問題については、彼は道路の専門家だし、彼なりの理性を持っているから、物の判断、プライオリティーの判断はつくと思います。

【記者】あと、すみません、環状道路の一番外側の圏央道が23日に八王子で接続するんですけど、中央道と。ご所見をお伺いしたいのと、それから、地元で圏央道の料金が高過ぎるというんで、市長や議員がイベントを欠席したりという動きがあるんですけど、この辺どうお考えでしょうか。

【知事】これは市長の気持ちはわかるね。僕も調べてみたら、ほかの高速道路っていうのは、1キロ当たり20円か…。

【記者】何か2割ぐらい…。

【知事】もっと高いですな。試算の数字がどっか行ったな。中央道は1キロ当たり25円、圏央道は1キロ当たり40円なんですね。これはやっぱりかなりの格差だと思いますよ。ただ、造っている運営当事者は、要するにかかった費用というものをあるタイムスパンで償却していこうということで、こういう料金を割り出したんでしょうけども、それにしても、やっぱり我々の感覚から言ったら、ええっ、何でこんなに高いんだという気持ちはぬぐえないよね。そこら辺、これからのすり合わせの問題じゃないかしら。ただ、やっぱりせっかく造った道路だから、使ってもらわなきゃ困るんでね。

【記者】接続すること自体は。

【知事】これはもう大変な効果じゃないかと思いますよ。というよりは、中央道と関越がつながるわけですから、これはもう非常に大きな経済効果があると思うし、利用者も便利を感じてくれると思います。

【記者】ありがとうございました。

【記者】猪瀬さんの人事なんですけれども、猪瀬さんといいますと、道路公団民営化でも有名な方なんですが、当時、国のほうで行革大臣と国交大臣をやられていたのが伸晃さんだったわけなんですが、今回の人事、選ばれるに当たりまして、伸晃さんから何らかの助言なり、もしくは仲介なりということはあったんでしょうか。

【知事】助言というか、あの人の人となり、それから判断力も含めての能力については聞きました。彼は非常に高く評価していました。小泉内閣でも重用された人だから、この間、福田赳夫(元内閣総理大臣)先生の13回忌ですか、そこでも小泉(純一郎)前総理に会ったんで、一言断っておきましたが、「ああ、そりゃいいな」と言っていましたよ。はい、それじゃ。また何だい。

【記者】確認なんですが、猪瀬さんが今まで提唱されてきた、東京から税源を大幅に国ないしは地方に移すとか、都心区を東京から切り離すということについては、議会にサウンディングされて、ある程度手ごたえを得ているということは、猪瀬さんは、そういう東京の不利益になるような制度改変については、これまでの持論ないしアイデアを撤回されるということでいいんでしょうか。

【知事】それは彼に聞いたほうがいいんじゃないかな。これで彼だって東京っていう現実を知れば、前から言っている文明工学的に、日本の心臓部であり、頭脳部である東京というものと、日本のこれからの推移というものを勘案して、彼は彼なりに判断するでしょう。私は、議論もするでしょうしね、衝突もあるかもしれない。まあしかし、東京にとって決定的な不利益になるような論を彼が固持するなら、これはまたやっぱり考えなくちゃいけないでしょうね、任命権者としては。そのぐらいのつもりで彼も来てくれるし、私もその話をしてきましたよ。大事なことは、その議論が表に出るっていうことで、やっぱり物事がもう少し収斂されていくんじゃないかしら。

【記者】22日に大気汚染訴訟の裁判所の和解に関する所見が出るという話が入ってきたんですけれども、恐らくメーカーの解決金の額などが焦点になると思いますが、知事の期待感とかがあれば教えてください。

【知事】期待してますよ、だから。正当な文明批判をしてだ、自分の責任を感じてもらえば、役所だろうと、メーカーだろうと、どんな公団だろうと、やっぱりこういう被害が現に出ているわけだからね。人の健康が蝕まれて被害者が出ているわけだから、それに対するコンペンセーション(補償)をどうすべきかということは、同じ人間として考えるべきじゃないんでしょうか。はい。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)